啓示2章・七つの会衆のひとつペルガモン会衆

  天で栄光を受けられたイエス・キリストは、ヨハネに現代ではトルコになっている小アジアの七つの会衆に音信を伝えるようにと命じられました。今回、その中のひとつの会衆、ペルガモン会衆に当てたイエスの音信を調べたいと思います。イエスがペルガモン会衆にされた約束から、油注がれたクリスチャンが忠実を保つ時に与えられる非常に高められた立場を知ることができます。


(3)ペルガモン会衆


 ペルガモンは、小アジアアナトリアにあります。スミルナ(現イズミル)北方にあります。ペルガモンの標高335メートルの丘の上に、アクロポリス遺跡があります。そこには、ローマの皇帝トラヤヌスの神殿、ギリシア神話の主神であるゼウスの大祭壇、ギリシャ神話の女神アテーナー神殿などがあります。ですから、ペルガモンは異教の偶像崇拝や、皇帝崇拝が盛んに行われていた場所でした。



(minorasia)
ペルガモンは小アジアのスミルナ(イズミル)の北にあります



(pergamon3)Trajantempel
ペルガモンのローマの皇帝トラヤヌスの神殿の遺跡



The Pergamon Altar in the Pergamonmuseum in Berlin
ベルリンのペルガモン美術館のペルガモンの大祭壇 (pergamon2)


 エスはペルガモン会衆のある所がサタンの座のある所であると言われました。啓示13章によると、「龍」つまり悪魔サタンは自分の「力と座と大きな権威」を「野獣」に与えます。(啓示13:2)それで、ペルガモンにサタンの座があるというのは、そこが「野獣」つまり政府の力や権威が強い所であることを意味していたでしょう。確かに、ペルガモンは、ローマ皇帝の神殿があり皇帝崇拝が行われていました。


 そして、イエスは、ペルガモン会衆の忠実な者「わたしの証人」アンテパスが殺されたと述べました。おそらく、アンテパスは、皇帝崇拝の強いペルガモンで、イエスに関して証ししたために殉教したのでしょう。


 しかし、ペルガモン会衆の成員は、彼の殉教を見ても恐れてイエスに従うのをやめることなく、証しの業を続けました。 それで、イエスはペルガモン会衆の信仰をほめられました。


 しかし、イエスは、ペルガモン会衆には、偶像崇拝と淫行を推進したバラムの教えを守る者がいるととがめられました。(啓示2:14)


 また、ペルガモン会衆には、ニコラオ派の教えを固く守る者たちが存在していました。ニコラオ派とはニコラオという人が提唱する分派でエフェソスにも存在していました。ニコラオ派は、おそらく個人を強調しすぎていて「自分たちを買い取ってくださった所有者」イエス・キリストを「否認」し「みだらな行ないに従(って)」いたのでしょう。(ペテロ第二2:1,2)


 私たちは、会衆の誰かが迫害で殉教したとしても、恐れてイエスに従うのをやめるのではなく、神のご意志を行ない続けましょう。また、個人に固く従うのではなく、「主人」としてイエス・キリストに従い、偶像崇拝や淫行を避けましょう。


 エスはそのようにして、ペルガモン会衆が忠実を守って征服するなら、隠されているマナと白い小石を与えると言われました。その小石には、「新しい名」が書かれています。(啓示2:17)


 マナはエジプトから出て荒野にいたイスラエル人に、神が与えた食物でした。そして、後になってマナは「金のつぼ」に隠されて、エホバの神殿の至聖所の契約の箱の中に入れられていました。(ヘブライ9:3,4)マナは、荒野では、その日のうちに消えてしまいました。(出エジプト16:21)次の日にまでとっておくと腐りました。(出エジプト16:20)しかし、契約の箱のつぼの中のマナは、腐ることなくずっとそのまま新鮮に保たれました。(出エジプト16:33,34)


 至聖所は、イエスが行かれた天を表していました。(ヘブライ9:11,12)ですから、忠実を保つペルガモン会衆の人々が隠されたマナを食べられるようになるということは、腐れることのない不滅の霊の体を与えられて天で永遠に生きられるようになることを意味しているのでしょう。(コリント第一15:53,54)


 与えられる不滅の命に比べたら、今の命は重要性において取るに足りないものです。たとえ、今の命を神への忠誠のために失うことがあっても、それは何も重要なものを失ったことにはなりません。私たちは、今の命を最善を尽くして神への奉仕に用いるように励まされるでしょう。


 もちろん、今の命をできるだけ長く生き永らえたら、それだけ長くエホバに奉仕できます。けれどもエホバに忠実を保って命を失うことがあっても、不滅の命の報いが保証されているのですから過度に悲しまないですみます。


 「小石」という言葉は,「投票用の小石」という意味があります。使徒パウロは,クリスチャンを迫害していた時、『わたしは彼らに敵対の票(ギリシャ語プセーフォン)[字義通りには,投票用の小石]を投じました』と言っています。(使徒 26:10)その時代、小石は法廷において,無罪か有罪かの意見を表明したりする際に用いられました。白い小石は無罪宣告に用いられ,黒い小石は有罪宣告に用いられました。



Stones by echiner1 (whitestone)
ローマ時代黒い小石は有罪白い小石は無罪宣告に用いられました
忠実な油注がれたクリスチャンは無罪宣告の白い小石を与えられることになっています


  ですから,征服者に白い小石が与えられるということは,その人がイエスから罪のない者として裁かれるという意味でしょう。天的希望を持つクリスチャンは、たとえ死に面しても忠実を保ち証しの業を続け、偶像崇拝と淫行を避けるならば、キリストの贖いの犠牲によって、罪のない者としてみなしていただけます。


  エスは、フィラフィデルフィアの忠実な会衆の成員の上にご自分の「新しい名」を書くと言われました。(啓示3:12)キリストの「新しい名」とは、イエスが死に至るまで忠実を保つことによって与えられた「み使いたちよりも優れた名」もしくは「さらに上の地位」を意味しているでしょう。(ヘブライ1:3,4。フィリピ2:9)


  ペルガモン会衆の成員がキリストの新しい名の書かれた白い小石を与えられるということは、彼らが忠実を保つ時、罪のない者として裁かれ、神によって非常に高められ、み使いたちよりも高いキリストと共同の立場につくことになることを意味しています。



WhiteStonesDry by Ksionic (whitestone1)
白い小石の上にはキリストの新しい名が書かれています−これは忠実を保つ時キリストと同じ被造物の中で一番高い地位を与えられることを意味しています


 罪を持つ取るに足りないクリスチャンがキリストの贖いによって無罪とみなされ、死に至るまで忠実を保つゆえに高められ被造物の中で一番高い地位を与えられるというのは、何と言うエホバの過分のご親切でしょう。(エフェソス1:7;2:5,6)エホバ神により与えられる最高の賞のことを考えると死に至るまで忠実を保つよう励まされます。


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