箴言16章・誇りと傲慢さは崩壊に先立つ

 箴言には、「誇りは崩壊に先立つ」と述べられています。 (箴言16:18)また、「ごう慢さそのものがその人を低くする」とも述べられています。(箴言29:23)聖書の中には、エホバ神に逆らってごう慢さや誇りを示した人が、その後崩壊した例が少なからず述べられています。


 聖書中に見られるそうした例を見てみたいと思います。ペルシャのアガグ人ハマンやアッシリアの王セナケリブとその高官ラブシャケをとりあげます。


 ユダがバビロンに流刑に処せられていたペルシャの王アハシュエロス王の時代、王はアガグ人ハマンを高めて、重用していました。


 アガグとは、預言者バラムの時代にひとつの王国をなしていました。(民数記24:7)サウル王が打ち倒したアマレク人の王がアガグと述べられています。このアガグは個人名ではなく、アマレク人の王の称号であった可能性もあります。(サムエル第一15:8)アマレク人は、神を恐れなかったので、神はアマレク人を絶滅するようにと言われていました。(申命記25:19)


アマレク人はユダヤ人に敵対していました。それでハマンは、ユダヤ人の絶滅を図りました。ハマンは王をしばらくの間自分の意のままにしてユダヤ人が滅ぼされる段取りをしました。(エステル3:11,12)


そして、ハマンは、自分の富の栄華について、王が自分を大いなるものとして、僕たちの上に高めてくれたことなどを友人たちと妻に誇りました。さらに、ハマンは王妃エステルが王と共に自分だけを招待したと言って誇りました。(エステル5:11,12)


 その次の日、ハマンは崩壊を経験しました。ユダヤ人のモルデカイが王に対する忠節な行為があったので、王はハマンを用いてモルデカイを大いに高めました。(エステル6:10-12)そして、王に忠節な王妃エステルとモルデカイがユダヤ人であることが明らかにされ、ユダヤ人絶滅の企ては覆されました。



 ハマンは、王に忠節なユダヤ人の絶滅を図った者として、ハマンがモルデカイをかけようとして準備した杭にかけられることになりました。(エステル7:10)



ハマンは自分の富と権力を誇って崩壊を経験し殺されました



 また、アッシリアの高官ラブシャケは、ヒゼキヤ王の時代に、エルサレムに攻めて来て、アッシリアの軍事力を誇りました。(イザヤ36:1,2;37:23)そして、アッシリアの王がエホバを含めて諸国民の神より強いと述べました。(イザヤ36:18-20;37:11-13)その結果、エホバ神はみ使いを遣わしてアッシリアの軍隊十八万五千人を一晩のうちに打ち殺しました。(イザヤ37:36)



アッシリアの王セナケリブはエホバを侮ったので御使いによってその軍勢が絶滅させられてしまいました―エホバを侮って誇ることのないようにしましょう



 エホバは、そのアッシリアの崩壊の証人を残しておきたかったのでしょう。アッシリアの王セナケリブは、殺されませんでした。セナケリブ王は、立ってニネベに逃げました。セナケリブは偶像の神ニスロクを崇拝していた時に、二人の息子たちに殺されてしまいました。(イザヤ37:37,38)アッシリアの王はエホバに逆らって軍事力を誇ったので、崩壊を経験しました。 


実際、聖書は、神は「高慢な者に敵対」すると述べられています。(ペテロ第一 5:5)それで、エホバは誇りと高慢、ごう慢を憎まれます。エホバは過去にご自分に敵対して誇り高ぶった者たちに何度も崩壊を経験させ卑しめられました。


 エホバ神は、謙遜な者に過分のご親切を示してくださいます。(ペテロ第一 5:5)また、神の僕は、いつも「役に立たない奴隷です」という態度を示すように聖書は勧めています。(ルカ17:9,10)



 私たちは、エホバの与えて下さった祝福を、エホバに感謝して、それが自分の能力のためだと考えて自分を誇ることのないようにしましょう。エホバを度外視して富や軍事力などを誇ることのないようにしましょう。  


エホバに逆らって自分に栄光を帰すのではなく、いつもエホバの力に依り頼む謙遜な態度を保ちましょう。(詩編138:6。箴言22:4。マタイ18:4)そうする時に、エホバ神の過分のご親切を経験することができます。