詩編86編・エホバはどのような者の祈りに答えられるか

「エホバよ、あなたの耳を傾けてください。わたしに答えてください。・・・わたしは忠節な者だからです。あなたの僕を救ってください−あなたはわたしの神なのです−あなたに依り頼んでいるこの僕を。」(詩編86:1,2)


詩編86編はダビデの祈りです。ダビデはその数多くの祈りをエホバに聞いていただきました。詩編86編には、エホバがどのような者の祈りになぜ答えられるかが述べられています。エホバがどのような者の祈りに答えられるかを調べて、エホバに祈りを聞いていただきましょう。



冒頭の聖句にあるように詩編86編2節には、ダビデは自分が忠節な者であるゆえに、エホバが祈りに答えてくださるように嘆願しています。また、ダビデは、自分がエホバに依り頼んでいるゆえに、エホバが祈りに答えて救ってくださるように嘆願しています。



それで、エホバに祈りを聞いていただくためには、エホバに忠節に従うことが必要です。エホバに忠節に従うことには、聖書の中で非とされている悪を行なわないようにすめことも含まれます。(詩編97:10)



では、エホバに依り頼むとは、どういう意味でしょうか。それは、偶像ではなく、エホバを崇拝することを意味します。(詩編31:6)また、それは、人間ではなくエホバに信頼と希望を置くことを意味します。(詩編118:8)



それで、エホバはご自分を崇拝して、ご自分に信頼と希望を置き、ご自分に忠節に従う者の祈りに答えてくださいます。「忠節な者には」エホバは、「忠節をもって行動」されます。(詩編18:25。サムエル第二22:26)



また、詩編86編の中で、「エホバよ、わたしに恵みを示してください。わたしは一日中あなたを呼びつづけるからです。」とダビデは語っています。(詩編86:3)それで、ダビデの祈りは心のこもらないおざなりなものではありませんでした。ダビデは、熱心に一日中エホバに祈りました。



私たちはダビデのように、エホバとの関係、エホバへの祈りに対して熱心でしょうか。ダビデは、エホバに祈りを聞いていただけることがわかっていたので、そして、エホバに祈りを聞いていただきたかったので、エホバに粘り強く祈りました。(詩編86:7)




エホバに粘り強く熱心に祈る


エスも,弟子たちに「常に祈り,かつあきらめてはならない」と言われたことがありました。(ルカ18:1)私たちは、常に祈り、エホバが聞いてくださることに信仰を持って、あきらめないで粘り強く祈り続けることが必要です。そして、エホバは私たちの側の信仰と粘り強さに答えてくださいます。



また、詩編86編の中で、ダビデは、エホバがなぜ快くご自分の崇拝者の祈りに答えてくださるかを示しています。ダビデは、エホバの特質について言及し、「それは、エホバよ、あなたが、善良で、進んで許してくださるからです。あなたを呼び求める者すべてに対するその愛ある親切は、豊かだからです。」と述べています。(詩編86:5)また、15節の中でもエホバの特質について、「エホバよ、あなたは憐れみと慈しみに富む神、怒ることに遅く、愛ある親切と真実に満ちておられます。」と述べています。



エホバはご自分を呼び求める者すべてに対して愛ある親切を示してくださいます。私たちは、エホバを呼び求めていても、日常生活の中でエホバに対して罪を犯すことがあります。しかし、私たちがそれを悔い改め、罪の許しを願い求めるならば、エホバは善良で進んで許してくださいます。それゆえに、罪を犯す不完全な神の僕の祈りもエホバは慈しみ深く聞き届けてくださいます。



詩編86編の作者であるダビデ自身も、さまざまな苦境に直面した時に、エホバに祈り、その祈りを聞いていただきその苦しみから救い出されるということを何度も経験しました。



それで、詩編86編の中には、エホバがご自分を崇拝し、ご自分に対して忠節な者、ご自分に信頼し、ご自分を粘り強く求める者の祈りを聞いてくださることが述べられています。エホバはご自分を呼び求める者に対して愛ある親切と慈しみをもって応じてくださいます。私たちは、自分の祈りがエホバのご意志に調和していることを確かめたなら、エホバが祈りを聞き届けてくださることに信仰をもって粘り強く祈り続けましょう。



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