ルカ23章・イエスはどのように非常な苦しみに耐えられたか

「彼はさらに言った,『イエスよ,あなたがご自分の王国に入られる時には,わたしのことを思い出してください』。すると[イエス]は彼に言われた,『今日あなたに真実に言いますが,あなたはわたしと共にパラダイスにいるでしょう。』」(ルカ23:42,43)


エスは杭にかけられ辱められて死ぬという非常な苦しみに直面されました。イエスの場合、そのように苦しみのうちに死ぬことは、エホバのご意志でした。しかし、聖書はイエスがその辱めと苦しみを喜んで耐えてエホバのご意志に服されたことを示しています。イエスは非常な苦しみにどのように耐えられたのでしょうか。



エスが杭につけられた時に、その左右に二人の強盗も杭につけられました。(マタイ27:38)最初はイエスを非難していたひとりの悪行者は、杭の上でイエスに信仰を働かせるようになりました。(マタイ27:44)それで、その人は、もうひとりの悪行者がイエスのことをあしざまに言ったときに、「この人は道に外れたことは何もしていていないのだ。」と述べ、「イエスよ、あなたがご自分の王国に入られるときには、わたしのことを思い出してください。」と述べました。(ルカ23:40〜42)



この人は、杭にかけられる前に、イエスが神の王国の支配が近いと宣べ伝え教えたことを聞いていたのでしょう。(マルコ1:15)そして、おそらくイエスが行なわれたさまざまな奇跡も見聞きしていたのでしょう。また、イエスが復活を約束しておられたことも、聞いていたことでしょう。(ヨハネ5:28,29)さらに、その人は杭の上で、正午から午後三時頃まで、闇が垂れ込めたのを見ました。(マタイ27:45)



それで、とりわけその異兆を経験して、その人は、イエスが神の子で、将来神の王国の王になる方だということに信仰を働かせ始めたのでしょう。それに、この人は、将来イエスが神によって復活させられるということに信仰を働かせていました。この時点で、イエス使徒たちでさえ、イエスの復活に対する信仰が弱かったのですから、この人は驚くべき信仰を抱き始めていたと言えます。



エスはこの人の信仰に応えられました。イエスは、苦しみの杭の上で非常な苦しみを経験しておられ、言葉を出すことも苦しかったことでしょう。しかし、イエスは、「今日あなたに真実に言いますが,あなたはわたしと共にパラダイスにいるでしょう。」とその人に言われました。(ルカ23:43)



エスは、杭の上で苦しみながらも、将来ご自分が神の王国の王として、人類の必要に仕える時のことを思いに留めておられたことが分かります。将来のその時に、イエスは、死ぬ直前にご自分に対して信仰を働かせた悪行者を復活させることでしょう。(ヨハネ5:28)その時、地上はパラダイスになっています。それは、アダムとエバが住んでいたエデンの園のようなパラダイスです。(創世記2:8,9)イエスは、そのパラダイスの環境にその人を、アダムのような肉体を持つ人間として復活させるでしょう。



エスは、その時、地上のパラダイスにはいません。神の王国の王として、天に霊者として存在され、以前の悪行者が地上のパラダイスに復活するのを見守ります。イエスもそういう意味でパラダイスにいるということができます。



その人は、生前イエスの話を少し聞いていました。しかし、悪行者としての生活を止めてしまうほどまでには真剣に聞いていませんでした。しかし、その人は楽園で復活して、神とその目的についてさらに学ぶことでしょう。(啓示20:12)



エスは、ご自分の隣に杭にかけられた悪行者がご自分に信仰を働かせるようになったことを嬉しく思われたことでしょう。さらに、人間としての最後の時に、その悪行者の信仰と希望を高める会話ができて嬉しく思われたことでしょう。そのようにして、イエスは、人間としての最後の最後に至るまで、ご自分に対して信仰を働かせる人の霊的必要に仕えることをされました。



ヘブライ書は、イエスについて、「この方は,自分の前に置かれた喜びのために,恥を物とも思わず苦しみの杭に耐え(た)」と述べています。(ヘブライ12:2)それで、イエスは、非常に苦しんでいる時も、神がご自分と人類に差し伸べられている神の王国に関連した喜びに注意を集中して耐えることができました。



私たちは、イエスが非常な苦しみに耐え、エホバに対する忠誠を全うされて、贖いの犠牲を備えてくださったことに感謝することができます。今年2012年も、4月5日(木)の日没後にエホバの証人の王国会館やその他の会場でキリストの死の記念式が行なわれます。その記念式に出席することにより、イエスが死に至るまで喜んで苦しみを忍んで忠誠を保たれたことに感謝できると思います。





エホバの証人の王国会館の集会場


私は、エホバの証人の預言の解釈にすべて同意しているわけではありませんが、エホバの証人は、年に一回イエスが犠牲になられた日に、正しく記念式を行なっている唯一のグループではないかと思います。また、エホバの証人は、他の点でも、真のキリスト教の特徴を持っていると思います。



記念式は、おそらく夕方6時半か7時に始まります。地域ごとに時間は異なるので、正確な時間は、地元のエホバの証人に問い合わせてください。



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