箴言27章・命の糧のためのやぎの乳

「あなたの食物のため、あなたの家の者の食物のため。またあなたの娘たちの命の糧のためにも十分のやぎの乳がある。」(箴言27:27)


聖書の箴言は、やぎの乳を「食物」というだけでなく、「命の糧」と呼んでいます。「命の糧」と呼ばれるほどやぎの乳は、優れているのでしょうか。やぎの乳について調べてみましょう。 




Goats by Klearchos Kapoutsis  (goat2)
やぎの乳を聖書は命の糧と呼んでいます
その栄養価はどのようなものでしょうか                                       


○母乳と類似する多くの栄養素


スペインのグラナダ大学の研究者たちは、やぎのミルクは、母乳と類似する多くの栄養素を持っていることを見出しました。やぎの乳には、上質のたんぱく質や、消化の良い脂肪、ミネラル、ビタミン、微量元素などが豊富に含まれています。


昔日本でも、母乳が出ない場合、代わりにヤギの乳を飲ませて子供の滋養強壮、虚弱体質の改善に役立てたということです。  

                                                
○牛乳よりもすぐれた栄養素                            


やぎの乳は総合的に牛乳よりも優れた栄養価があります。なぜなら、牛が常食とするのは牧草だけですが、やぎは草だけではなく木の葉や樹皮、低木なども食べるので、どんな家畜よりも多くの微量元素と多種多様の栄養素を取り入れているからです。                              

やぎの乳には、牛乳以上のカルシウムが含まれています。またやぎの乳には、カルシウムだけでなくリンも豊富で、骨の形成を促す効果があります。また、カルシウムには、神経の興奮を抑える働きがあるので、やぎの乳は、情緒不安定や不眠症に効果があります。


またやぎの乳には、牛乳以上のマグネシウムカリウムが含まれています。この他、やぎの乳は、セレンや亜鉛といった微量元素を含むため抗酸化作用や神経変性による疾患予防が期待できるとも指摘されています。

                                 
やぎの乳には、ビタミンA,E,K,B1,B2,B6,Cも牛乳に勝るとも劣らない含有量があります。


○母乳に匹敵するタウリン                          


タウリンが赤ちゃんの飲む母乳に匹敵する量含まれています。タウリンは、アミノ酸代謝産物で、私たちの身体の健康に良いさまざまな効果があります。タウリンは、悪玉コレステロールを退治し、血液をサラサラにしてくれる効果があり、そのため、血液循環が良くなり、新陳代謝が活発になります。それで、やぎ乳に含まれるタウリンによって、高血圧を防ぎ、動脈硬化や、脳卒中脳梗塞を予防できます。


また、タウリンは心臓から拍出される血液量をふやし、心筋の収縮力を高め、うっ血性心不全を予防し、改善する事が明らかになっています。また、タウリンは、気管支喘息の改善や、疲労回復、視力低下を防ぐのに効果があります。また、タウリンには、インシュリンの分泌を促す作用があり、糖尿病の予防になるのです。


○母乳と同様のオリゴ糖                           


やぎの乳には、母乳と同様の組成を持つ複数のオリゴ糖が大量に含まれています。そのため、腸内細菌の成長と悪玉菌死滅効果が期待できます。つまり、お腹の調子を良くします。


○肝臓の数値を適正化                            


グラナダ大学の研究によると、ヤギ乳を摂取することで、中性脂肪値や肝臓の代謝を示すGOT・GPTも適正であったというデータもあります。


○貧血の改善効果                              


グラナダ大学の研究によると、ヤギの乳には貧血の改善効果があります。ヤギ乳には鉄の体内での吸収を高め、ヘモグロビン再生を助ける働きがあり、鉄欠乏性貧血が改善されたということです。


核酸                                   


やぎの乳には、免疫力を強化する核酸(DNA・RNA)が含まれています。


○消化しやすく衛生的                            


牛乳を飲むと消化不良や下痢などの症状(いわゆる牛乳アレルギー)を示す人や幼児でも山羊乳ではこうした症状を示さないことがあります。なぜなら、やぎのミルクは、脂肪球が牛乳よりも6分の1と小さく、消化を助ける酵素を含んでおり、乳糖が牛乳より1%少ないため消化吸収されやすいのです。そのため、牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人でも飲める場合が多いのです。


○FAO(国際食料農業機関)が推奨                       


ヤギは粗食によく耐え、険しい地形も苦としないそうです。それで、やぎのそのような強靭な性質から、ユーラシア内陸部の遊牧民のような山岳部や乾燥地帯で生活する人々にとって貴重な家畜となっているとのことです。それで、FAO(国際食料農業機関)も山羊を乳用家畜として飼育するよう推奨しているそうです。



The White Goats by rabiem22 (goat3)
やぎは粗食によく耐え山間部でも飼うことができます
山に逃げる時に飼うことができます



確かに、やぎの乳は、聖書が「命の糧」と呼ぶに値する食物だと言えます。土地に余裕のある人は、やぎを飼ってその乳を飲めば、長生きに貢献するでしょう。そして、ヤギは、山間部でも飼うことができるのですから、山に逃げた時は、ヤギを飼うようにすれば、栄養補給になるでしょう。


日本各地の山羊牧場の状況を知らせているサイトを紹介します。山羊の乳を飲みたい方はご自分で近場の牧場に連絡をとって飲まれてください。牧場に連絡がとれない場合は、山羊牧場を調査している大学に連絡をとれば、連絡先を教えてくださるかもしれません。


http://jlta.lin.gr.jp/report/detail_project/pdf/210.PDF