詩編79編・神の僕の流された血に対する復しゅうが行なわれる

「あなたの僕たちの流された血に対する復しゅうが、諸国民の中で、わたしたちの目の前で知らされますように。」(詩編79:10)

詩編79編の中で、詩編作者は、神の僕たちの流された血に対する復しゅうが行なわれるようにと願い求めています。(詩編79:10)この願いはどのような背景でなされたのでしょうか。過去にエホバが、神の僕の流された血に対する復しゅうが行なわれたことは、現代に何を示唆しているでしょうか。


詩編79編10節のエホバへの願いは、なぜなされたのでしょうか。それは、西暦前607年にエルサレムがバビロンによって壊滅させられた時に、エホバの律法に対して忠節な者たちも命を失ったからです。


詩編79編2,3節によると、諸国民は、「あなたの忠節な者たちの肉を地の野獣に与えました。彼らはそれらの者の血を水のようにとエルサレムの周囲に注ぎ出しました。」述べられています。


それゆえに、詩編作者は、詩編79編6節の中で、エホバの激しい怒りを「あなたのみ名を呼び求めなかったもろもろの王国の上に注ぎ出してください。」と祈り求めています。


この詩編79編は、誰によっていつ書かれたのでしょうか。詩編79編の前書きは、「アサフの調べ」となっています。この「アサフ」はエルサレムが滅ぼされた後、バビロンに捕らわれの状態になっていたアサフの子孫だと考えられます。


なぜなら、詩編79編1節は、諸国民が「あなたの聖なる神殿を汚し、エルサレムを廃墟の山としました。」と述べています。また詩編79編11節では、「捕らわれ人の溜め息があなたのみ前に届きますように。」と詩編作者は祈っています。ですから、詩編作者は、バビロンがエルサレムを廃墟とした後、エルサレムからバビロンまで「捕らわれ人」として連れて行かれていたのでしょう。


神の僕の流された血に対する復しゅうが行なわれるようにという詩編作者の祈りは聞かれました。西暦前539年にペルシャ人の司令官キュロスは、戦うことなく、バビロンに入場し、バビロンを倒しました。その時、神に忠節なイスラエル人たちの血を流したバビロニア人に対する復しゅうが行なわれました。


同様に、聖書は将来、神の民に対して、大いなるバビロンが流血を伴う迫害を行なうことを予告し、流された神の僕たちの血に対する復しゅうをエホバが行なわれることを予告しています。(啓示17:6;18:20,24)神の民の血を流すことは、大いなるバビロンに対する諸国家による攻撃と彼女の徹底的な滅びという結果を招きます。(啓示17:16)しかし、大いなるバビロンが神の民を保護し、寛大に扱うならば、そうしたことは、いつまでたっても起こらないでしょう。


ウィキペディアによると、アメリカの徴兵制は1973年1月にベトナム戦争の和平協定成立時に廃止され、1975年3月には選抜徴兵登録も廃止されました。しかし、1980年7月に選抜徴兵法が制定され、18歳−25歳のアメリカ国民の男性と永住外国人の男性に連邦選抜徴兵登録庁への徴兵登録が義務化されているそうです。そして、連邦選抜徴兵登録庁への未登録者は5年以下の禁固または250000ドル以下の罰金を科される可能性があり、連邦政府機関への就職が認められず、連邦政府からの奨学金を受けることができないとのことです。


しかし、徴兵登録から、徴兵に及ぶには、上下両院の議決と大統領のサインが必要となります。ここの部分が現在では整備されていないため、登録しても徴兵される可能性は全くありません。しかし、将来的にこの部分の法整備が絶対なされないという保証はありません。登録率は90%ということですから、非登録者も大勢いるようです。それらの人たちがどのような処罰を実際に受けているかは実情はわかりません。一応、そう多くはない罰金で済んでいるのではないかと考えられています。情報を知っている方は教えてください。



アメリ連邦議会議事堂


徴兵制復活を主張する連邦議会議員は2004年に一般的徴兵法案を連邦議会に提出し、下院本会議で採決した結果、賛成2票 - 反対402票で否決され、上院では委員会審議を通過できず本会議での審議・票決には至らなかったそうです。ですから、近い将来、強制的な徴兵制度がアメリカで行なわれる可能性は低いようです。



現時点では、アメリカで、無差別で強制的な徴兵は行なわれていませんから、宗教的な理由による良心的兵役拒否者は、政府からの非道な扱いは免れていると考えられます。良心的兵役拒否者が迫害されない状況が続くように望みます。そうすれば、大患難は生じないことでしょう。


過去において忠節な神の民の不当に流された血に対して、エホバが復しゅうされたことを思いにとめておくことができます。それは大いなるバビロンに対する警告になります。


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