啓示18章・大娼婦は旅商人から人間の魂を買う者

「また,地の旅商人たちは彼女のことで泣いたり嘆いたりする。自分たちが十分に仕入れた品を買ってくれる者がもうだれもいないからである。それは,十分に仕入れた金・銀・宝石・真珠・上等の亜麻布・紫布・絹・緋の布などの品,そして,香木類のすべてのもの,あらゆる種類の象牙細工,きわめて高価な木材や銅・鉄・大理石などでできたあらゆる種類の品物,また,肉桂・インド産の香料・香・香油・乳香・ぶどう酒・オリーブ油・上等の麦粉・小麦・牛・羊,そして馬・車・奴隷・人間の魂である。」(啓示18:11〜13)

 
 地の旅商人たちは大いなるバビロンの滅びの後に、自分たちが被った物質的損失のために嘆くことが預言されています。それはありとあらゆるぜいたく品を買ってくれる大いなるバビロンがいなくなってしまったからです。

 
 確かに、アメリカ合衆国は売る者というより、十分買う者という特徴があります。アメリカ合衆国の貿易は、1980年代以来経常赤字となっています。2000年の統計では、アメリカの貿易収支は4765億ドルの赤字で、世界一の貿易赤字国です。主な品目は、自動車、原油、コンピュータ関連製品、医薬品、衣料品などです。おもな相手国は、カナダ17..8%、メキシコ11.3%、中国11.1%、日本10.48%、ドイツ5.3%です。

 
 大いなるバビロンが仕入れる商品の中に、車があると聖書が述べているのは、興味深いことです。もちろん、一世紀当時の車は、現代の車とは違いますが、それでも、大娼婦が自動車を輸入する者となることを預言していたと言えるでしょう。

 
 もし大いなるバビロンの滅びが生じるならば、そうした諸国家は、アメリカ合衆国に輸出することにより、利益を得る事ができなくなるので、嘆くことになるでしょう。

 
 そして、興味深いことに、大いなるバビロンがどこであるかを見分けるのに助けになる商品の品目の中に、人間の魂があります。人間の魂を買う者という点で、アメリカは、注目に値する所となってきました。

 
 16世紀に南北アメリカの植民地化が始まると、新たな奴隷市場が開け、大西洋をまたぐ奴隷売買は,そのうちに世界で最も儲かる事業の一つになりました。歴史家たちは、1650年から1850年までの間に1,200万人以上の黒人奴隷がアフリカから連れて行かれたと推計していまが、その中の多くは北米大陸に連れ込まれました。多くの奴隷が、奴隷市場で売られました。独立宣言が行なわれた1776年当時、アメリカには、約60万人の黒人がいたと推定されています。そして、奴隷貿易が原因で、アメリカの南北戦争は起こりました。今日、アメリカには、その当時、連れてこられた黒人の子孫が大勢存在しています。


 また、人身売買はアメリカで今日でも行われています。マイアミ・ヘラルド紙の国際版によると、今日、「人身売買は,国際犯罪組織にとって麻薬と武器密輸に次ぐ3番目の収入源であり、これで年間推定60億ドルないし90億ドルを稼いでいる」と、伝えられています。米国務省の人身売買監視対策室長ジョン・ミラーは、年間およそ1万7,500人が米国に売り飛ばされていると語りました。ミラーは、性的搾取および強制労働のための人身売買を、「21世紀の主要な人権問題の一つ」と呼びました。(2005年6月22日号目ざめよ誌の世界展望)


 モーセの律法下では、人を誘拐してその人を非道に他の人に売り渡した人は死ななければなりませんでした。(申命記24:7)モーセの律法のこの規定からも、エホバ神が奴隷貿易や人身売買をいかに非道な犯罪だとみなしておられたかを示しています。


 アメリカ合衆国が商品を買う国家であること、また、人身売買という行為を歴史的に大々的に行なってきたということも、大いなるバビロンの実体がアメリカ合衆国である証拠のひとつになります。
 もし、大いなるバビロンの特徴を、このように細かなところまで、預言すると言うのは、確かに人間業ではないでしょう。全知全能の神であれば、約二千年も前にひとつの国家の特徴をこのように詳細に予言出来たのではないでしょうか。


 もし、このように聖書が細かいところまで、預言して成就しているのであれば、確かに、大いなるバビロンの滅びがいつか生じて、大患難は確かに起こると言えるのではないでしょうか。

 
 そうすると、大患難は、先のことではあっても、大患難をどうしたら、生き残れるかを真剣に考えてみるべきではないでしょうか。