エゼキエル6章・イスラエルの比ゆ的な淫行−偶像崇拝

「それは,わたしからそれて行った彼らの淫行の心と,その糞像を慕って淫行のために行く彼らの目とのゆえに,わたしが砕かれてしまったからである。」(エゼキエル6:9)


エゼキエル6章には、イスラエルが比ゆ的な淫行を行なったことが述べられています。これは、何を意味しているでしょうか。このことは、淫行を犯す大娼婦大いなるバビロンが何を行うことを示しているでしょうか。


国家であるイスラエルが淫行を犯す場合、文字通りの結婚関係以外の不義の性関係を意味してはいません。そこでは、「その糞像を慕って淫行のために行く」と述べられていることから、比ゆ的な淫行とは糞像を慕うこと、すなわち偶像崇拝であることが分かります。


エホバは、西暦前1513年イスラエル人にモーセの律法契約を与えました。その契約のゆえに、エホバはご自分とイスラエル人が結婚関係にあると描写されました。ご自分を夫、イスラエル人を妻と呼ばれました。(イザヤ54:5,6)そのような比ゆ的な結婚関係にある者としてエホバはイスラエル人にご自分だけを神として崇拝することを求められました。(出エジプト20:3-5)


それで、イスラエル人がエホバではなく、偶像を神として崇拝することは、比ゆ的な淫行と言うことができました。そして、イスラエル人が偶像を崇拝することは、エホバの目に「姦淫」、また「売春」とも言えました。(エレミヤ3:2,9)


これらの記述は、啓示の書に登場する大いなるバビロンが行なっていることに対して理解の光を投じます。大いなるバビロンは、「淫行」を犯していると述べられています。(啓示14:8)そもそも、大いなるバビロンは、聖書の神を崇拝していると自称しています。ですから、その大いなるバビロンが淫行を犯しているとは、彼女が偶像崇拝をしたり、他の諸国家に頼ったりすることによって比ゆ的な淫行を犯すことを意味しています。(啓示14:8)


彼女は何を偶像として崇拝しているのでしょうか。まず、聖書は大いなるバビロンが自らを崇拝していることを示しています。(啓示17:5)大いなるバビロンは、自らの国家を崇拝しています。


たとえば、1990年代半ばの世論調査によると、「自分の国が優れていると思うか」との設問に対して、アメリカ成人の75%が、肯定的な回答をしています。この割合はイギリス、フランス、旧西ドイツでは54%、35%、20%です。また、アメリカの若者の間では、98%が自分の国を誇りに思っています。イギリス、フランス、旧西ドイツの若者ではそれぞれ58%、80%、65%です。


アメリカ合衆国の街角では祝日でなくても国旗すなわち星条旗をよく見かけます。またアメリカ合衆国では南北戦争の後に、公立学校で毎朝、星条旗に向かって起立し、右手を左胸に置き、忠誠を誓う習慣があります。



‘All inclusive’ Super Park opens to the community, Camp Humphreys, 113011
by USAG-Humphreys
アメリカでは小学生が国家に対する忠誠を誓う−国家への偶像崇拝が見られる

それで、昔イスラエルとユダがその偶像崇拝、すなわち比ゆ的な淫行のゆえに、エホバから裁かれてしまったように、大いなるバビロンも、将来、その偶像崇拝すなわち比ゆ的な淫行のゆえに裁かれてしまうことになります。(啓示18:2,3)


しかしながら、啓示の書で大いなるバビロンを描写する重要な特徴である神の民に対する迫害と流血は、アメリカ合衆国で見られないと思います。(啓示17:6)それで、アメリカ合衆国が神の民に対して保護を差し伸べる限り、大いなるバビロンアメリカ合衆国に対する裁きはもたらされないと思います。

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