歴代第一5章・神の律法違反は世界強国の攻撃を招く―将来の神の民の一時的な敗北

 聖書の記録によると、エホバは昔のイスラエル偶像崇拝のゆえに、諸国家の攻撃を受けることを許されました。このことは、現代のクリスチャンにとって警告となるでしょう。 


 歴代第一5章によると、ルベン人、ガド人、マナセの半部族は、カナンの土地で以前から行われていた偶像崇拝を行うようになったことが記されています。(歴代第一5:25)その結果、神はイスラエルが世界強国アッシリアから攻撃されるように取り計らわれました。


 こうしたことは、今日でも同様のことが起こり得るでしょう。では、過去にどんなことが起きたのか調べて、将来起こることに対して洞察を深めましょう。


 イスラエル人は、神の命令で、偶像崇拝と忌むべき慣行に陥っていたカナン人を打ち払って、そこの土地に住みつきました。ところがイスラエル人は、バアル、アシュトレテなどのカナン人の神々を崇拝するようになったのです。(列王第一16:31,32。列王第二1:2;17:16)




Stele des Ba‘al,160; (baal5)
イスラエル人はバアルなどの偶像崇拝に陥り諸国家の攻撃を招くことになりました




 イスラエル人は、「神が彼らの前から滅ぼし尽くされたその地のもろもろの神々と不倫な交わりを持つようになった」と記されています。(歴代第一5:25。裁き人2:11-13)


 歴代第一5章の神々との「不倫な交わり」とは、淫行を示唆する言葉です。このことから、エホバ神を離れて他の神々を崇拝することは、エホバ神の目に、比ゆ的な淫行であることが分かります。


 イスラエル人はいわば神と結婚関係にありました。エホバ神とイスラエルの国家の関係を描写する例え話の中で、イスラエルは神と結婚契約にある女性として描かれています。(エゼキエル16:2,8)


 その比ゆ的な淫行はエホバの怒りを招きました。その結果、神はアッシリアの王のプル、つまりティルガト・ピルネセル(Tilgath-pileser) の霊をかきたてられたと記されています。(歴代第一5:26)イスラエル人は神によって動かされたアッシリアの王の攻撃を受け、アッシリアに流刑に処されました。


 このことは、この終わりの日に起きることに対して洞察を与えます。啓示の書は、神の民が、北の王から攻撃されて、大いなるバビロンへの捕らわれを経験することを預言しています。このことが起きることを神が許されるのは、神の民が不忠実にも偶像崇拝や淫行などの神の律法違反を行うからではないかと思います。


 啓示の11章には、思いのままに権威を持って預言をしてきた二人の預言者が自分たちの証しを終えた時、「底知れぬ深みから上る野獣」が、彼らを征服して「殺す」ことになっています。(啓示11:7)そして、神の預言者の遺体が大いなる都市に置かれることになると預言されています。(啓示11:8)大いなる都市とは大いなるバビロンを意味しています。(啓示16:19)


 「底知れぬ深みから上る野獣」とは、「緋色の野獣」です。(啓示17:8)「底知れぬ深みから上る野獣」とは、また神の民を攻撃することになっている「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」と同じ実体です。(ダニエル11:31)


 底知れぬ深みから上る野獣と言うのは、今の国連が消滅した後、北の王によって設立される国際組織を意味しています。(ダニエル11:31)それで、二人の証人つまり神の民が迫害されるのは、北の王が南の王を二度攻撃した後、大患難の前になるでしょう。


 この「殺す」というのは、文字通りの意味の場合もあるとは思いますが、啓示の書の中では、殺すという語を比ゆ的な意味で使っています。(啓示9:15,20)ですから、二人の証人が殺されるとは、主に比ゆ的に殺されること、つまり、神の民が神に不忠実になって無活動になることを意味しているでしょう。
 

 なぜ、エホバ神は彼らが霊的に敗北するのを許されるのでしょうか。
 

 ダニエル11章によると、北の王が荒廃をもたらす嫌悪すべきものを設立された後、北の王は神の民の一部を背教に導き入れます。(ダニエル11:32)その後、神の民の一部は、剣と炎により、捕らわれと強奪を経験することになっています。(ダニエル11:33)おそらく、この時、大いなるバビロンへの捕らわれを経験するのでしょう。


 神の民には、どんな落ち度があるのでしょうか。ダニエル8章によると、神の民の奉仕が停止してしまうのは、神の民の「違反」のためです。(ダニエル8:11,12)


 神の民の「違反」と言うのは、神が過去に行われたことからして、偶像崇拝や淫行などの神の律法違反だと思います。


 荒廃をもたらす嫌悪すべきものは、自分を崇拝して、宣教をやめるように圧力をかけるでしょうし、自分のために武器をとって戦うように圧力をかけるでしょう。(啓示13:10)おそらく、それに従わなければ、売り買いが許されないという事態になるのでしょう。(啓示13:16,17) 一部の油注がれたクリスチャンは圧力に屈するのでしょう。


 また、啓示の書によると神の民の一部は偶像崇拝だけでなく淫行に陥って、イエスによって大患難に投げ込まれます。かの女イゼベルがいる比ゆ的なテアテラ会衆で、それが起きると聖書は預言しています。(啓示2:20-22)また、比ゆ的なペルガモン会衆も、偶像崇拝だけでなく淫行に陥ります。(啓示2:14)


 ですから、一部の神の民は、神の目に比ゆ的な淫行と文字通りの淫行を犯してしまうのでしょう。そのため、神は北の王が、飾りの地を攻撃して、大いなるバビロンに捕らわれになるのを許されるのでしょう。


 ですから、私たちはあらゆる形態の偶像崇拝と淫行を断固として退けるべきです。他の宗教の偶像に対する崇拝を退けるだけでなく、政治組織に対する偶像崇拝も退ける必要があります。政治組織が神への奉仕をやめるように要求しても、その要求には応じられません。何らかの形で、神への崇拝と奉仕を続ける必要があります。




Day of the Dead 2009 69 by sfmission.com (ancestorworship7)
偶像崇拝は神の目に淫行であり神の保護を取り去ります




Shared Accord 2013 by US Army Africa (flagrasing2)
国家の崇拝も偶像崇拝であり神の是認と保護を失わせます



 また、婚前交渉、姦淫、同性愛、売春などの淫行を是非退けるように努力をしましょう。神のみ前に清い立場を保ちましょう。




Bargirls in Saigon soliciting American soldiers, 1971.by tommy japan (prostitute3)
売春は淫行であり神の保護を失わせます



Gay pride 090 - Marche des fiertés Toulouse 2011.jpg by Guillaume Paumier (gay1)
同性愛は淫行であり神の律法の違反であり諸国家の攻撃を招きます




 将来、神への奉仕を続けるために、自給自足をするために山に逃れるということがどうしても必要になることが考えられます。
 

 昔、イスラエル人に起きたことは、神の不興を買い、他の世界強国の攻撃を招くというような事態に陥らないようにあらゆる形態の偶像崇拝や淫行を退ける必要性を銘記させます。