歴代第二13章・アビヤはエホバに頼って勝ちを得る

イスラエルの子らはこの時,低くされたが,ユダの子らは勝ちを得た。彼らはその父祖たちの神エホバに頼ったからである。」(歴代第二13:18)


 ユダの王アビヤが、戦いにおいてエホバに頼って勝利を得たひとつの記録が聖書にあります。アビヤはソロモンの子レハベアムの子で、ユダの王となりました。ある時、ユダのアビヤとイスラエル十部族のヤラベアムとの間で戦争が起きました。そこで、アビヤは四十万、ヤラベアムは八十万の戦人の軍勢を率いて戦いました。(歴代第二13:3)ですから、ユダ王国の軍勢の数は、イスラエル十部族王国の軍勢の数の二分の一でずっと劣勢でした。それで、客観的には、ユダにとって戦況は不利に見えたことでしょう。


 しかも、戦術もイスラエル十部族王国の方が勝っていました。ヤラベアムは、伏兵を回してユダの軍勢の後ろに行かせました。それで、ユダの人々は、前と後ろから挟み撃ちになりました。(歴代第二13:13)ユダの敗北は、決まっていたように見えたかもしれません。


 けれども、その戦いの時、アビヤはエホバに頼りました。というのは、アビヤは、ヤラベアムとその軍勢に語りかけてこう言っているからです。


 「ヤラベアムおよび全イスラエルよ、わたしの言うことを聞け。・・・あなた方は大群であり、ヤラベアムがあなた方のために神々として造った金の子牛もあなた方と共にある。・・・わたしたちについていえば、エホバがわたしたちの神であり、わたしたちはこの方を捨てなかった。それに祭司たちはエホバに奉仕しており、アロンの子らであって、レビ人もまた仕事についている。・・・まことの神は・・・わたしたちと共に先頭におられるのである。」(歴代第二13:4〜12)


 それで、イスラエルは、自分たちが造った偶像である金の子牛に頼っていましたが、アビヤは、エホバに頼っていることを言い表しました。そこでアビヤがエホバに頼ったために、エホバはユダを助けられました。


 ユダが前後に挟み撃ちになっていることに気づくと、ユダの人々は、エホバに叫び求めはじめ、また祭司たちもラッパを高らかに吹き鳴らしました。(歴代第二13:14)そして、ユダの人々はどっとときの声を上げました。その時、エホバはヤラベアムと全イスラエルをアビヤとユダの前で打ち破られました。それで、イスラエルの人々は大軍であったにもかかわらず、ユダの前から逃げ去って行きました。(歴代第二13:15,16)


 そこで、アビヤとその民はイスラエルを打ち倒しておびただしく殺しました。それで、イスラエルの五十万の兵士たちが倒れました。そして、アビヤはヤラベアムの跡を追っていき、イスラエルの幾つかの都市を彼から奪い取りました。こうして、ユダは、冒頭の聖句にあるようにエホバに頼ったために、戦いにおいて勝利を得ました。(歴代第二13:18)


 ヤラベアムはアビヤの時代には、もはや力を保つことができませんでした。それに、エホバがヤラベアムを打たれたのでヤラベアムは死んだと聖書は記録しています。(歴代第二13:20)ヤラベアムは、金の子牛崇拝を始めてイスラエル十部族を罪に陥れました。エホバはその罪をヤラベアムに報いられました。


 一方、アビヤとユダの人々はエホバに頼ったために、戦いで勝利を収めることができました。しかし、アビヤについての並行記述の列王記第一の記録を調べてみると、アビヤについて、「彼はその父が彼より前に行なったすべての罪のうちに歩んで行き、彼の心はその父祖ダビデの心のように、彼の神エホバと全く一致してはいなかった。」と記録されています。(列王第一15:2)


 それで、ユダのアビヤがエホバに頼ったのは、いわば困った時の神頼みのようなところがありました。それでも、エホバは、北のイスラエルが、エホバを捨てて金の子牛崇拝に陥っていたため、またアビヤの父祖ダビデの忠実さのゆえ、また、ユダの人々もエホバに頼ったために、寛大にユダに助けを差し伸べ勝利をお与えになったことが分かります。


 今日、クリスチャンは、文字通りの戦闘に携わることはありません。けれども、エホバのご意志にかなった何かを行なおうとする時に、エホバに頼るならば、エホバは寛大に助けを与えてくださるかもしれません。それは、良いことではありませんが、私たちもアビヤのように、エホバに従う点で、かなり不十分な所があるかもしれません。それでも、エホバに頼るならば、エホバはアビヤを助けたように助けを与えてくださるでしょう。私たちは常に賢く全能の神エホバに頼って、物事が首尾よくいくようにエホバの助けを願い求めましょう。





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