マタイ25章・イエスの兄弟の小さな者を見分ける

「すると,王は答えて言うでしょう,『あなた方に真実に言いますが,これらわたしの兄弟のうち最も小さな者の一人にしたのは,それだけわたしに対してしたのです』。・・・そして,これらの者は去って永遠の切断に入り,義なる者たちは永遠の命に入ります」。(マタイ25:40,46)


 エスは、マタイ25章の中で神の王国の特徴を示す多くのたとえ話をされました。その中で、イエスは、羊とやぎを分ける業のたとえ話をされました。羊は永遠の命を受け継ぎ、やぎは永遠の裁きを受けます。


 どのようにしてそのように分けられるのでしょうか。イエスは、たとえ話の中で、イエスの兄弟の最も小さな者になされたことをご自分になされたこととみなされると言われました。(マタイ25:40)そして、イエスはご自分に対して個人的になされたとみなされることに基いて、王国の祝福を与えるかどうかを決められます。問題となるのは、イエスの兄弟を正しく見分けることです。



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エスは人々をご自分の兄弟たちに行われたことに基づいて羊かやぎに分けられると言われました



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 エスは、神の王国の召しを差し伸べたご自分の「弟子たち」を「わたしの兄弟たち」と呼ばれました。(マタイ12:48−50。コリント第一15:50)ですから、それらの兄弟たちは、イエスと大変親しい関係にあります。イエスの兄弟とは、将来天に復活してイエスと共になることになっている14万4千人です。(啓示14:1)


 それらイエスの兄弟たちは、将来天に復活して、イエスと共に天から王として地上の楽園を千年間支配します。(啓示20:4,6)では、イエスのたとえ話によると、イエスの兄弟たちは、どんな特徴を持っているでしょうか。


 エスの説明によると、イエスの兄弟たちは、一般社会の基準で良い立場にない人かもしれません。イエスの兄弟は経済的に困窮しているかもしれません。なぜなら、イエスは、ご自分の兄弟が、「飢え」、「渇き」、「裸でいる」場合があると言われたからです。(マタイ25:35,36)



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エスの兄弟の小さな者は貧しい人かもしれません


 また、イエスの兄弟は一般社会でもてはやされていないかもしれません。なぜならイエスは、イエスの兄弟が、「獄」つまり刑務所にいるかもしれないと言われたからです。


 結局、イエスには、地上におられた時、大勢の追随者がいたとは言え、イエスユダヤ教の社会から受け入れられませんでした。当時の権力者であった書士やパリサイ人から反対されていました。そして、イエスは当時、いわれのない罪で司法上の罰を受けました。


 エスを慕う一般の人々は、大勢いましたが、イエスが宣べ伝えた音信はユダヤ教の指導者たちに受け入れられない人気のないものでした。イエスは、ご自分の弟子たちが「師」であるご自分と同じ扱いを受け、人々から悪く言われるだろうことを予告されました。(マタイ10:24,25)


 また、イエスはご自分の弟子たちが、イエスに従うために、「あらゆる国民の憎しみの的になる」と言われました。(マタイ24:9)ですから、イエスの弟子たちが一般社会から受け入れられないことは、予想できることです。


 エスは、弟子たちに「剣をとる」ならば滅びると言われて、剣をとって戦うことのないようにと言われました。(マタイ26:52)ですから、ある国で強制的な徴兵制が施行された場合、その人は兵士として戦うことに対する良心的兵役拒否のために、刑務所や強制収容所に入れられるかもしれません。


 実際今でも、韓国、トルコ、シンガポールその他の国で徴兵制度が施行されています。そのような国家では、刑務所に入れられるならば、その人は前科者というレッテルを貼られるでしょう。その人は、職業を見つけるのが難しいゆえに経済的困難に直面するかもしれません。一般社会からは見下された人になります。しかし、その人はエホバの目には貴重な存在となっています。(イザヤ43:4)


 また、イエスの説明によるとイエスの兄弟は、健康な人ではないかもしれません。イエスはご自分の兄弟が「病気であったり」すると言われました。(マタイ25:39)実際、一世紀に多くの病気の人や身体障害者が、イエスの奇跡によっていやされ、王国の希望を抱くようになりました。しかし、現代においては、奇跡はありませんから、イエスの兄弟は、慢性病を抱えていたり、身体障害者だったりするかもしれません。その人は、うつ病を抱えている人かもしれません。



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エスの兄弟は病気がちであったりうつ病であったりするかもしれません


 エスは、イエスの兄弟が「よそからの者として来る」場合があると言われました。(マタイ25:35)ですから、イエスの兄弟は土着の人でないかもしれず、外国人かもしれません。イエスの兄弟は、宣教のために見知らぬ国や地域に移動したかもしれません。また、迫害を逃れてよそから来たかもしれません。(マタイ10:23)


 ですから、私たちは、将来楽園では天から王として支配するために選ばれるイエスの「兄弟たち」が一般社会で人気がない人かもしれず、経済的成功を収めている人でもなく、また健常者でもないかもしれないことを予期することが必要です。記念式で象徴物にあずかる人に驚かないようにすることが必要かもしれません。


 しかし、イエスはそれら今の時代に人気のない人々を選んでそれらの人々に対して行うことによって永遠の命を与えるかどうかを決められると言われたのです。エホバの見方で、イエスの兄弟たちを見分け、イエスの兄弟たちを支持して永遠の命を得られるようにしましょう。

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