詩編51編・ダビデは捨て去られないように祈り求める

「あなたのみ顔の前からわたしを捨て去らないでください。あなたの聖霊を、どうかわたしから取り去らないでください。」(詩編51:11)

ダビデは、罪を犯してしまった時、エホバに捨て去られないように祈り求めました。確かに、ダビデは、エホバとの関係において粘り強く、真剣でした。



詩編51編の表題は、「ダビデの調べ。彼がバテ・シバと関係を持った後、預言者ナタンが彼のところに入って来たときに」となっています。それで、詩編51編は、ダビデがバテ・シバと姦淫を犯すという罪を犯した時に、作られた祈りの言葉です。


ダビデは、バテ・シバと姦淫を犯し、彼女の夫ウリヤが戦いで死ぬように取り計らって血の罪も犯しました。ダビデは、預言者ナタンから懲らしめられて、自分の罪を悟りました。


詩編51編の中で、ダビデは、エホバが自分の違反をぬぐい去ってくださるように、自分の罪から清めてくださるようにと祈り求めています。(詩編51:1,2,7,9)


そして、自分が母親から、罪を受け継いで、生来罪人であるという事実を述べて、エホバに容赦してくださるように祈っています。(詩編51:5)


そして、ダビデは、自分のうちにエホバが新たな霊を置いてくださり、自分のうちに浄い心を創造してくださるように祈り求めました。(詩編51:10)新たな霊とは、聖句では浄い心と対句になっていますから、新たな精神態度を意味しています。ダビデは、ありのままの不完全で弱い自分の心に頼りませんでした。ダビデはエホバが全能の神であることに信仰を持っていたので、エホバが、正しい精神態度を持てるように、助けてくださるように祈り求めました。


そして、エホバのみ顔の前から捨て去られないようにと祈り求めました。そして、エホバの聖霊を自分から取り去らないでくださいとお願いています。(詩編51:11)このことから、エホバからの聖霊は、私たちがエホバの前で是認された立場を保つために、肝要なものであるということが分かります。ダビデは、エホバとの貴重な関係を失ってしまわないようにとエホバにお願いしました。


ダビデの祈りはエホバに聞き届けられました。ダビデは、エホバから即座に裁かれて死ぬことはありませんでした。ダビデは、そのまま、罪に進み、堕落の淵に沈むということはありませんでした。ダビデはそれ以降、姦淫を犯したという記録はありませんし、エホバの律法を守るように努めました。


ダビデは、罪の罰となる災いが自分の家に起こることを避けることはできませんでしたが、それでも、エホバの前に是認された立場を保つことができました。そのため、ダビデは自分に起こった災いを生き残ることができました。それで、ダビデは、最終的にエホバから罪を許され、年をとって後、エホバのみ手の祝福のうちにあることを確信して安らかに死ぬことになりました。


私たちもエホバに大きな罪を犯してしまった時でも、あきらめずにエホバが自分を捨て去ってしまわれないように祈り求めるようにしましょう。また、罪を悔い改めてエホバの聖霊を祈り求めましょう。エホバのみ前の是認された立場を祈り求めましょう。そうすれば、私たちはそれ以上、罪に進んだり、再び罪を犯すことのないよう助けられるでしょう。私たちの、エホバとの関係に対する粘り強さは報いられるでしょう。



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