マタイ5章・ポルノをなぜ避けるべきなのだろう

「『あなたは姦淫を犯してはならない』と言われたのをあなた方は聞きました。しかし,わたしはあなた方に言いますが,女を見つづけてこれに情欲を抱く者はみな,すでに心の中でその[女]と姦淫を犯したのです。」(マタイ5:27,28)


 今は、ネットにポルノが満ちあふれています。ポルノにアクセスすることが容易になっています。ネットでポルノを見ることが習慣になってしまった人もいます。ポルノを見ることは、有害でしょうか。なぜポルノを避けるべきなのでしょうか。


 ポルノを見ることは習慣になり長期にわたって破壊的な影響を及ぼすことがあります。ポルノを見るのが習慣になってしまうと、その習慣を断つのは簡単ではありません。


 例えで考えてみることができます。両手に一本の木綿糸が巻かれているとします。おそらく、両手を左右に広げるだけで糸を断ち切ることができるでしょう。しかし、糸が何重にも巻きつけられているとしたら、断ち切るのははるかに難しくなるはずです。ポルノを見ることが習慣になっている人にも同じことが言えます。見れば見るほどとりこになり、断ち切るのがはるかに難しくなります。


 ジェフは、ポルノを見なくなって十四年になりますが、次のように語っています。「毎日が闘いです。ずいぶん収まったとはいえ、欲求が残っています。好奇心も残っています。映像も記憶に残っています。このおぞましい道に足を踏み入れなければよかったのに、と思います。最初は全く無害に思えたんです。でも今では分かります。ポルノは有害で、邪悪です。関係する人全員の品位を落とします。擁護する人が何と言おうが、ポルノに良い点などありません。全くありません。」


 ジェフはなぜそのように言うのでしょうか。ポルノは人にどのような影響を与えるでしょうか。ポルノにはまり込むことは、ノアの時代に邪悪な霊者たちが抱いた異常な性的執着によく似ていると言えます。聖書はエホバが太古の昔に無数の霊者たちを創造されたことを示しています。そのみ使いたちの一部は、ノアの時代に地上の美しい女たちに異常な性的欲望を抱きました。


 エホバは、命と性を与えた方ですから、性の賜物の正しい用い方を定める正当な権利を持っておられます。またエホバは、性に関してどのような用い方が被造物の最善の益となるかをご存知です。エホバは、結婚した人間男女に子孫を産み出すために性を賜物として与えました。また性によって、結婚した人間男女は結びつきを強め喜びを得ることができます。そのようなふさわしい場所にある性は望ましいものです。しかし、エホバは性関係を結ぶことを、結婚した人間男女だけに許されました。そのように限られた範囲で性を用いることが被造物の幸福に貢献します。


 霊者はエホバによって個別に創造されているため、性を楽しむことは彼らにとって正道からはずれた異常な行ないでした。ところが、聖書の記録によると、あるみ使いたちは、人間の女が美しいことに気づき、人間の女に異常な性的欲望を育みました。(創世記6:2)その結果、彼らは、地上に降りて人間の肉の体を取り、人間の女たちと結婚し性関係を持ちました。そのために彼らは、天でエホバに仕えるという本来あるべき立場を離れました。(ユダ6) そして、地上は神に反逆したみ使いとその子孫によって暴虐が満ち、その時の世は神によって滅ぼされることになりました。


 ポルノも通常、結婚した配偶者以外の異性や同性に対する性的欲望を掻き立てます。それは、神の設けられた結婚の取り決めを無視させ、神の律法に反して淫行や姦淫を行なうように仕向けます。それで、ポルノは仲間の人間に罪を犯すように仕向けます。また、ポルノは、性を偶像視し、人間の神との良い関係を破壊すると言えます。ポルノを見て、罪を犯すと、他の律法も軽視するようになるでしょう。ポルノは神から否認された状態をもたらします。ですから、ポルノにはまり込むことは、ノアの時代に邪悪な霊者たちが抱いた異常な性的執着によく似ていると言えます。


 では、どのようにしてポルノ中毒を克服できるでしょうか。ポルノの実体を知ったならば、ポルノを見ないという決意を抱きましょう。イエスは、「女を見つづけてこれに情欲を抱く者はみな,すでに心の中でその[女]と姦淫を犯したのです。」と言われました。(マタイ5:28)イエスは、実際の姦淫の行為だけでなく、配偶者でない女性を見て、欲情をつのらせることは、神の目に姦淫であると言われました。


 女性を欲情を抱いて見るべきではないのであれば、女性の裸でみだらな姿の写真や動画を見て、配偶者でない女性に対して情欲を抱くべきでないのは言うまでもありません。ポルノを見ると良心が損なわれていきます。ポルノを見ること自体が、神との関係を破壊します。ポルノを邪悪で無価値なものとして、忌避して、ポルノを決して見ないという決意を抱くべきです。(詩篇97:10)


 では、その決意をどのように実行に移せますか。以下は提案です。

○性的に露骨なサイトやポップアップはすぐに消すようにします。

○パソコンをアダルトサイトは見ることのできない設定にすることができます。セキュリティソフトのスクリーン機能や、有料の有害サイトブロックサービスがあります。

○ポルノを憎む気持ちが弱いならば、エホバに祈り、その気持ちを強めていただくようにすることができます。

○円熟した人に、ポルノを見ていることを打ち明けて、ポルノを見ないように励ましと援助を得ることができます。

○もし、好奇心に負けてポルノをまた見てしまっても、それで負けてしまってはいけません。エホバに許しを願い求め、再びポルノという邪悪な事柄に対する闘いを取り上げましょう。


 先ほど取り上げたジェフはこのように言っています。「聖書を学ぶようになる前に、有名な薬物のほぼすべてをたくさん使いました。いろいろなものの中毒になりましたが、中でもポルノは克服するのが格段に難しかったです。この問題に対処できたのは、ひとえにエホバが助けてくださったからです。」


 ですから、難しいとはいえ、エホバの助けによってポルノを克服した人がいるのです。ポルノを克服するにあたって後退もあるかもしれません。しかし、エホバとの親しい関係を放棄してはなりません。エホバに祈ってポルノとの闘いを続けてください。そうするならば、エホバの助けによってポルノを退けるための闘いに勝つことができます。ポルノという疫病を避けることによってエホバの心を歓ばせているということを決して忘れないようにしてください。(箴言27:11)


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