エレミヤ1章・バビロンの攻撃を招いたユダの偶像崇拝

「エホバはわたしに言われた。『この地の全住民に向かって北から災いが解き放たれるであろう。』・・・それらの者がわたしを捨てて、ほかの神々に犠牲の煙を立ち上らせ、自分の手の業に身をかがめ続けるからである。」(エレミヤ1:15,16)


ユダの二部族王国は、西暦前607年にバビロンによって倒されました。ユダの二部族王国をエホバの崇拝を代表する国家であったのに、どうしてバビロンによって倒されたのでしょうか。今回は、ユダがエホバに非とされる何を行なっていたのか、終わりの時に住む私たちはどのような教訓を得られるか考えてみましょう。


ユダに災いが臨むことが、預言者エレミヤによって予告されていました。エレミヤ1章の中で予告された北から解き放たれる災いとは、バビロン帝国によるユダに対する攻撃でした。エレミヤは、ユダにその災いがもたらされた理由について説明しました。それは、ユダがエホバ以外の神々に偶像崇拝を捧げていたからでした。エホバは、ユダの人々がエホバを捨てて「ほかの神々に犠牲の煙を立ち上らせ」、偶像に「身をかがめ続ける」からだと説明しておられます。(エレミヤ1:16)


イスラエル人は、西暦前1513年に、エジプトの奴隷状態から救い出された時に、モーセの律法を与えられていました。そのためイスラエル人は、十戒を初めとしたモーセの律法の規定を守る責務がありました。そして、十戒の主要な掟のひとつは、エホバ以外の神を崇拝してはならないという、偶像崇拝を禁じる掟でした。(出エジプト20:3-5。列王第二17:35-39)


北のイスラエル十部族王国は、早期にモーセの律法から背教し、偶像崇拝に陥りました。それで、エホバは、西暦前740年、アッシリアによってその王国が滅ぼされるに任されました。(列王第二17:5,6)ユダの二部族王国の方は、エホバに忠実な王が幾人か登場し偶像崇拝を撤廃し、モーセの律法に戻る努力を払いましたが、ユダ国民全体としては、モーセの律法から離れていきました。


ユダは、どのように偶像崇拝をしていたのでしょうか。ユダの人々は数多くの神々を崇拝していました。また、ユダの都市毎に、多くのバアルを崇拝するための祭壇を築いていました。(エレミヤ11:13)また、ユダの人々は、「ユダの諸都市やエルサレムのちまた」で、「天の女王」を家族ぐるみで崇拝していました。(エレミヤ7:17,18;44:17,18)


また、ユダの人々は、家の屋上で「天の全軍」に対する偶像崇拝を行なっていました。(エレミヤ19:13)聖書の中で、バアル崇拝と天体の崇拝が同時に言及されています。ですから、バアルが特定の天体と結び付けられて崇拝されていたのかもしれません。ユダの人々は、エホバ神から選ばれた国民であったにもかかわらず、人目に付く所で、家族ぐるみで偶像崇拝を行なっていました。また、ユダの人々は、バアル崇拝のために、自分たちの子供を殺して、火で焼いて犠牲として捧げることさえしていました。(エレミヤ19:5)


そのような偶像崇拝のゆえに、エホバは、エレミヤを通し、ユダにバビロンを攻め来たらせることを告げられました。(エレミヤ32:28,29)そして、予告どおりユダの王朝は西暦前607年にバビロンによって倒され、エルサレムは、壊滅させられました。エホバがエレミヤを通して予告された通りでした。


今日もエホバは偶像崇拝に不興を示されます。今日どんな偶像崇拝がありますか。マリア像やキリストの像に対する崇拝があります。また仏壇での先祖崇拝や、焼香などがあります。エホバ神の代わりに国家を神として崇拝することも、偶像崇拝です。ですから、国旗崇拝や自国に対する忠誠の誓いも偶像崇拝の行為です。もちろん、神社で参拝したり、お寺で石や木や金属でできた像を拝むことも偶像崇拝です。クリスチャンでありながら、エホバ以外の神に崇拝を捧げることは、エホバの怒りを買うでしょう。



国家に対する忠誠の誓いー偶像崇拝



キリストの像に対する偶像崇拝

聖書の神を国家として崇拝すると自称する大いなるバビロンが、緋色の野獣と諸国家によって総攻撃を受けることは、大いなるバビロンが偶像崇拝を行なっていることに対するエホバの不興の表れでもあります。大いなるバビロンは特に自国を崇拝することにより、偶像崇拝を行なっています。(啓示17:5)


私たちは偶像崇拝を避けることによって、昔のユダに起こったことから教訓を学びましょう。偶像崇拝を避け、エホバの是認を求めていきましょう。

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