エゼキエル31章・米国が倒れた後どんな国になるのですか
聖書は、世界を支配する世界強国の大いなるバビロンが他の諸国家によって徹底的な滅びを被ることを予告しています。(啓示17:16)私は、このようになって欲しいと願っているわけではありませんが、歴史を通して世界に覇権を振るう軍事強国は移り変わって来たので、それはあり得ることだと思います。
例えば、古代中東でもエジプト、アッシリア、バビロン、ペルシャ 、ギリシャ、ローマというふうに、世界の覇権を握る国家は移り変わりました。
それで、大いなるバビロンが徹底的な滅びを被った後、そこの土地はどうなるのかを長年疑問に思っていました。古代の同性愛の町ソドムとゴモラは人が住まなくなることが予告され、そこは、現在一説では今死海の底になっていると言われています。そうでなくても、古代のソドムとゴモラの付近は塩地なので人は住めず、聖書の預言の通りになっています。(イザヤ13:19,20)
しかし、南の王の土地の場合は、非常に広範囲に及ぶので、そこに全く人が住まなくなることはないと思います。そして、大いなるバビロンは、霊的な意味で「エジプト」だと書かれています。(啓示11:8)
GFDL-self
大いなるバビロンは霊的な意味でエジプトです
それで今回昔のエジプトにどんなことが起こるかを預言したエゼキエル31章は、大患難の後南の王の土地がどうなるかを示唆しているのではないかと思いました。
エゼキエル31章には、エジプトを表す木が、諸国民の圧制者によって切り倒されることが予告されています。(エゼキエル31:12)そして、それは実際、古代エジプトに起こりました。
U.S. National Archives and Records Administration
諸国家の圧制者によりエジプトを表す大木が切り倒されることが予告されています
古代エジプトのファラオの権力は非常に大きなもので、エジプトの国民の数も非常に多く、エジプトは大いに物質的に繁栄していました。エジプトの木の「陰に人口の多い諸国の民が住んだ。」と述べられています。(エゼキエル31:6)
しかし、聖書は、アッシリアやバビロンなどの圧政的な国が、エジプトを倒すことを予告していました。(イザヤ20:4,5。エゼキエル29:19)とりわけ、エレミヤ書やエゼキエル書の中では、エジプトがバビロンのネブカドネザルにより、敗北を被り、その富が略奪されることが予告されています。(エレミヤ43:10,11;46:13。エゼキエル29:19)
Nebuchadnezzar and Daniel-2
聖書の中でエジプトがバビロンのネブカドネザルにより倒壊し略奪されることが預言されていました
神の園の木、つまり、エデンの木々は、そのエジプトを表す木が繁栄していた時に、非常にうらやんでいました。(エゼキエル31:9) エデンの木々とは、この大木がエジプトを表していたようにエジプト以外の諸国家を表しているでしょう。しかし、エジプトの木がシェオルに行く時、エデンの木々は、非常に悲しむことになります。(エゼキエル31:15)
それは「必ず悲しみを引き起こす。」「気絶する」と書かれています。(エゼキエル31:15)また、エジプトの「没落の音によって必ず国々の民を激動させる。」と予告されています。(エゼキエル31:16)全地を悲しみが覆い、全地の人々は動揺し、気絶するくらいのショックを受けるということでしょう。
また、エジプトと同様に、すでにシェオルに行っている者たちが、その知らせによって「慰めを受ける」とも予告されています。(エゼキエル31:16)それら、シェオルに行った者たちは、エジプトによって命を奪われた者たちを意味しているのかもしれません。
バビロニア年代記によると、エジプトは、ユーフラテス河畔のカルケミシュでネブカドネザル配下のバビロニア人によって決定的な敗北を被りました。(エレミヤ 46:2)そのようにして、エジプトの没落が始まりました。
バビロンによって攻撃されたユダの人々は、エジプトに逃げました。ところがエホバはエレミヤ書の中でも、バビロンのネブカドネザルがエジプトに進軍し,その地を征服し、エジプトの神々の家が火で焼かれたり、エジプト人が剣で殺されたり、捕らわれになったりすることを予告していました。(エレミヤ 43:8‐13; 46:25,26)
聖書の記述を裏付ける他の考古学的な証拠もあります。エジプトへの遠征について指摘している,ネブカドネザルの第37年(西暦前588年)のものと認められるバビロニアのテキストが一つ見つかっています。
さらに、ユダヤ人の歴史家ヨセフスによると、エルサレムが荒廃してから5年目にネブカドネザルが戻って来て,コイレ・シリア,アンモン,モアブに対して戦い,その後エジプトを攻撃したと書いています。(ユダヤ古代誌,X,181,182 [ix,7])(エゼキエル32:11,12)それで、確かにネブカドネザルに率いられたバビロンが、エジプトを攻めてエジプトに打撃を与えたことを述べる聖書の記述を裏付ける多くの考古学的な証拠が残っています。
その後、エジプトは「地位の低い王国」となり、「もはやほかの諸国民の上に自らを高めることはない。」ということが予告されていました。(エゼキエル29:14,15)
そして、その他の考古学上の証拠も、長い間、権力を振るったエジプトのファラオの権勢が衰えたことを示しています。エジプトのファラオは、一時期、神と同一視され、崇拝されていました。一時期は、その建設のためにピラミッドの建設のために、非常に多くの人民の動員が行われ、その全盛期に、ファラオの権勢を示すピラミッドは、底面が正方形の四角錐の美しい壮大な形をしていました。
ところが、後代になると、ピラミッドの造りも粗雑なものとなっており、ファラオの権勢が衰えてしまったことを示しました。そして、後代のファラオ自身が、神にかしづいて祈る姿のファラオの像も見つかっています。
聖書は、大いなるバビロンを「霊的な意味」で「エジプト」と呼んでいます。(啓示11:8)それで、昔、エジプトに起きた事は、大いなるバビロンに起きることをある程度、予表しているか、あるいは、警告となります。
啓示の書によると、大いなるバビロンが倒れる時に、地の王たちは、「気の毒な事だ。」と言って嘆くことが預言されています。(啓示18:10)このことは、エジプトが倒れたことを多くの人々が驚いて嘆いたことと類似しています。(エゼキエル31:15)そして、地の王たちは、神の裁きが行われたことを認めています。
ですから、米国が北の王によって最終的に倒される時に、非常に多くの国家の指導者たちと人々が世界的に悲しむことになるのでしょう。
Stolbovsky - Own work
大いなるバビロンが倒れる時世界的に多くの人々が悲しむことになるでしょう
では、エジプトは諸国民の圧制者に倒された後、どのような国家になったのでしょうか。エゼキエル31章によると、多くの人々がエジプトを見捨ててしまい、そこから離れます。(エゼキエル31:12)「その倒れた幹の上に天のすべての飛ぶ生き物が住み,その枝の上に必ず野のすべての野獣がいるようになる。」と述べられています。(エゼキエル31:13)多くの鳥が住み、また多くの野獣が住む国家になります。
鳥とは、通常、家をもたずあちこちを移動する移民を表しているのではないかと思います。(詩編11:18; 4:3; 104:17。ダニエル4:14)また、野獣とは、野獣のような暴力的な性向を持ち、大量殺人やテロ行為などを引き起こす人々を表しているのではないかと思います。(エゼキエル34:25)
Robert Cotič derivative work: MagentaGreen
聖書の中の鳥とは家を持たずあちこちを移動する移民を表しているのではないでしょうか
「すべての飛ぶ生き物」と「野のすべての野獣」と書かれていることから、そのような人々が非常に多いことを示唆しているでしょう。(エゼキエル31:13)
Raphael Melnick - Leopard Uploaded by Snowmanradio
野獣が幹の上にいることはエジプトに野獣のような人が住んでいることを表しているでしょう
では、現在、エジプトはどのような国になっているでしょうか。エジプトは、確かに、移民の主要な輸出国であり、輸入国でもあります。
エジプト人労働者受入国統計で 2011 年の上位 5 か国を列挙 すると、サウジアラビア(1,015,124 人)、リビア(332,600 人)、米国(162,232 人)、ヨ ルダン(112,392 人)、イタリア(92,001 人)となっています。おそよ170万人余りのエジプト人労働者が外国に働きにいっています。
これに対して、エジプト領事統計で 2009 年の上位 5 か国を列挙すると、リビア(2,009,000 人)、サウジアラビア (1,300,000 人)、米国(635,000 人)、ヨルダン(525,000 人)、クウェート(481,000 人) となっています。ですから、エジプトの統計によると、約500万人弱のエジプトの人々が外国にいて出稼ぎ労働者になっています。
なお、エジプトはパレスチナ人やシリア難民を非常に大勢、受け入れています。 私がネットで見た最新の統計ではシリア難民を13万人以上を受け入れています。
ですから、エジプトの非常に多くの住民が「鳥」のような人々です。 エジプトは、エゼキエル31章で予告されたように多くの出稼ぎ労働者が住む国家となっています。
エジプトは聖書が預言した通り非常に多くの出かせぎ労働者がいるという特徴を持っています
カイロを含む各地で、政府・治安機関に対して、また、鉄道、電力等のインフラ施設、外国系のファストフード店や銀行等の付近でも爆発、放火等の事件が発生しています。最近では、外国人誘拐事件、イタリア領事館付近の爆発事件、地方観光都市のルクソールでのカルナック神殿付近の爆弾事件が発生しています。また、シナイ半島においては、武装勢力によるエジプト治安部隊への攻撃、軍の検問所付近での爆弾テロ等が発生し死傷者が出ています。
また、2014年11月10日には、シナイ半島を拠点とするイスラム過激派武装組織「ABM」がイスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)に忠誠を誓う声明を出しました。それで、エジプトは確かに野獣も生息する国家となつています。
Day Donaldson Follow
Egypt’s Largest Terrorist Group Pledges Allegiance to Islamic State
エジプトは中東最大の軍隊を持ちながら聖書で描写されている通り野獣のような人々がいる国家となっています
それで、南の王が北の王に最終的に敗北した後、南の王の国はどのような国になるのでしょうか。おそらく、古代エジプトに起きた事が起きることになるのでしょう。
聖書は北の王による南の王の一度目の敗北の後、南の王が奇跡的に経済的軍事的に復興することを予告しています。(啓示13:3,4)南は世界一の覇権国の立場を取り戻します。しかし、北と南の三回目の国際紛争、つまり大患難の後は、南の王は地位の低い王国になり立ち上がれなくなるようです。(エゼキエル29:14,15)
その時に、南の王の国は非常に多くの移民、もしくは、出稼ぎ労働者によって構成される国になるのでしょう。また、野獣、つまり、暴力的、殺人的な性向を持つ人も大勢いるでしょう。そのために、テロ行為、大量殺人事件などが、絶えず起こるような国になるのかもしれません。現在、アメリカは強大な軍隊と警察によって国内でテロ行為が起きないように最善の努力を払っています。それは功を奏していますが、それが制御できなくなるのでしょう。
それで、南の王が北の王によって最終的に倒されてしまった後、もう世界的に軍事的に、また、経済的に勢力を振るう国とはならないようです。
私はこうしたことを聖書から解説していますが、これは将来の嵐の到来を告げる天気予報官と同じでそのようになって欲しいとか、そのようにしようとか考えているわけではありません。しかし、聖書は比ゆ的な嵐が来ることを予告して、どうしたらそれに賢明に対処できるかを教えています。
聖書は、世界の大きな流れを予告していますが、これは、特定の国家に好意を示したり、敵対したりという意図ではありません。エホバ神はどの国家に対して同じように、ご自分の律法を守ることを求められます。それで、聖書は、世界中にいる聖書の神を崇拝する人々の益を求めている本です。そして、そのような人々は、現在、世界中のどの国家にも存在します。
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