テモテ第一2章・エバはなぜ罪を犯したのか

「また,アダムは欺かれませんでしたが,女は全く欺かれて違犯に至ったのです。」(テモテ第一2:14)
 

エデンの園で、エバは最初に善悪の知識の木の実を食べ、エホバに不従順になりました。(創世記3:6)エバは、なぜ罪を犯してしまったのでしょうか。


エデンの園で、エバがひとりで善悪の知識の木の実の近くにいた時、蛇がエバに話しかけました。もちろん、蛇は人間と話をする知性を持ち合わせていません。聖書は蛇の背後に、悪魔サタンという邪悪で悪賢い霊者がいたことを示しています。(啓示12:9)


 悪魔サタンは、エバにこう言って話しかけました。「あなた方は園のすべての木からは食べてはならない,と神が言われたのは本当ですか。」(創世記3:1)悪魔サタンの言葉は、善悪の知識の木の実を食べてはならないことが、不当に拘束的であるとエバが不満に感じるように仕向けることが意図されていました。エバは、蛇が話したことについて不思議だとは思わず、警戒しませんでした。エバは、大人の姿をしていましたが、精神的には幼く思考力に欠けていました。


エバは、蛇の問いにこう答えました。「園の木の実をわたしたちは食べてよいのです。でも,園の真ん中にある木の実を[食べること]について,神は,『あなた方はそれから食べてはならない。いや,それに触れてもならない。あなた方が死ぬことのないためだ』と言われました」。(創世記3:2,3)エバは、アダムから聞いていたことをそのまま答えたと考えられます。


それに対して蛇はエバにこう言いました。「あなた方は決して死ぬようなことはありません。その[木]から食べる日には,あなた方の目が必ず開け,あなた方が必ず神のようになって善悪を知るようになることを,神は知っているのです」。(創世記3:4,5)


蛇が善悪の知識の木の実を食べても、決して死ぬことがないというのは、偽りでした。人間は神から独立して行動して、永遠に生き続けることはできません。また、善悪の知識の木の実を食べたら、神のようになって善悪を知ることができるようになるというのも、偽りでした。また、人間が神のように善悪を判断できるのをそうさせないように神が人間を拘束しているというのも、神に関する偽りでした。


人間は、どんなに知識を取り入れても、創造者で全知全能の神のように絶対的に善悪をわきまえることはできません。人間は、正しく行動するために、常に全知の神の善悪に関する知識と判断に従順に従うことが必要です。(列王第一3:9)聖書は、「自分の歩みを導くこと」をその人自身はできないと述べています。(エレミヤ 10:23)


聖書は蛇の背後にいた悪魔について、「彼が偽りを語るときには,自分の性向のままに語ります。彼は偽り者であって,[偽り]の父だからです。」と述べています。(ヨハネ8:44)悪魔は、「偽りの父」とあるように、宇宙の中で、一番初めに偽りを語りました。しかも、悪魔は、神聖な神エホバについての偽りを語りました。それで、悪魔の罪は大きいものでした。


しかし、聖書の言葉は、エバが蛇の語った偽りを見抜けなかったことを示しています。聖書は、「へびがそのこうかつさによってエバをたぶらかした」と述べています。(コリント第二11:3)聖書は、さらに「女は全く欺かれて違反に至ったのです。」と説明しています。(テモテ第一2:14)


ですから、エバは、蛇の語った偽りをそのまま信じこみました。善悪の知識の木の実を食べても、決して死ぬことがないと考えました。かえってその実を食べると、神のように賢くなって善悪を判断できるようになれると考えました。エバは神のようになって善悪を判断することができるようになりたいと考えたに違いありません。エバの反応が例示しているように、女性は冷静な判断力に欠けている傾向があるでしょう。(テモテ第一2:12-14)


エバは、善悪の知識の木の実を食べたいという欲望をふりはらい、その木のあるところから、立ち去るべきでした。また、善悪の知識の木の実を食べるというのは、アダムを通して与えられていた神の命令に反していたのですから、どのように行動すべきかを、事前に夫のアダムに相談して判断を仰ぐのが賢明でした。けれども、エバはすっかり蛇の言葉を信じこんだので、エバは、蛇の誘惑に抵抗することができませんでした。


聖書は、「そこで女は見て,その木が食物として良く,目に慕わしいものであるのを知った。」と説明しています。(創世記3:6)エバは、間違った思いを持ちながら、神が禁じられた木の実を眺め続けました。そうすると、その木の実に対する欲望が大きくなっていきました。(ヤコブ1:14,15)

もし、エバがアダムに事前に相談していたら、アダムは、おそらくエバに木の実を食べることに反対し、正しい導きを与えることができたでしょう。そうすると、エバも罪を犯すことはなかったでしょう。しかし、エバはアダムに相談しませんでした。


結果として、「彼女はその実を取って食べはじめた。その後,共にいたときに夫にも与え,彼もそれを食べはじめた。」と聖書は説明しています。(創世記3:6)エバは、アダムに相談せずに、善悪の知識の木の実を食べました。そして、エバがアダムに木の実を勧めた時に、アダムは神ではなく、エバに従いました。(創世記3:12。使徒5:29)


エバは悪魔にだまされアダムにも従わずに罪を犯した


聖書は、「アダムは欺かれませんでした」と説明しています。ですから、アダムは、蛇の言葉が偽りであることを分かっていました。善悪の知識の木の実を食べても、神のように善悪を判断できるようになり、賢くなるわけではないことを分かっていました。また、その実を食べて神に不従順になると、最終的には、死んでしまうことを知っていました。しかし、それにもかかわらずアダムは神に不従順に行動しました。


その当時、アダムは、エバの頭また神の預言者として行動していました。その当時、エホバの言葉はアダムを通して与えられていたので、エバの行動は、エホバに対する罪であり、同時にアダムの言葉に対する不従順でもありました。


エホバから釈明を求められた時に、エバは言いました。「蛇です,それがわたしを欺いたので,そのためにわたしは食べたのです」。(創世記3:19)それで、善悪の知識の木の実を食べても、神のように善悪を知ることができるわけではないこと、蛇から騙されたことを、エバエデンの園で、木の実を食べた直後に分かったようです。


それで、エバが罪を犯したのは、蛇のうそに全く欺かれたからです。また、エバの罪は、アダムの頭の権の無視でもありました。


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