詩編72編・メシアなる王イエスの支配に関する預言

「その日には義なる者が芽生え, 豊かな平和が月のなくなるときまで[続くことでしょう]。 そして,彼は海から海に至るまで, 川から地の果てに至るまで臣民を持つことになります。」(詩編72:7,8)


 詩編72編は、「ソロモンに関して」という表題がついており、ダビデの祈りとされています。(詩編72:20)しかし、このダビデの祈りは、究極はメシアなる王の平和な支配に関する預言です。どうしてそう言えるでしょうか。


 ソロモンの治世は彼が生きている間の数十年にすぎませんでした。しかし、詩編72編のダビデの預言的な祈りによると、その王の支配は、「月のなくなるときまで続(きます)。」(詩編72:7)つまりその王の支配は永遠です。


 また、ソロモンが支配した領土はイスラエルに過ぎませんでした。ダビデの治世の時に、イスラエルは神が約束された領土いっぱいになっていましたから、ソロモンはその領土をダビデから受け継いでいました。それでも、ソロモンの支配した領土は地球上の一地域に過ぎませんでした。しかし、ダビデの預言的な祈りによるとその王の支配は、「地の果てに至るまで」のものです。つまりその王の支配は地球全体に及びます。(詩編72:7,8)ですから、ダビデの預言的な祈りは、ソロモン王ではなくメシアなる王の支配に完全に成就します。


 そのメシアなる王とは、イエス・キリストです。詩編72編はイエス・キリストが大変望ましい支配を地球全体に及ぼすことを預言していました。なぜなら、イエスが誕生する前に、み使いは、マリアに、「エホバ神はその父ダビデの座を彼に与え、彼は王としてヤコブの家を永久に支配するのです。そして、彼の王国に終わりはありません。」と述べているからです。(ルカ1:32,33)イエスダビデの王権を受け継ぎ永遠に地上を支配することになっています。


 メシアなる王イエス・キリストの支配はどんなものになるでしょうか。詩編72編は、「その日には義なる者が芽生え, 豊かな平和が月のなくなるときまで続くことでしょう」と預言しています。(詩編72:7,8)メシアなる王のもとで義なる者、つまり神の律法を守る者が繁栄します。そのため「豊かな平和」が全地に行き渡ります。戦争や紛争、犯罪は全地からなくなってしまいます。


 また、メシアなる王イエスの支配の特徴は憐れみです。詩編72編の預言によると、メシアなる王は、「立場の低い者や貧しい者をふびんに思い、貧しい者たちの魂を救います。」(詩編72:13)メシアなる王の支配の下では、人々が虐待されたり、貧困によって苦しんだりすることはなくなります。イエスが地上におられた時も、イエスは貧しい者を大変優しく扱われました。イエスは、貧しい者と地位の高い者を平等に扱われました。


 そのような義の支配に憐れみが伴うイエスの支配が行なわれる時、地は物質的にも祝福されます。詩編72編は、「地には穀物が豊かに実り, 山々の頂であふれんばかりに[実ります]。」と預言しています。(詩編72:16)神の祝福のもとに農作物は豊かに産出します。ですから、食糧不足はありません。地球上の人類すべてのために豊かな食物があります。






 メシアなる王イエス・キリストの支配がいかに望ましいものとなるかを、詩編72編は預言しています。イエスとその共同支配者の支配は、平和と憐れみが特徴となります。神の王国政府の支配の下で、今日見られるような戦争や食糧不足はなくなります。イエスの支配によって地上は楽園になります。私たちも望ましい神の王国の支配にふさわしいものとなるように、努力しましょう。


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