中間化石は進化の証拠ですか−ティクターリク

 ライブドアでコメントくださった方が、中間化石は進化が起こっている証拠ではないかと言われていました。その方は、中間化石の例として、両生類と魚の中間であるとされるティクターリクを挙げておられました。それは、リチャード・ドーキンスの2009年に出版された「進化の存在証明」という本にのっているそうです。


 では、中間化石は進化を証明しているでしょうか。今回は、ティクターリクについて取り上げます。
                         

 ティクターリクとは、カナダのある島で見つかった古代魚です。約3億7500万年前とされる地層で化石が見つかりました。科学誌「ネイチャー」に2006年に発表されました。


 ティクターリクは、推定全長2.7メートルで、ひれを持っています。前びれの内部に肘関節と手首関節を持っており、腹びれの骨は大腿骨に似ていた ということです。




Tiktaalik roseae life restorパブリック・ドメイン (Tiktaalik2)
ティクターリクは前びれと腹びれがあり前びれで体重を支えていたと考えられているために魚類と両生類の中間形態であると考えられています



 結局、魚であるのに、ひれの内部に、両生類が持つような骨の構造を持っているので、魚類と両生類の中間形態であると考えられているわけです。




 前びれに関節があることから、水底にちょうどいい角度でひれの先端をつけ、体重を支えていたと考えられています。また、腕立て伏せのような体勢で、陸に体を引き上げていたかもしれないとも考えられています。
 

しかし、魚類とも両生類とも分からないような生態を持つ魚は現代にも存在しています。例えば、現代に生存するトビハゼは、紛れのない魚類ですが、干潟に生息して、跳び回って移動し、両生類に近い生活を送っています。



Mudskippers by L'Oriol. (mudskipper)
両生類のように前びれで飛びまわるトビハゼという魚は現在でも存在しています
ですからティクターリクは進化の途上にあるのではなくそのような特徴を持つ生物であるに過ぎません


日本では有明海のムツゴロウがよく知られています。ムツゴロウは、潮が引いた干潟の上で生活する魚として知られています。昼間の干潮時には巣穴から這い出て活動します。胸びれで這ったり、カエルのように素早く連続ジャンプして移動できます。


 
ムツゴロウは、顔を左右に振ることができます。ティクターリクのように腹びれはありませんが、魚類なのに、両生類のように行動します。
 

ところで、多くの古代生物と考えられていた生物が、現代に発見されるというのは、まれではありません。また、現存している生物の古代化石が見つかることも珍しくはありません。


 ティクターリクとトビハゼやムツゴロウは、大きさと形は少し違いますが、ティクターリクのように魚類と両生類の特徴を併せ持つ生物は確かに現代でも生存しているわけです。トビハゼやムツゴロウが存在していることから考えて、ティクターリクが現代でも見つかる可能性もあるでしょう。


 もっとも、ムツゴロウは絶滅危惧種になっています。
  
 人間は勝手に、魚類と両生類を分類していますが、エホバ神は、ご自分の望むままに、干潟に生息する魚、両生類と魚類の両方の特徴を持つ生物を創造することができました。つまり、エホバ神は、魚であっても、トビハゼやムツゴロウのようにエラで自分を支えて移動するティクターリクを昔創造することが可能だったです。

 
   それで、ティクターリクティクは進化の途上にあるわけではありません。また、トビハゼやムツゴロウも進化の途上にあるわけではありません。ティクターリクも、現代まで、その種類のままどこかで繁殖していて、これから現代に発見されることもありえるでしょう。ある種の生物は進化の途上にあるのではなく、そのような独自の特徴を持つ生物として神に創造されたのです。