猿人が現代に存在していないのはなぜか

「そうして神は人をご自分の像に創造してゆき,神の像にこれを創造された。男性と女性にこれを創造された。」(創世記1:27)

 進化論によると猿が猿と人間の中間形態である猿人に進化し、猿人が現世人類へと進化したと考えられています。進化論によると,それぞれ進化の段階を進むにつれて生存の能力をいっそう大きくしました。

 進化と神による人間と猿の創造、どちらが正しいのでしょうか。

 では、今日私たちは猿より進化した形態であるはずの猿人を見ているでしょうか。いいえ。より劣っているはずの猿の仲間が今日なお生存し,進化の面ではさらに進んでいるはずのものが一匹も生存していないのはなぜですか。今日わたしたちはチンパンジー,ゴリラ,オランウータンなどを見ていますが,「猿人」を見てはいないのはなぜでしょうか。猿と今日の人間との間のより新しく,より進んだはずのものがどれもみな絶滅し,それより下等の類人猿が生き残っているのはおかしいのではないでしょうか。

 では、猿人に関する化石の記録は十分あるのでしょうか。いいえ。「猿人」とされる化石の記録は非常に少ないのです。どれほど少ないのでしょうか。

 サイエンス・ダイジェスト誌1982年5月号: 「注目すべき事実を述べれば,人間の進化について知るために我々が持つ有形の証拠は,全部合わせても一つの棺の中に入ってしまい,なお場所が余るのである。」

 現代、猿人が存在していないこと、また猿人とされる化石の証拠が非常にわずかであることも、不思議ではありません。聖書は最初から、猿は猿として、人間は人間として創造されたことを明らかにしています。それで、今日神によって創造された猿の子孫か、人間の子孫だけを見ることができるわけです。

 そして、人間の先祖とされる猿人の化石は、人間か猿かのどちらかに分類することができます。

 例えば、人間の先祖としてほとんどすべての進化論者に受け入れられるようになったアウストラロピテクスについてはどう言えるでしょか。

 アウストラロピテクスは、1920年代にアフリカ南部で発見されました。そして、類人猿に似た小さな頭がいを持ち、二本足で歩く、前かがみで猿のような容ぼうのものとして、描かれました。

 しかし、進んだ調査によってアウストラロピテクスの頭がい骨は、多くの点で、人間の頭がい骨と異なっていることが明らかにされました。解剖学者のズーカマンはこう書きました。「人間や類人猿の頭がい骨と比べてみると,アウストラロピテクスの頭がい骨は,圧倒的に類人猿的であり,人間に似ているようには見えない。」(エディンバラ王立外科大学ジャーナル1966年1月号)彼はさらにこう述べました。「我々の発見は……アウストラロピテクスが,ホモ・サピエンスにではなく,現生の猿や類人猿に似ているという点でほとんど疑いを残さない」。(象牙の塔を越えて1970年)

 ドナルド・ジョハンソンもこう述べています。「アウストラロピテクスは……人間ではなかった」(「ルーシー」38P)

 仮にアウストラピテクスが今日生きて見つかったとすれば、それは他の類人猿と一緒に動物園に入れられ、人間の先祖として丁重な扱いを受けることはないでしょう。

 また、ドイツのネアンダー地方で最初の化石が発見されたネアンデルタール人はどうでしょうか。

 当初、ネアンデルタール人は前かがみで愚鈍な顔つきをし、毛深い類人猿に似た姿に描かれました。現在、この誤った復元は、病気のためにひどく変形した骨格に基づくものであったことが知られています。

 以来、ネアンデルタール人の多くの化石が発見されてますが、それは今日の人間とそれほど変わらないことが裏付けられています。

 フレッド・ホイルはこう述べています。「ネアンデルタール人が何らかの点で我々より劣っていた、という証拠はない。」(「氷」1981年35P)このため、ネアンデルタール人の最近の描写はずっと現代人風になされています。

 それで、人間の先祖とされる猿人の化石は、人間か猿かのどちらかに分類することができます。

 猿は猿として人間は人間として最初から創造され、進化は起こっていないのです。