ヨハネ6章・政治権力を執られなかったイエスの模範

「そのため,彼の行なったしるしを見て,人々は,『これこそ確かに,世に来ることになっていた預言者だ』と言いはじめた。 それゆえイエスは,彼らが,自分を王にするためとらえに来ようとしているのを知り,再び山の中にただ独りで退かれた。」(ヨハネ6:14,15)


 イエスは人々が自分を無理やり王にしようとした時、山の中に独りで退かれました。ですから、イエスはこの世の政治権力をとろうとはされませんでした。イエスは、地上の人間の政府での地位や栄光を求めてはおられなかったということが分かります。


 それで、イエスに従うクリスチャンも、この世の政治に携わって政治権力を握る事はありません。これは、政治家として立候補をしたり、どこかの政党で支配しようとしたりしないことを意味しています。


 確かに古代の神の僕は非イスラエルの国家において行政職に携わる事もありました。たとえば、ネヘミヤはペルシャの王の献酌官として仕えていました。(ネヘミヤ1:11)一世紀には、パフォスの執政官代理のセルギオ・パウロパウロの証言を聞いて信者となったと記されています。また、ギリシャでは、アレオパゴス裁判所の裁判官デオヌシオが、信者となりました。(使徒13:8;17:34)このような例を考えるなら、今日でもクリスチャンで行政職についている人がいるかもしれません。


 けれども、イエスの追随者として、イエスにみならうならば、政治家になって政治権力を振るうことはありません。イエスの弟子がこのように振舞うべきことは、次のことによっても裏付けられています。


 イエスは宣教を始める前に荒野で悪魔に誘惑されました。その時、悪魔はイエスにひれ伏して自分に崇拝の行為をするならば、それと引き換えに世のすべての王国とその栄光をイエスに上げましょうと持ちかけました。(マタイ4:1,9)イエスはエホバ神だけを崇拝しなければならないと言って悪魔サタンの誘惑を退けました。


 悪魔サタンのこの言葉は、世のすべての王国とその栄光を手に入れることが悪魔サタンの崇拝につながることを示しています。もちろん、このことを非クリスチャンは理解してはいません。


 イエスはご自分の弟子たちに、世の政治の権威に対して税を払うようにと勧めました。(マタイ22:17)また、聖書は神の律法に反しない限り世俗の権威に従うようにと勧めています。(ローマ13:1) ですから、イエスの弟子は、世の政治の権威に反抗したり、転覆しようとしたりはしません。


 しかし、イエスの弟子であるならば、世の政治の権威の権力を執ることによって悪魔サタンの影響下に入らないようにするべきです。



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