ヨブ31章・姦淫は家庭を破壊しえる

「もし,わたしの心が女に誘われ,わたしがわたしの友の入り口で待ち伏せしていたなら,わたしの妻が他人のために[臼を]ひくことをし,彼女の上にほかの人がかがみ込むように。」(ヨブ31:9,10) 


 ヨブは既婚者でした。ヨブは自分が、友の家の入り口でその友の妻を待ち伏せして誘惑し、姦淫を犯すなら、自分の妻が他人のために臼をひくようにと言いました。自分の妻が他人のために臼をひくとは、自分の妻が、臼で穀物をひいて、他人のために食事を準備する、つまり、他人の妻になることを意味していたでしょう。また、自分の妻の上に他の人がかがみ込むとは、やはり自分の妻が他の人の妻になり、他の人と性関係を持つようになることを意味していたでしょう。


 それで、ヨブは、自分の友の結婚関係に敬意を払わないことは、自分の結婚関係が危険にさらされてもいいと考えていることだとみなしました。そして、ヨブは自分が姦淫を犯すことは、他人の結婚関係を崩壊させることだと意識していました。ヨブは自分の妻が自分に忠実であり、自分の結婚関係が安定したものとなることを望んでいたので、他人の結婚関係を危険にさらす姦淫を犯そうとはしませんでした。


 ヨブは模範的な神の僕であり、模範的な夫でした。サタンはヨブのエホバに対する忠節にけちをつけたので、その結果、ヨブは試練を受けて妻との間の十人の子供をサタンによって殺されてしまいましたが、神の是認と妻を失うことはありませんでした。それで、同じ妻との間でさらに十人の子供をもうけ、幸福な結婚生活を続けることができました。


 ヨブは自分が妻に不忠実でも、家庭は大丈夫だとは考えませんでした。ヨブのように姦淫が他人の家庭と自分の家庭を崩壊させる行為であることを意識しているなら、人は姦淫を犯さないように助けられるでしょう。


 確かに、ダビデは、他人の妻であるバテシバと姦淫を犯しました。そのために、エホバはナタンを通してダビデに、「わたしはあなたの妻たちをあなたの目の前で取り上げ,あなたの仲間の者に与えよう。その人は必ずこの太陽の下で公然とあなたの妻たちと寝るようになる。」と告げられました。(サムエル第二12:11)


 そして、エホバの予告どおり、ダビデの息子のアブサロムはダビデの十人のそばめたちと公然と性関係を持つことになりました。(サムエル第二16:22)ダビデはひそかに姦淫を行いましたが、エホバは公然とダビデの家庭に災いをもたらしたことが分かります。それで、姦淫は、自分の結婚関係に対するエホバの祝福を失うものとなりえることを意識すべきであることがこのダビデの事例からも分かります。


 また、聖書は淫行は神のみ前に離婚が許される正当な根拠になることを述べており、確かに姦淫が家庭を破壊しえることが分かります。(マタイ19:9) 姦淫は他人の家庭と自分の家庭を崩壊させる行為なのですから、姦淫を犯さないように最善の努力を払いましょう。