イザヤ61章・イエスは油そそがれ良いたよりを告げる

「主権者なる主エホバの霊がわたしの上にある。それはエホバがわたしに油をそそぎ、柔和な者たちに良いたよりを告げるようにされたからである。・・・エホバの側の善意の年とわたしたちの神の側の復しゅうの日とをふれ告げる(ようにされた。)」(イザヤ61:1,2)


イザヤ61章1,2節が誰に成就したかは、成就させた人自身が説明しました。イエスはナザレの会堂に出席された時、イザヤ61章1,2節を朗読され、その聖句がご自分に成就していることを説明されました。(ルカ4:17-21)では、イザヤ61章はどのようにイエスに成就し、良いたよりを告げられたのでしょうか。イザヤ61章は今日どのように成就しますか。


エホバはイエスにどのように「油をそそ(が)」れたでしょうか。イエスは西暦29年に、ヨルダン川バプテスマを受けられた時、天からエホバの聖霊を注がれました。(マタイ3:16,17)その時イエスは、神によってメシア(油そそがれた者)として任命されました。


エスはまた、柔和な者たちに「良いたよりを告げ」られました。イエスが、バプテスマを受けられて後、イエスは、神の王国が近いという良いたよりを宣べ伝えられました。(ルカ1:14,15。マタイ4:23)イエスが宣べ伝えた神の良いたよりは、神の王国が来て、神のご意志が地上で行なわれるという良いたよりでした。(マタイ6:10)また、神の王国の支配のもとで、「永遠の命」を享受できるという良いたよりでした。(マタイ25:34,46)また、神の王国の支配のもとで、地上が「パラダイス」になるという良いたよりでした。(ルカ23:43)


エスは、ご自分が人々に遣わされた目的が、「捕らわれ人に釈放を,盲人に視力の回復を宣べ伝え,打ちひしがれた者を解き放して去らせ」るためであったと言われました。(ルカ4:18)イエスは、実際に悪霊の捕らわれとなっていた人々を悪霊から解放されました。(ルカ4:41;11:14。マタイ4:24)また、盲人に視力を回復されました。(マタイ11:5;15:30,31)


エホバはとりわけ、自分の罪を後悔して、打ちひしがれる人に好意を差し伸べられます。(イザヤ57:15;66:2)同様に、イエスも自分の罪のために「打ちひしがれている者」に対して、「あなたの罪は許されています」と言われて、その罪の重さから開放されました。(ルカ7:48)そして、イエスはその当時それらの人々に、神の王国に入る機会を差し伸べられました。エホバに是認されて神の王国の成員となれるということは、良いたよりでした。(マタイ11:12;21:31)


また、イエスは「エホバの側の善意の年とわたしたちの神の側の復しゅうの日とをふれ告げ」られました。イエスは、当時のエルサレムが神から「見捨てられて」おり、エルサレムが敵によって攻撃され、徹底的に破壊されることを予告されました。(マタイ23:38。ルカ19:43,44;21:23)イエスの予告された「神の側の復しゅうの日」は、西暦70年に、ローマ軍によって、エルサレムを中心とした当時のユダヤ教の体制に臨みました。


しかし、その神の裁きが臨むまでは、「エホバの側の善意の年」ということができました。当時は、誰でも、悔い改めて、クリスチャンとなり、将来イエスと共に神の王国の支配者になるという類まれな機会をとらえることができました。


エスは、一世紀に成就する出来事だけでなく終わりの時にも成就する出来事を預言することを意図しておられました。なぜならイエスは、ご自分の王としての「臨在」のしるしについて予告され、イエスが王として天で即位されるのは、この事物の体制の終わりの時だったからです。(マタイ24:5。ダニエル7:9-14)


また、イエスは、未曾有の大患難を予告されました。大患難は、「神の側の復しゅうの日」です。なぜならイエスは、ルカ21章の中で、大患難を「処断の日」と呼ばれているからです。(ルカ21:22)大患難は、一世紀には、ローマ軍がユダとエルサレムを滅ぼすことによって到来しました。


エスのその預言は、これから将来も成就します。イエスは、対型的な「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が諸宗教を統制しようとすることが、未曾有の大患難の前兆となることを予告されました。(マタイ24:21)その時、クリスチャンは、一世紀のクリスチャンがそうしたように、山に逃げることによって大患難から逃れることができます。(マタイ24:15,16)


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クリスチャンは山に逃げて大患難を生き残るという良いたよりがある


山に逃げるクリスチャンのコミュニティは、エホバの恵みを受ける立場に立ち、その後、大患難の後の政治体制の間も存続します。そして、そのまま今の体制の終わりを生き残り、神の王国の支配する地上の楽園に入り永遠の命を受けます。(啓示7:14,17)


聖書は、大半のクリスチャンに大患難を生き残り、この地上で永遠の命を享受するという良いたよりを差し伸べています。(啓示7:9,14,17)しかし、この終わりの時に神の王国に入るという希望も一部のクリスチャンに差し伸べられるでしょう。(ダニエル7:22,27)大患難の前の今も、「エホバの側の善意の年」と言えるでしょう。


このように、イザヤ61章1,2節は、イエス・キリストに見事に成就し、イエスは、終わりの時の私たちにも良いたよりを伝えてくださいました。私たちはイエスが宣べ伝えてくださった神の王国の良いたよりに今日も感謝し、信仰を働かせることができます。


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