創造説を支持するエントロピー増大の法則

 エントロピー増大の法則という物理法則があります。この法則は、神による創造説を支持しています。エントロピーの法則とは、「自然は、常に、エントロピーが小さい状態から大きいという方向に進む。言いかえれば、自然は『秩序から無秩序へ』という方向に進む」ということです。一言で言えば、「形あるものは崩れる」ということです。


 たとえば、コーヒーにミルクを一滴たらして、ほおっておくと、ミルクはどんどん広がっていき、最後には、コーヒーと完全に混ざってしまいます。これは、最初一カ所に集まっていたミルクの分子が、時間と共に、散らばっていくと言う現象です。この一カ所に集まった状態がバラバラに散らばった状態になることを、物理学の用語では、エントロピーが増大したと言います。


 また、逆に散らばってしまったミルクの分子が、何かの拍子にひとりでに一カ所に集まるということは起こりません。つまりこれは、エントロピーが減少するという現象は不自然だということです。


 ですから、エントロピーは、自然な状態の中では、常に小さい状態から大きい状態へという増大の方向に進んでいます。





Coffee time with a magic at St Ali South by ultrakml(milkcoffee2)
ミルクコーヒーは時間が経つとミルクとコーヒーが混ざります
同じように物質は無秩序になるというエントロピーの法則があります



  これを日常生活に当てはめて言うと、「整理整頓された部屋は、そのまま自然に任せておくと、だんだん乱雑になります。勝手に整理されるということはない。」ということです。


 この話は、宇宙全体でも同様に当てはめることができます。宇宙にあるすべての物質は、時間と共に、だんだんと無秩序な状態になっていき、それがひとりでにもとの秩序に戻るといういうことは、ありません。宇宙は、時間と共に、エントロピーが増大するというのが物理学の常識となっています。
 

 しかし、誰かが部屋をかたずけると、部屋に秩序が戻ります。同じように、誰か物事を組織する理知的存在がいると、秩序が生じます。ですから、このエントロピーの法則は、裏返せば、「情報と秩序と組織は必ず理知ある存在から来る」ということを示しています。




Image from page 184 of "American homes and gardens" (1905) by Internet Archive Book Images(neatroom)
片付いた部屋はその部屋を整理した知的な存在がいることを証明しています



 例えば、人間世界に目を向けるならば、エントロピーが小さくなるという自然に反する状態が見られます。人間は古代文明を作りました。そして、都市を建設して拡大してきました。そして、世代が移り変わると知識が増えていくので、情報は蓄積されています。歴史を通して科学が発展してきたので、現代人は、古代人よりも、より多くの情報、実際膨大な情報を手にするようになりました。


 また、人口が増えるに従って都市の領域が増え広がり、秩序と組織が増大しています。これは、エントロピーが小さくなっているということです。ですから、人間界では、エントロピーが小さくなるという現象が起きています。



City Lights. by johnthoward1961(city2)
都市は拡大していき秩序が増大します
知的な存在がいるとエントロピーが小さくなります



A world of books by Bev Goodwin(books3)
人間が存在すると歴史を通して情報が増大していきます
知的な存在がいるとエントロピーが小さくなっていきます



 一方、この宇宙を見てみると、情報と秩序と組織が見られます。この宇宙には、エントロピーが小さい状態が見られます。そして、宇宙は、星雲の形で、エントロピーが小さい状態が保たれています。もし、この宇宙が永遠の昔から存在しているのであれば、エントロピーが増大して、この宇宙はどうして均一に無秩序に広がっていないのかという疑問が生じるでしょう。



 もし、そうであれば、宇宙に見られるエントロピーが小さいという状態は、この宇宙が理知ある存在によって生み出されたことを示しているのではないでしょうか。またこの宇宙が、今日に至るまで自然に逆らってエントロピーが小さい状態を保っているということは、その理知ある存在は、宇宙に作用を及ぼし続けていることを示しているのではないでしょうか。




Hubble Sees Galaxies Spiraling around Leo by NASA Goddard Photo and Video (galaxy14)
宇宙がそのままにされていてもエントロピーが増大しないということは知的な存在がいることを証明しています
宇宙に秩序と組織が見られるということは宇宙を組織し秩序をもたらした神がおられることを証明しています



 聖書は、「初めに神は天と地を創造された」と述べており、神が宇宙に見られるエントロピーが小さいという状態を最初に造られたことを示しています。(創世記1:1)そして、万物の創造者が存在しておられるので、その方は、エントロピーが増大して、宇宙が均質に低温になり、無秩序になることを防いでくださっています。

 
 私たちは、物理学の常識となっている法則からも、宇宙の創造者が存在しておられることが分かります。私たちは、宇宙を創造し、その中に人間を創造してくださったことに感謝しましょう。


 また、その方は、人間に理知を与えて、知識を蓄えることができるようにしてくださいました。そして、理知を与えられた人間は、秩序や組織を産み出して、エントロピーが増大しないようにすることができます。このことに、人間の創造者エホバ神に感謝しましょう。