淫行のぶどう酒で酔わせるとは何を意味?

「七つの鉢を持つ七人のみ使いの一人が来て,わたしと話してこう言った。『さあ,多くの水の上に座る大娼婦に対する裁きをあなたに見せよう。地の王たちは彼女と淫行を犯し,地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされた。』」(啓示17:1,2)

 大いなるバビロンが何かを調べるために、ヨハネへの啓示の書の大いなるバビロンに関する言い回しの意味を知る必要があります。啓示17章2節後半には、「地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされた。」と述べられています。では、これは何を意味していますか。

 聖書の他の聖句に同じように全地をぶどう酒で酔わせるという表現が出てきます。それは、古代バビロンに関する聖句です。古代バビロンは、周囲の諸国民を軍事的に攻撃して征服した大変宗教的な軍事大国でした。

 古代バビロンに関して、こう述べられています。「バビロンはエホバのみ手にある黄金の杯であった。彼女は全地を酔わせるのであった。そのぶどう酒から諸国民は飲んだ。それゆえに、諸国民は気が狂ったような行動をしつづける。」(エレミヤ51:7)それで全地の諸国民が古代バビロンからぶどう酒を飲まされて酔わせられたということが述べられています。

 古代バビロンはどのようにして全地を酔わせたのでしょうか。こうあります。「バビロンは,イスラエルの打ち殺された者たちが倒れるいわれだっただけではなく,そのバビロンで,全地の打ち殺された者たちは倒れたのだ。」(エレミヤ51:49)

 ですから、古代バビロンのぶどう酒を全地の諸国民が飲んで酔わされたというのは、バビロンの軍事的攻撃を受けて、全地で多くのイスラエル人や他の人々が打ち殺されるということを比ゆ的に表現していました。さらに、そのために諸国民は動揺させられ気が狂ったような行動をし続けました。

 ですから、古代バビロンについての記述を考慮すると、地に住む者たちが大いなるバビロンの淫行のぶどう酒に酔わされるというのは、次のようなことを表現しています。すなわち、大いなるバビロンがエホバ神に不忠実になって諸国民に頼り、諸国民と同盟を結んで、共に全地において軍事的攻撃を行ない、全地で多くの人命が失われ、全地の諸国民が動揺するということです。

 では、まず、聖書の神と関係を持っていることを公言しているアメリカ合衆国が、聖書的に言って地の王たちと淫行を犯していると言えるのでしょうか。アメリカ合衆国は諸国家と同盟を結んでいるでしょうか。

 はい。その主なものは、北大西洋条約機構NATO)です。NATOは、1949年に、アメリカ・カナダの北米二カ国およびヨーロッパの国々により、共産圏に対抗するために設立された集団的防衛のための軍事組織です。2004年には東欧諸国も加盟し、25カ国体制づくりを進めています。他にアメリカ合衆国は日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、韓国と同盟を結んでいます。

 アメリカ合衆国は、聖書の神と関係を持っていることを公言しており、諸国家と同盟していますから、聖書的に言って地の王たちと淫行を犯していると言うことができます。

 では、アメリカ合衆国は、諸国家と共に同盟して全地を攻撃し、全地の人々に淫行のぶどう酒を飲ませてきたと言えるでしょうか。この点は引き続き調べてみましょう。