若い人のうつ病(4)−神と人に問題を打ち明ける


先回まで、「若い人のうつ病(1)−その原因」「若い人のうつ病(2)−軽いうつ病と重いうつ病」「若い人のうつ病(3)−小さな苦痛を処理する実際的な方法」をアップしました。今回は、神と人に問題を打ち明けることについて特に取り上げたいと思います。


病気のことをだれかに話す

「人の心の煩い事はこれをかがませ,良い言葉はこれを歓ばせる」。(箴言 12:25)理解のある人の語る「良い言葉」によって気分がだいぶ良くなるかもしれません。しかし、人間はだれもあなたの心を読むことはできません。ですから,あなたが信頼している,そしてあなたが考えを正すのを助けてくれる人にすべてを打ち明けることです。箴言 17章17節には,「友はいつの時も愛している。そして,苦難の時には兄弟となる」とあります。(基礎英語聖書)


「だれにも言わずにいると,重い荷物を一人で背負っているような感じです。でも,援助する資格のあるだれかに聞いていただくと,荷はずっと軽くなります」と,22歳の青年エバンは語りました。


『しかし,もう話してみたのです。私が聞かされたのは,生活の明るい面を見なさいというお説教だけでした』と,あなたは言うかもしれません。では,どこへ行けば,理解をもって耳を傾けてくれ,また事実に基づいた助言を与えてくれる人が見つかりますか。(箴言 27:5,6)


助けを見いだす

まずご両親に『心を向ける』ことから始めてください。(箴言 23:26)ご両親はあなたのことをだれよりもよくご存じですから,あなたが話せば,多くの場合助けになれます。問題が大きいと見れば,専門家の援助を受ける手はずも整えてくださるでしょう。


クリスチャン会衆の成員からも助けが得られます。マリーは次のように語りました。「私は何年もの間,自分がどれほど憂うつな気分でいるか,本当に分かってくれる人は一人もいない,ということを口実にしていました。しかし,ある時会衆内の年配の婦人に自分のことを打ち明けたところ,その人は本当によく分かってくださったのです。その人も幾らか私と同じ経験をしたことがあったのです。それで,ほかの人もこのような経験をしたのにすっかりよくなったのだということが分かり,とても励みになりました」。


エスはご自分と良いたよりのために犠牲を払う人は、「今この時期に百倍を、すなわち家と兄弟と姉妹と母と子供と畑を迫害と共に得(る)」と言われました。(マルコ 10:29,30。ヨハネ 13:34,35)あなたも,エホバの真の崇拝者たちの中に,あなたの福祉に心から関心を持つ友達と“家族”を見いだすことができます。


もっとも,マリーのうつ病はすぐによくなったわけではありません。しかし神との関係を深めるにつれ,徐々に自分の感情に対処できるようになったのです。


普通を超えた力

憂うつな気分を追い払うための最も強力な助けは,使徒パウロの言う『普通を超えた力』です。この力は神から来ます。(コリント第二 4:7)あなたが神に頼れば,神はあなたがうつ状態を追い払うのを助けることがおできになります。


神はあなたが生来備えている能力以上の力を聖霊によって与えてくださるのです。人に聖霊が働く時、人の内に産みだされる特質の中に、「喜び、平和、辛抱強さ、・・・温和、自制」があります。(ガラテア5:22,23)これらの特質はうつ状態を緩和したり、忍耐したりするのに助けになります。エホバに聖霊を祈り求めましょう。(ルカ11:13)


聖書は、「民よ,いつでも[神]に依り頼め。そのみ前にあなた方の心を注ぎ出せ。神はわたしたちのための避難所である。」と述べています。(詩編62:8)聖書は、神に祈りによって心のうちにあることをすべて注ぎ出すようにと勧めています。そうすれば、神があなたの避難所となってくださると保証されています。


神とのこの友情は本当に大きな励みになります。ジョージアという名の若い女性は,「悲しい時,私は本当によく祈ります。どんなに難しい問題を抱えていても,エホバはそれから逃れる道を備えてくださることが分かっているからです」と言いました。(コリント第一10:13)


ダフニも同感です。「エホバには本当に何でも話せます。心にあるものをすっかり話すなら,人間にはだれにも理解できないことでも,神は本当に理解してくださり,気遣ってくださるということが分かるでしょう」。






ハイディは、次のように語っています。「ときどき、うつ状態がひどくなり、どうしても死にたくなりました。でも、根気強く祈り、治療を受けたので、今では普通に生活できるようになっています。」


多くの人が、エホバとの関係のうちにうつ病からのやすらぎや、忍耐するための助けを見出しています。ですから,もしあなたがうつ状態に陥っているなら,神に祈ってください。そしてあなたが自分の気持ちを打ち明けられる,賢明で理解のある人を見つけだしてください。


というのは,神には理解があって,あなたの思い煩いをご自分にゆだねるようにと勧めておられますし,『あなたを顧みてくださる』からです。(ペテロ第一 5:6,7)実際に聖書は,「一切の考えに勝る神の平和が,あなた方の心と知力を,キリスト・イエスによって守ってくださる」と約束しています。―フィリピ 4:7。


今回の記事は、エホバの証人発行の「若い人が尋ねる質問 実際に役立つ答え」の第13章「なぜこんなに憂うつな気分になるのだろう」から抜粋されています。一部付け加えています。



詩編130編・エホバは良いところを見つめてくださる

詩編55編・憂うつを克服する


イザヤ2章・末の日のユダとエルサレムとは