病気と上手に付き合う(5)-信仰から力を得る


先回まで、「病気と上手に付き合う(1)−病気について知った時」「病気と上手に付き合う(2)−生活のコントロールを取り戻す」「病気と上手に付き合う(3)−他の人と接触を保つ」「病気と上手に付き合う(4)−前向きに生きる」をアップしました。今回、病気に対処するために、信仰から力を得る方法について取り上げたいと思います。

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信仰から力を得る
クリスチャンで重い障害に上手に対処している人たちは,エホバ神に対する信仰,またクリスチャン会衆との交わりから常に慰めと力を得ている,と言います。そうした人たちは、祈り、聖書の研究、将来について黙想すること、クリスチャンの集会に出席することなどの価値について、次のような感想を述べています。

◎祈り
「今でも憂うつになることはあります。そういうときにエホバに祈ると,エホバは,......できることを行ない続けようという私の決意を新たにしてくださいます」。-詩編 55:22。ルカ 11:13。


祈り

◎聖書の研究
「聖書を読み,読んだ事柄を黙想することは,思いの平安を保つ上で大きな助けとなっています」。-詩編 63:6; 77:11,12。



聖書の研究と黙想

◎将来についての黙想
「聖書の研究は,真の命はまだ始まっていないこと,永遠に障害を抱え続けるわけではないことを思い起こさせてくれます」。-イザヤ 35:5,6。啓示 21:3,4。
「聖書が約束している将来に信仰を持つことにより,その日一日の生活に対処する力がわいてきます」。-マタイ 6:33,34。ローマ 12:12。

◎集会出席
「王国会館の集会に出席すると,病気のことではなく、積極的な事柄に思いを集中させることができます」。-詩編 26:12; 27:4。
「会衆の皆さんとの励みある交わりに心を温められています」。-使徒 28:15。

自分の信仰を他の人に伝える
前述したヘレンは、11歳のころから、やがて訪れる平和な新しい世界についての聖書の約束を他の人に伝えることを生活の中の大切な活動としてきましたが、病状が進んだ今日でも毎週これを行なっています。(マタイ 28:19,20)夫や看護に来てくれる人たちのおかげで、また自分でもあれこれと工夫して、何とか続けることができています。

ヘレンは、その方法をこう説明しています。「看護の人に、新聞を見せてくださるようお願いします。一緒に死亡広告を読み、そのうちの幾つかを選びます。それから、亡くなった方のご親族への手紙に含めたい事柄を看護婦さんに伝え、その手紙をタイプしてもらいます。その手紙を添えて、聖書の、慰めとなる復活の希望を説明している、『愛する家族を亡くしたとき』という冊子を送ります。これを毎週日曜日の午後に行なっています。こうすれば、今でも神の王国の良いたよりを他の人に伝えることができるので、幸せに感じます」。

先ほど言及したレックスも妻のティネケに付き添われて、車いすで家から家へと訪ねて、他の人に聖書の知識を伝えています。また、重度の障害を持つ男性を週に一度訪問しては励まし、その人と聖書を研究しています。「他の人を助けることは大きな満足感を与えてくれます」とレックスは言います。

余命を前向きに生きる
もし、医者から治らない病気だと言われたり、余命を宣告されたら、どのように考えたらいいでしょうか。

聖書は「義者と不義者」に復活を約束しています。(使徒24:15)新しい体制のもと、楽園となった地上に復活することができるという希望を聖書は差し伸べています。私たちは残された短い時を、エホバ神に依り頼み、希望を持って前向きに生きていくことができるでしょう。そのようにしたひとりの少年の経験を紹介します。

骨のがんの一種でユーイング肉腫という珍しい病気になったダスティンは、亡くなる前は、カリフォルニア州サンディエゴの小児病院で過ごしました。化学療法や放射線療法を受けた後、最後には右脚と骨盤を切断することになりました。それでもダスティンの強い信仰とエホバに対する愛は弱まりませんでした。体力が衰えて読書もできなくなると、ずっと付き添っていた母親が出版物を読んであげました。

病状が悪化してもダスティンは決して弱音を吐きませんでした。車いすで動き回り、他の患者やその親たちを励まして忙しい毎日を送っていました。病院のスタッフはダスティンがほかの人たちと違っていることに気づきました。それはダスティンが信仰によって支えられているということです。

ダスティンはバプテスマを受けたいと思いました。それで、2004年10月16日、12歳半の時に巡回大会でバプテスマを受けました。会場にはダスティンの家族全員が来ており、ダスティンの実の父親とその妻の姿もありました。病院の職員、がんになった子どもの親たちも出席していました。

ダスティンはバプテスマを受けた次の日、病院に戻りました。がんは体の骨全体に広がっていました。ますます体力が衰え、死の近いことを察したダスティンは母親に、自分は本当に死ぬのかと尋ねました。母親は、「なぜそんなことを聞くの?死ぬのは怖い?」と聞きました。

ダスティンはこう答えました。「怖くないよ。僕はちょっと目をつぶるだけ。復活して目を開けたら、1秒しか目をつぶってなかったような感じだろうね。その時は,もう痛くないんだ」。確かに、ダスティンは復活に対する信仰によって支えられていました。死を恐れておらず、残された時を前向きに生きることができました。翌月、ダスティンは息を引き取りました。

信仰を支えとする
興味深い点として、多くの医学研究は、信仰が健康と幸福を増進させることについて述べています。ジョージタウン大学医学部のデール・マシューズ教授によると,「信仰は価値ある要素となることが実証されて」います。

聖書には次のような保証の言葉があります。「エホバは善良であられ,苦難の日のとりでとなられる。そして,ご自分のもとに避け所を求めて来る者たちを知っておられる」。(ナホム 1:7)エホバ神との親しいきずなを持つことは、病気や障害を抱えている人たちにとっても慰めと力の源となります。(ローマ 1:11,12。コリント第二 1:3; 4:7)

私たちは、信仰から希望と力を得ることができます。たとえ病気になったとしても、前向きに積極的に病気に対処することができます。

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この記事は、この記事は、目ざめよ2001年1/22号「病気と上手に付き合う−どのように?」を参考に作成されています。またネットの情報も参考にしています。


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