病気と上手に付き合う(4)―前向きに生きる

先回まで、「(1)−病気について知った時」「(2)−生活のコントロールを取り戻す」「(3)−他の人との接触を保つ」をアップしました。今回は、病気であっても、前向きに生きることについて取り上げたいと思います。

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病気であっても前向きに生きる


ある見舞い客は,寝たきりの友人と,芸術や歴史やエホバに信仰を抱いている理由などについて話し合った後に,こう述べました。「あの人は病気に負けていません。話していてとても楽しくなりました」。


病気になっても、可能な範囲で外の世界に対する関心を保ちましょう。できるだけあらゆる分野に関心を保ち、引き続き情報を取り入れましょう。可能なら、図書館に行って本を借りてくることができます。またネットでいろんな情報を検索できます。そうすれば、自分自身が楽しいだけでなく、見舞い客と話す話題に事欠くことはないでしょう。


長期の病気にかかっているある女性は,自分の病気について夫に話す時間を限ることにより,夫が妻と話すのに疲れてしまわないように配慮しました。「どうしてもそうする必要がありました」と,この女性は述べています。


ユーモアのセンスを保つ


笑いは良薬です。箴言 17章22節の,「喜びに満ちた心は治療薬として良く効(く)」という言葉に注目してください。




笑いは良薬




米国の著名な評論誌の元編集長のノーマン・カズンズさんは、1964年に強直性脊椎炎という難病にかかり、激しい痛みで全く動けなくなりました。医師からは、治る確率は500分の1だと言われたそうです。しかし、彼はあきらめず、前向きな感情を持てば免疫力が高まるのではないかと考え、ユーモア本や喜劇映画を見て、大笑いをして過ごしました。すると、痛みが和らぎ、やがて、難病を克服してしまったそうです。


1982年アメリカの医師らにより「笑い療法研究会」が発足しました。この研究によれば、笑いが免疫機能を活性化させるだけでなく、鎮痛作用をもつ脳内モルヒネを増加させたり、自律神経の働きを安定させたりする効果があるそうです。


日本でも近年、笑いの効果が研究されるようになっています。1991年に大阪ミナミの演芸場でガン患者を含む19人に吉本新喜劇を3時間見て大笑いをしてもらい、その前後でナチュラルキラー細胞(ガン細胞を直接攻撃する細胞)の活性度を調べてみました。その結果、最初から低かった人、基準内だった人のいずれもが、活性度が上昇しました。つまり、笑いはガンに対する抵抗力を高めることが判明したのです。


 その後の研究によると、注射でナチュラルキラー細胞を活性化させようとすると、三日かかるそうですが、わずか5分笑うことでナチュラルキラー細胞は活性化することが分かったそうです。


笑いは良薬であるだけでなく、ユーモアのセンスのある人とは、共にいても楽しいものです。落語でもバラエティ番組でも、友達との会話でもとにかく笑う機会を増やしましょう。



 他の人のことを考え、助けると言う目標を立てる


孝代さんは四年前、骨折や打撲などの外傷がきっかけとされる「反射性交感神経性ジストロフィー」を発症し、焼け付くような痛みに苦しんでいました。そして、肩から右半身に広がった痛みのため、家事も日常生活も満足にできない自分にいら立ちを募らせていました。


 暗闇の中にいる感じだったときに、慢性病を持つ人のためのワークショップに参加しました。そこで、他の病気の患者もそれぞれに苦しさを抱えながら、前向きに生きていることを知りました。同じ事柄でも人により捉え方が違うことにも気付きました。そして、ワークショップに参加して、それまで病気のマイナス面ばかりに目が向いていましたが、「痛みの分かる人間になったことを生かして、社会に貢献できるかもしれない」と考えられるようになったそうです。


あなたも他の人を助けるという目標を立てることができますか。病気だったり障害を持っていたりするほうが,かえってうまく人を慰められることがあります。自分自身が問題を抱えているので,他の人の痛みをいっそう理解できるからです。聖書も,「受けるより与えるほうが幸福である」と述べています。(使徒 20:35)他の人のことを考えて何か他の人を助けることをすれば、自分の試練のことばかり考えないように助けられ、生活から喜びと幸福感を得られるでしょう。


例えば、ネットでは、大変な状況にある人を見つけて励ますコメントを残すこともできるでしょう。その際、自分が知っている聖書の知恵や希望について話せば、他の人の助けになれます。他にも、他の人のために祈ることを目標にすることもできます。このことも、自分の試練ことばかり考えるのではなく、物事を広く見るのに助けになるでしょう。



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この記事は、この記事は、目ざめよ2001年1/22号「病気と上手に付き合う−どのように?」を参考に作成されています。またネットの情報も参考にしています。次回は、「病気と上手に付き合う(5)−信仰から力を得る」をアップしたいと思います。



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