イザヤ45章・預言者に協力して命を保護される

「『いまわたしはすべての肉なる者に災いをもたらすからである』と,エホバはお告げになる,『わたしはあなたの行くすべての場所で,あなたにあなたの魂を分捕り物として与えよう。』」(イザヤ45:5)


 書記官バルクは、預言者エレミヤが口述したエホバの言葉を巻き物に書き記すというエホバに評価される貴重な奉仕を行いました。


 その音信は、エルサレムとユダが、バビロンによって攻撃され破滅することを予告するものでした。忠実にその奉仕を行なった時、ユダの王エホヤキムの第4年、バルクは冒頭の約束をエホバから与えられました。(エレミヤ45:1)バルクは命を永らえることが保証されました。


 この約束は果たされたでしょうか。ユダの王エホヤキムの時にバルクは、勇敢にも、書き記した巻き物のエホバの言葉をすべての民の耳に読み上げることをしました。(エレミヤ36:8〜10)エホヤキム王は、エレミヤと書記官バルクを捕らえるように命じましたが、エホバが彼らを隠しておかれたので、彼らは無事でした。(エレミヤ36:26)


 また、エレミヤによるエホバの言葉通り、バビロンの軍がエルサレムを攻撃し、陥落させました。大勢の人が命を失いましたが、エルサレムの長い攻囲の間、そして陥落の後もバルクは生きていました。エルサレムとユダの滅びを生き残った人が、エレミヤを強いてエジプトに下らせたときにも、バルクは一緒にいて無事だったことが記されています。(エレミヤ43:5〜7)


 エジプトに逃げたユダの残りの民に対するエホバの言葉は、エジプトに入るのではなく、ユダの地に住むようにというものでした。(エレミヤ42:10)それで、聖書には記録されていませんが、おそらく、バルクはエジプトの地での剣、すなわちバビロンによるエジプトの攻撃を生き残って、ユダの地に帰って行ったのでしょう。(エレミヤ44:28)
 

 大勢の人が剣や飢きんや疫病で命を失う災いの時に、命が保護されるというバルクに対する神の約束はたいへん貴重なものでした。同様に14万4千人の残りの者たちに協力して神に仕える、数えつくすことのできない大群衆が、来るべき大患難を生き残ることが約束されています。(啓示7:9,14)


 バルクに起こったことは、大群衆に対する約束が果たされることを示すひな形となっています。