進化論の弱肉強食について

「地のあらゆる野獣と,天のあらゆる飛ぶ生き物と,地の上を動き,その内に魂としての命を持つすべてのものに,あらゆる緑の草木を食物として与えた。」(創世記1:30)
自然界には動物のあいだで弱肉強食が見られるのではないでしょうか。たとえば、肉食獣は、恐ろしい牙や爪を持っていて、他の動物を襲って食べるようにできているのではないでしょうか。

 このことは、ダーウィンの進化論が正しいことを示しているでしょうか。

 神は最初に,エデンと呼ばれる平和な楽園に人間を置かれました。その時に神は人間が動物と平和に暮らし,人間や動物の間に食物をめぐる殺りくや暴力行為が起きないように取り計らわれました。最初は、人間の食物は緑の草木と定められていました。(創世記1:29)

 さらに、自然界の動物や鳥もあらゆる草木を食物にする事になっていました。それで、当初は肉食動物はいなかったことを聖書は示しています。人間は,自分たちや動物,それに庭園のような楽園の世話をしてその状態を保ち,やがて全地に広まって自分たちの子孫で地を覆うことになっていました。(創世記 1:27,28)

 ところが、アダムとエバが神に反逆したために,その子孫は罪と暴力と死の道へ向かうようになりました。また,人間が罪と暴力に陥るに従って,地上の動物の間にもやはり無秩序と混乱と争いという状態が生じるようになりました。

 もちろん、動物はもともと誕生しては死ぬことに定められていました。しかし、それにしても最初は動物も皆草食だったのですが、肉食になって他の動物を襲う動物も現れました。

 なぜなら、人間は罪に陥って愛のある仕方で動物を支配することができなくなったからです。人間が自分たちの間の平和を保つことができないのですから,動物が同じような状態に陥ったとしても何ら驚くことはありません。

 大洪水後、食物に関して変化がありました。人間が生き延びて行くための譲歩として,大洪水後人間には動物の肉を食用に供する権限が与えられました。(創世記 9:2〜4)遅くともその時までには、動物も肉食のものが現れたのでしょう。

 では,動物の体の特徴で,殺したり傷つけたりするために用いられているものはどう説明できるのでしょうか。たとえば肉食動物は牙や鋭い爪を持っています。それは、弱肉強食の証拠なのでしょうか。

 いいえ。たとえば、恐ろしいきばを持ったゴリラがいます。そのきばは今でも大きな植物を引き裂いて食べるのに用いられています。ですから、動物のきばや爪は、最初には草木を食べるように与えられたものです。おそろしい牙や爪があるからといって肉食とは限りません。

 神は動物を創造された時、実に多種多様な特徴をお与えになったので,その多くは新たな状況に適応していくのに役立つように用いることが可能でした。ほとんどの動物は,草食のままにとどまりました。しかし,肉食へと自らを適応させていった動物もいました。それでも,捕食動物は動物全体の中ではごくわずかの割合しか占めていません。
 
 エホバは最初に人間と動物の間に平和な関係があるように意図されました。人間や動物は弱肉強食や適者生存により進化してきたのではありません。

 最初は人間と動物は互いに平和に生活するように取り計らわれていました。エホバ神は平和と秩序を愛される方です。(コリント第一14:33)ですから、エホバ神はご自分が望まれる状況を楽園で実現されるでしょう。(イザヤ11:6〜9)