終わりの時に明らかになる聖書の解釈

「あなたは終わりの時までこれらの言葉を秘し、この書を封印しておくように。多くの者が行き巡り、真の知識が満ちあふれる。」(ダニエル12:4)


 聖書の預言は、私たちの信条や生活の仕方に、とりわけ将来、大患難の前に、大きな調整を求めるものです。その土台となる聖書の預言の解釈は正しいものでなければなりません。どのようにして、聖書の解釈をできる限り、正確なもの、つまり神のご意志と調和したものとすることができたと筆者は、考えるのでしょうか。もちろん、筆者は聖書の解釈の上にエホバ神の聖霊の導きをいつも祈り求めました。それだけでなく、聖書中のある語句、表現が理解できない場合、筆者はできる限り、自分勝手な解釈に頼らないように努めました。聖書で聖書を説明するように努めました。そうするために、最近のパソコンの機能の進歩は助けになりました。


 なぜ聖書の解釈をするのに、このように聖書を用いて聖書を解釈するというアプローチが必要だというのでしょうか。聖書は、一世紀において可能であった、奇跡的な預言や、習得したことのない外国語を語れるという異言の賜物、奇跡的な知識や解釈が、時経つうちに廃されるということを予告していました。それは、コリント第一13章にある予告です。「愛は決して絶えません。それに対し,預言[の賜物]があっても,それは廃され,異言があっても,それはやみ,知識があっても,それは廃されます。」(コリント第一13:8)それで、奇跡的に、間違いのない預言や解釈をするということは、聖霊による奇跡的な賜物を授けることができた一世紀の使徒たちが死んでしまうことにより、不可能になりました。


 現代のわたしたちは奇跡に頼る代わりに、十分な時間をとって聖書を研究できます。聖書中のある語句や表現を理解するために、聖書中の関連する語句や表現を参照しますが、その際に、最近は、昔のように人間の記憶やできあがった索引に頼らなくてすみます。パソコンの検索機能を使うならば、パソコンが次々と聖書中のある語句や表現に同様の語句や表現を示してくれます。そのようにして、聖書中の関連する同様の語句や表現のすべてを参照することができます。


 インターネットで公開されている新世界訳聖書は単語の検索はできませんでした。しかし、エホバの証人の「Watchtower Library」という無償のソフトがあります。それを用いて、新世界訳聖書の中にある語句や表現を調べることができます。「Library」はとても良くできており、聖書の中の書のおのおのの中に含まれる語句や表現の個数も表示してくれます。また、インターネットで、新共同訳や口語訳や新改訳も読むことができますし、そのホームページには、ありがたいことに語句の検索機能もついています。


 ですから、聖書の解釈をする上でも、現代は科学の進歩にも頼ることができるようになっています。そのように人間の記憶だけではなく、パソコンを活用できるというのは、昔であれば、それは奇跡のようなものかもしれません。


 ただ、聖書の中の語句や表現には文字通りの意味に解釈すべきものもあれば、比ゆ的な意味があると理解すべきものもあります。また、ある語句や表現に、二つ以上の象徴的な意味がある場合もあります。更に、ある象徴的表現の実体が何かを判断し、特定する際に、実際に起きている事実と聖書の預言を結び付けなければなりませんから、やはりそこには、人間の判断が介在します。それで、聖書を解釈する上で、パソコンに頼る事ができるとは言え、そこには人間の判断というものもどうしても必要です。やはりそこに、解釈の間違いや、解釈の進歩というものが生ずるでしょう。それで、筆者はこれで、解釈は万全だと主張はしません。実際、まだ分からないこともたくさんあります。解釈の大筋は変化はないと思います。しかしながら、できる限り、正確な解釈となるように努力を払っていますが、さらに、聖句の解釈の調整をすることはありえます。


 さらに、大いなるバビロンや緋色の獣、黙示録13章の第一の獣や別の獣の実体を解釈するにあたって、歴史時代の過去の解釈はすべて清算することができます。なぜなら、冒頭の聖句のように、預言されていました。(ダニエル12:4)この預言の言葉は、終わりの時まで、聖書の預言は理解されないことになっていたことを示しています。それで、終わりの時が来るまでなされた過去の解釈に固執する必要はないことが分かります。聖書の預言は、終わりの時になって事態が十分発展して初めて、理解されると言えます。


 それで、今が、聖書の正しい解釈ができるようになった時代であると思います。どうぞインターネットの聖書なども活用して、是非聖書を調べてみられてください。聖書の正確な知識を増やして、救いを得られるようにご準備なさってください。