啓示2章・テアテラ会衆のように愛を示す他の経験

「また,テアテラにある会衆の使いにこう書き送りなさい。・・・わたしは,あなたの行ない,また,あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を,そして,あなたの最近の行ないが以前のものより多いことを知っている。」(啓示2:18,19)


 イエスは、主の日に互いに愛を示しあうご自分の弟子たちがいることを話されました。互いに愛を示しあった日本のエホバの証人の経験を以下に示します。


1995年1月17日に、人口150万の港湾都市、日本の神戸に、マグニチュード7.2の阪神大震災が襲い、20秒にしてその大部分が廃墟と化しました。死者は5,500人を超えました。地震の影響を直接に受けた地域には,76の会衆と交わる3,765人のエホバの証人がいました。地震のあった日の翌朝までには,13人のエホバの証人と二人のバプテスマを受けていない仲間が死亡したことが判明しました。


必要な物を仲間の証人たちに知らせるために電話連絡が取られ,ほどなくして物資が集められました。毛布,食糧,水などを積んだ9台の車が芦屋に向かっていました。これらの物資は,40人ないし50人が避難していた市内の二つの王国会館に届けられました。仲間の信者の家に避難した人たちもいました。翌日,近隣のエホバの証人は800食の食事を用意しました。仲間の必要のために提供された食物はあり余るほどあったので,証人たちは食物を必要としている近所の人々にそれを分かちました。


地震から1週間たったある日のこと,横浜で次のようなことがありました。ヘリコプターのパイロットがエホバの証人に近づいて来て言いました。「自分は地震が起きた日に被災地に飛び,向こうで1週間過ごしてきました。エホバの証人の方たちが一番先に駆けつけていました。とても感銘を受けました」。


海老名市にあるエホバの証人支部事務所は,救援活動を組織するため直ちに4人の代表者を阪神地区に派遣しました。一人の代表者は,「壊れていない王国会館を調べ,そこに救援物資を送るということですぐに意見が一致しました。六つの王国会館が選ばれ,5時間もしないうちにそこは物でいっぱいになりました。それで他の物資は,近くにある二つの大きなエホバの証人の大会ホールに送りました」と報告しました。


救援基金のための口座も開かれ,そのことが日本中のエホバの証人の諸会衆に知らされました。最初の3営業日で,1億円の寄付が寄せられました。その寄付金は,困っている人々が活用できるよう手早く分配されました。被災地の会衆は,指定された救援センターから必要な物を持ち帰ることができると知らされました。各会衆の長老団は,自分たちの会衆で困っている成員に物資を分配するための取り決めを設けました。


あるエホバの証人は,地震後の最初の集会に出席して,「昨日までは行くところがなかったので少し不安でした。でも,ここに来て,洗濯のサービス,お風呂の備え,大会ホールが仮宿舎になるなど,私たちのために親切な取り決めがなされていることを聞いて,不安な気持ちは吹き飛んでしまいました。これこそ本当に神の組織です」と言いました。


愛は何を証明するかをイエスはこのように言われました。「あなた方の間に愛があれば,それによってすべての人は,あなた方がわたしの弟子であることを知るのです。」(ヨハネ13:35)今日でも、イエスが誉められたテアテラ会衆のような愛と信仰と奉仕と忍耐の精神を示す人たちがいると言えます。


大いなるバビロンから組織的に出る時や、山に逃れる時に、このような自己犠牲的な愛の精神があるならば、大きな助けになるでしょう。