イザヤ48章・血を避けることは益となる

「エホバは,あなたの神,あなたに自分を益することを教える者,あなたにその歩むべき道を踏み行かせる者である。」(イザヤ48:17)


 エホバ神は人間にとって益になることを教えて下さる方です。例えば、血を体に取り入れることを禁ずる神の律法については何が言えるでしょうか。


 一世紀にエルサレム会衆の使徒や年長者たちは、モーセの律法を守る必要のない諸国民のクリスチャンが最低守るべき事柄を伝えました。その中に次のような言葉が含まれていました。「血と絞め殺されたもの・・・を避けていることです。これらのものから注意深く身を守っていれば,あなた方は栄えるでしょう。」(使徒15:29)


 この言葉は血を避けることによって、人間が「栄える」つまり、血を避けることが人間にとって益となることを示しています。血を避けるなら、私たちはさまざまな病気の感染を避けて健康でいることができます。


 輸血は免疫機構を損ないます。免疫機構の一つの主な仕事は,感染を防ぐことです。ですから,輸血を受けた患者は感染症にかかりやすくなります。例えば、エイズ後天性免疫不全症候群)が世界的に流行しています。輸血によってエイズにかかり、その死亡率は事実上100%になります。


 それから、輸血によって肝炎に感染し、結果として死亡する人は少なくありません。検査済みの血液を輸血された幾千幾万という人でさえ肝炎にかかります。10年間にイスラエル,イタリア,日本,スペイン,スウェーデン,米国で輸血を受けた人の8ないし17%が新型の肝炎にかかりました。米国で輸血を受けた人のおよそ5%は肝炎になっています。肝炎になると少なくとも5人に一人は肝硬変か肝臓ガンにかかります。他にも、輸血によって感染する病気は多くあります。


 「輸血の技術」(1982年)という本によると、梅毒,サイトメガロウイルス感染症マラリアなどを,「輸血と関係のある他の感染症」として挙げています。次いでその文献は,「ほかにも,・・・,ヘルペスウイルス感染症,感染性単核細胞症(エプスタイン‐バーウイルス),トキソプラスマ症,トリパノソーマ症[アフリカ睡眠病,シャガス病],リーシュマニア症,ブルセラ症[波状熱],発疹チフスフィラリア症,はしか,サルモネラ症,コロラドダニ熱などが含まれる」と述べています。


 メディカル・ポスト紙(1990年1月16日付)はシャガス病について、『中南米の1,000万ないし1,200万の人々が慢性的に感染している』ことを伝えています。それは「南米における輸血に関連した最も由々しい危険の一つ」と呼ばれてきました。


 感染症の一専門家は、「白血病,リンパ腫,痴呆[アルツハイマー病]」など,以前には感染するとみなされなかった数種の病気も輸血によって感染するかもしれないと考えています。―「輸血医学レビュー」誌,1989年1月号。輸血によって感染する病気のリストは増え続けています。


 輸血を受けると、病気に感染するだけでなく、病気から回復するための免疫の働きが弱くなったり、異常になる事があります。


 免疫機構の主な仕事は,悪性(ガン)の細胞を検出し破壊することです。それで、輸血を受けると、免疫が抑制されて、ガンになる率が高くなります。


 南カリフォルニア大学の医師たちは,ガンの手術を受けた100人の患者に関する調査を行ないました。「喉頭ガンにかかった人のうち,病気が再発した割合は,輸血を受けなかった患者の場合が14%,輸血を受けた患者の場合が65%であった。口腔,咽頭,鼻もしくは副鼻腔のガンが再発する割合は,無輸血の場合が31%,輸血を受けた場合は71%だった。」


 輸血を受けると、危険な免疫反応が生じることもあります。1990年代初頭に初めて報告された輸血関連急性肺障害(TRALI)は,輸血後に生じる危険な免疫反応です。米国および英国では,輸血関連急性肺障害が輸血による死因の上位に入っており,「エイズなど知名度の高い病気よりも深刻な問題となっている」と,言われています。


 輸血も、血を食べ物で取り入れること、薬剤として取り入れることも、もちろん同じ結果をもたらします。


 こうして事実を調べてみると、創造者であるエホバ神は人間の健康や人間の体の働きについて人間以上によくご存知であると言えるでしょう。それで、創造者は人間の益を考えて聖書の中に助言を与えておられることが分かるのではないでしょうか。