エゼキエル1章・エホバの天の組織−ケルブとみ使いたち

「生き物が行くとき,輪はそのそばを行き,生き物が地から上げられるときには,輪も上げられるのであった。どこへでも霊の行こうとする所へ,彼らは行き,霊はそこへ行こう[とするのであった]。」(エゼキエル1:19,20)

預言者エゼキエルは畏怖すべき天のエホバの幻を与えられました。(エゼキエル1:1) それは、エゼキエル1章と10章にあります。エホバの天の組織の中には、ケルブという霊者がいます。エゼキエル10章では、「一つのケルブの傍らに一つ の輪、・・・があ(る)」と述べられており、エゼキエル1章では、「それらの生き物のそばに、各々の四つの顔の傍らに、一つの輪があった」と述べられています。(エゼキエル1:15;10:9)ですから、ケルブは、幻の中で四つの生き物によって表されていました。(エゼキエル10:20)四つの生き物つまりケルブは四つの顔を持ち、四つの翼のある人の姿をしていました。(エゼキエル1:6)                       

                天の王座に座するエホバ神

その天の幻の中で、エホバ神は、ケルブの頭上にある大空にあるサファイヤのような王座に座る人のような姿をした方として表されていました。(エゼキエル1:26)詩編にはエホバ神が「ケルブたちの上に座しておられる」と述べられています。(詩編80:1;99:1)ですから、エホバ神は、ケルブを支配しておられます。                       
                み使いたちの組織の一致
その四つのケルブの傍らに貴かんらん石のようなきらめきのある輪がありました。その四つの輪は、一つの輪の中に、別の一つの輪が交差していました。(エゼキエル1:16)ダニエル書の中にみ使いが登場しますが、貴かんらん石のようでした。(ダニエル10:6)それで、その貴かんらん石のきらめきのある車輪は、エホバ神に仕えている幾億もの霊者なるみ使いたちを表わしているのでしょう。(ダニエル7:10)

冒頭の聖句は、輪と生き物が同時に動くことを示しています。このことは、ケルブが他のみ使いたちと神のご意志を行なう点で完全に一致していることを示しているようです。「どこへでも霊の行こうとする所へ,彼らは行(く)」という表現は、何を意味しているでしょうか。この霊は、神がご意志を行なわれる際用いられる力である聖霊を意味しているかもしれません。だとすると、この聖句は、ケルブも他のみ使いたちも、エホバの聖霊と協働していることを示しているでしょう。


あるいは、この聖句の霊とは霊者であるケルブを意味しているのかもしれません。もしそうであれば、この記述は、ケルブが神のご意志を行なう点で率先する時、 他のみ使いたちも、自発的に協力することを示しているかもしれません。また、ケルブたちも、互いに協働していることを示しているようです。


また、エゼキエル10 章の天の組織の記述の中でも、輪は「頭の向かう所へ、そのあとについて行くのであった。」と記述されています。(エゼキエル10:11)おそらく、この頭はケルブの頭であり、この記述により、ケルブは神のご意志を行なう点でみ使いたちの中で率先していることが伺えます。また、「ケルブたちが行くとき、輪はそのそばを行き、・・・これが立ち止まると、それも立ち止まり、これが登ると、それと共に登るのであった。」とあります。(エゼキエル10:16,17) この記述もケルブたちが率先していることを示しています。             
                ケルブとみ使いの関係

ケルブと輪の関係はどんなものでしょうか。ケルブと他のみ使いたちの位置関係は、上下ではなく、 「そば」また「傍ら」です。(エゼキエル1:15;10:9)ケルブと他のみ使いたちの位置関係は、上下ではなく、 「そば」また「傍ら」です。ですから、この記述はケルブがみ使いたちの中で率先しているとはいえ、上位にあってみ使いたちを支配していることは示唆していないと思います。ケルブは、おそらく他のみ使いたちと対等で、エホバのご意志を行なう点で協働しているでしょう。ケルブを含めてみ使いたちの上位にいて支配しておられるのは、エホバ神だけだと思います。

聖書の他の箇所で、エホバについて,「ケルブに乗り、飛んで来られた」と描写されています。(サムエル第二 22:11。詩編 18:10)このことは、おそらくエホバはケルブを乗り物の手段としており、ケルブがとりわけエホバと親密に行動を共にしていることを示唆しています。しかしながら、み使いたちの役割はさまざまであり、ケルブの役割もひとつの役割に過ぎないと思います。                           
                    セラフたち

イザヤ書によると、天のエホバの組織には、もう一つ「セラフ」という種類の霊者が存在しています。(イザヤ6:2,3)しかし、エゼキエル書の天の幻の中では、セラフの存在は特記されていません。エゼキエル書の記述の中では、セラフは、ケルブの傍らにいる輪に含まれているようです。                          

                    霊者の組織は強力

エゼキエル書の天の組織の描写からすると、エホバ神の忠実な天の組織には、混乱や不一致がないことを示しています。霊者たちは、完全に神のご意志を行なう点で協力しています。

聖書はひとりのみ使いでさえ、超人間的に強力であることを示しています。ひとりのみ使いが、昔一晩で、アッシリア人の兵士十八万五千人を打ち倒しました。(イザヤ37:36。歴代第二32:21。列王第二19:35)そ ういう強力な幾十億ものみ使いが神のご意志を行なうために互いに一致協力しているのですから、エホバの天の組織は、いかに強力であるかが想像できます。そのような強力なみ使いたちであれば、いかに広大な宇宙であろうとも、地上に何十億もの人間がいたとしても、エホバのご意志を十分に行なうことがで きるでしょう。


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