悩みがある時どのように対処したらいいですか

「ハンナは答えて言った,『いいえ,我が主よ,私は,霊のひどく苦しめられている女でございます。ぶどう酒や酔わせる酒を飲んではおりません。ただ,私はエホバの前に魂を注ぎ出しております。・・・気遣いと悩みのおびただしさのために,今まで話していたのでございますから。』(サムエル第一1:15,16) 

私たちはいろいろな悩みを抱えます。身体的な悩みだったり、経済的な悩みだったり、人間関係の悩みだったり、他には他の人にはとても言えないような悩みを抱えることがあるかもしれません。多くの悩みは自分ではどうしようもない種類の問題でしょう。その時、私たちはどのように対処できるのでしょうか。

イスラエルが王によって治められていなかった頃、ハンナは子供できない事を悩んでいました。その頃はエホバは複数の妻を許されていたので、ハンナの夫エルカナには、ペニンナという別の妻がいました。ペニンナには、複数の子供がいましたが、ハンナには子供がいませんでした。ハンナと張り合っていたペニンナはエホバがハンナの胎をふさがれたことで、当惑させようとしてハンナをひどく悩ませました。ハンナは泣いて食事をしようとしませんでした。

ハンナはどうしたでしょうか。エルカナとその家族はシロという場所にエホバの幕屋があったのでエホバを崇拝するため年毎にシロに上っていっていました。そこで、ハンナはエホバに祈りました。聖書の記述によると「彼女は魂が苦しんでいたので、エホバに祈ってひどく泣き出した。」と記録されています。そしてハンナはエホバの前で長く祈っていましたが、声に出さずに心の中で祈っていただけだったので、口元が震えていました。

ハンナの祈る姿を見た祭司エリは、ぶどう酒で酔っているのだと思ってハンナをとがめました。その時、ハンナは冒頭の聖句のように答えました。ハンナは自分の悩みをエホバに注ぎだし長く祈りました。

結果はどうなったでしょうか。エホバはハンナの祈りを聞き届けられ、ハンナは身ごもって男の子を出産して、その名をサムエルと呼びました。サムエルはイスラエルで信頼される預言者となりました。

それで、私たちも悩みがある時、ハンナのようにエホバに自分の悩みを注ぎだすことができます。ハンナは祈った後、「その顔はもはや自分のことを気遣っているようではなかった」と記録されています。ハンナは自分の悩みをことごとく注ぎ出した時に、エホバが自分の悩みを顧みてくださるという確信があったのでしょう。

聖書も「自分の思い煩いをすべて神にゆだねなさい。神はあなたがたを顧みてくださるからです。」と述べています。(ペテロ第一5:7)それで、私たちが自分の悩みをエホバに申し述べる時、エホバはその祈りを耳を傾けて聞いてくださることを確信できます。エホバは私たちが悩みについて祈る時、忙しいと言ったり、そんな悩みは取るに足りないと言って耳を傾けないということはありません。エホバ神は自分のことで精一杯の人間とは異なっています。

それでエホバは私たちに悩みや思い煩いをご自分に申し上げるようにと勧めてくださっています。

しかしながら、私たちの祈りが聞き届けられるためには、その祈りは今日におけるクリスチャンに対する神のご意志に調和している必要があります。

なぜなら、ヨハネ第一5章14節には、「わたしたちは[神]に対してこのような確信を抱いています。何であれわたしたちがそのご意志にしたがって求めることであれば,[神]は聞いてくださるということです。」とあるからです。

それで、私たちの祈りが今日のクリスチャンに対するエホバのご意志にかなっていれば、聞き届けていただけます。このことは、今日における神のご意志について知る必要があることを示しています。

 いずれにしても、ハンナの例は私たちが悩みを抱えた時にどのように行動すべきかを教える例となっています。エホバ神は私たちの祈りに耳を傾け私たちの最善の益を計って行動してくださり、その願いがご自分のご意志にかなっていれば、聞き届けて下さるでしょう。