使徒2章・いかにして大勢の人が山に逃れるか

「信者となった者たちは皆ともにすべての物を共有し, また,自分たちの所有物や財産を売っては,それぞれの必要に応じて,その[収益]をすべての者に分配するのであった。」(使徒2:44,45)


 イエスが山に逃げなさいと言われる時は、できるだけ、自給自足をすることが戦中戦後の苦難の時代を生き延びる唯一の実際的な方法になるでしょう。農業の知識が助けになるでしょう。箴言28章19節には「自分の土地を耕す人はパンに飽き足りる」とあります。ですから、農業をするなら、飢えることを避けられるでしょう。(箴言24:27;28:19)


 山に逃げる時は、農業の道具をもって逃げることができるでしょう。そして、食糧の援助を待つのではなく、山で勤勉に農業をして食料を自給するよう努力するほうがより良いでしょう。さらに、環境に配慮した生産的な農業をするためには、知識や技術が必要でしょう。聖書は仕事に熟練するように勧めています。 (箴言22:29)それで、平和な時期に農業の技術や知識を身につけておくことは助けになるでしょう。


 いかにしてできるだけ大勢の人が山に逃れるよう助けることができるでしょうか。それは、山に逃れる場合に複数で一緒に逃れた方が互いに助け合えるでしょう。


 イエスが昇天した後、エルサレムのとある階上の間に使徒たちの11人は一緒に滞在していました。彼らの妻になっていたと思われる幾人かの女たちと、イエスの母マリア、それにイエスの兄弟たちも一緒にいました。(使徒1:13,14)およそ20人あまりの人が一緒に一軒の家に滞在していたのかもしれません。それはおそらく、互いに信仰を励ましあい、さらに後になっては、少ないお金や資産を有効に使うためだったでしょう。いずれにしても彼らは互いに助け合っていました。


 もちろん彼らは、不道徳に陥らないように一夫一婦の家族の絆を守り、貞潔さを保つように努めていたことでしょう。これだけの大人数の人が仲良くやっていくには、霊的な事柄を第一にして、霊的に強い人であってできたことでしょう。


 それで山に逃げる場合に、互いに信仰を強め合ったり経済的に互いに支えあったりするために人数の多い少ないの違いはあっても、複数で生活するほうがより多くの人が助けられるでしよう。自給自足をする場合もその方が、やりやすいでしょう。


 さらに、一世紀のペンテコステの時のクリスチャンは、冒頭の聖句にあるように自発的に経済的に助け合いました。そのような方法をとるなら、できるだけ大勢の人が山に逃れるよう助けられるでしょう。(使徒2:44〜46)難民になるのではなく、誉れある仕方で山に逃れるためには、税金の支払い、引越し費用や家賃などどうしてもお金が必要でしょう。(ローマ13:1,7)


 都市にある所有物や財産はその時、必要がないものになります。資産のある人は、その資産を売った収益を他の人々と分かち合い、食物を共にすることによって、できる限り多くの人が命を永らえ飢えないために貢献できるでしょう。そのように、他の人に強いられてではなく、自由意志で資産や食物を分かち合うことは、喜びをもたらすでしょう。しかし、一部を分かち合って、一部を個人の所有として取っておいても、それはその人の自由に任されるべきです。(使徒5:4) 


 先に逃れた共同体は、預言者イザヤの勧めに従って、その家に余地がある限り、「家のない者たちを自分の家に入れる」ことによって親切を示すことができるでしょう。(イザヤ58:7)


 どのように大人数の生活を成功させることができるでしょうか。箴言は「内密の話し合いのないところには計画のざ折があり,助言者の多いところには達成がある。」と助言していますから、生活する人みんなで、内密の話し合いをよく持つことにより、成功するよう助けられるでしょう。(箴言15:22;11:14)


 ある成功している自給自足の共同体は、キリスト教のグループではありませんが、大人全員が365日決して欠かすことなく毎晩開く「大人ミーティング」であらゆる事柄を話し合い、皆で合意していっていると述べています。


 将来的に、そのようなクリスチャンの共同体を造ることが、大患難が勃発する前に、できるだけ大勢の人が山に逃れるよう助ける手段となることでしょう。しかし、私たちは今、聖書を読んで研究して、イエスの助言に従って行動できるような信仰と確信を培っていく必要があるでしょう。