テアテラ会衆のように互いに愛を示す経験

「また,テアテラにある会衆の使いにこう書き送りなさい。火の炎のような目を持ち,足は純良な銅のような者である,神の子がこう言う。わたしは,あなたの行ない,また,あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を,そして,あなたの最近の行ないが以前のものより多いことを知っている。」(啓示2:18,19)


 啓示2章と3章には、イエスの当時のアジアの七つの会衆に対する音信が載せられています。それは、主の日におけるクリスチャン会衆の霊的状態も表わしていました。イエスはテアテラ会衆に対して初めに、会衆が努力を払っていることに対して褒め言葉を送りました。


 まず、イエスがテアテラ会衆に対して火の炎のような目を持っていることを強調しておられることは、何を意味していますか。シュラミの娘は愛の燃え盛る勢いを「ヤハの炎」に例えました。(ソロモンの歌8:6)それで、イエスの目は火の炎のようなので、イエスは愛をもって物事を見ておられることが分かります。一方、不義に関しては、外見に惑わされることなく怒りをもって物事を見通されます。(イザヤ11:3)それでイエスはテアテラ会衆の良い点も、悪い点も見通しておられます。


 イエスは愛でもつて物事をご覧になる方として、テアテラ会衆の愛と信仰と奉仕と忍耐をほめておられます。多くのクリスチャンが互いに愛を示しあうように努めていますが、その中で、犠牲を払っても互いに愛し合うよう努めているエホバ証人の例を見てみましょう。


 ウクライナで、国家的に厳しい状況にあった時、流刑や投獄に処されなかったウクライナの証人たちは,仲間の信者に深い気遣いを示しました。収監されている人たちのリストを作り,暖かい衣服,食物,文書などを送るために,多大の努力が払われました。例えば,トランスカルパティアエホバの証人は,ソビエト連邦全域の54の収容所にいる兄弟たちと連絡を保ち続けました。多くの会衆では付加的な寄付箱が設けられ,この寄付箱で集められたお金は,服役している人々の必要を賄うために用いられました。刑務所や収容所から届く温かい感謝の手紙と野外奉仕報告は,自由な立場で忠実かつ自己犠牲的に仕える兄弟たちにとって大きな励みとなりました。


 他の例として2005年に大きなハリケーンふたつが米国のメキシコ湾岸を襲った時のことがあります。エホバの証人の米国支部の災害救援委員会は、ルイジアナ州に13の救援センターと九つの倉庫を設けました。全米および他の13か国から1万7000人近くのエホバの証人の自発奉仕者が緊急援助と建物の修復のために駆けつけました。自発奉仕者たちは仲間の信者の家を5600軒以上、また王国会館を90棟も修復しました。幾トンもの食糧・水・その他の必需品が被災地に寛大に寄付されました。


 自発奉仕者の中には数ヶ月または長期にわたって奉仕する人もいました。援助するために、長年行なっていた仕事をやめて節約に努め簡素な生活をするようになった人もいます。自宅とほとんどの持ち物を売ってトレーラーハウスに住んで自由な時間を生み出すようにした人もいます。


 確かに、主の日の間に、あるクリスチャンたちの間には、テアテラ会衆のように互いに対する愛を示しあう努力が確かに見られました。イエスはそうした努力を高く評価しておられることでしょう。