箴言12章・来るべき食糧不足に備える(2)

「自分の土地を耕す者は自らパンに満ち足り(る)」(箴言12:11)


先回、イエスの予告された世界的な食糧不足がいつ起こるか、何を意味するかを調べました。それは、「箴言12章・来るべき食料不足に備える(1)」にアップしました。


今回、どうすれば、未曾有の食糧不足を首尾よく生き残ることができるかということを調べましょう。冒頭の箴言の助言によると、食事をするためには、農業をする必要があります。自分の農地を耕して作物を生産するならば、少なくとも飢えないですみます。


この箴言12章11節の言葉と同じ考えが、箴言28章19節でも繰り返されており、「自分の土地を耕している人はパンに満ちたり(る)」と述べられています。自給自足の大切さが強調されています。ですから、イエスの予告された大患難に伴う食糧不足に備える唯一の方法は、農業をすることだと言えます。



Seedling day at the Farm by Carly & Art
将来の食糧不足に備える唯一の方法は農業をすること



農業をしても、あまりお金をもうけることはできないのではないでょうか。その通りです。日本の産業別の収入の統計によると、農業従事者の平均収入は非常に低く、他の産業従事者の何分の一にもなっています。しかし、箴言の言葉は次のようにも述べています。「資力の乏しい者たちの耕地は多くの食物を産する。」(箴言13:23)資力は乏しいかもしれませんが、食物に関しては事欠くことはないでしょう。


大患難の時には、戦争のために農地が荒廃し農業が行なわれなくなります。また諸国家の戦争のために、輸出入は途絶することでしょう。とりわけ国民の食物を輸入に頼っている国家は、世界的な食糧不足の時、悲惨なことになるでしょう。食物を食べられるか食べられないかが命を左右する時、自分の生産した食物は非常に価値あるものになるのではないでしょうか。


エスは、新しい国際組織がエホバの民を初めとした諸宗教を統制するのを見たなら、山に逃げるようにと助言しているようです。(マタイ24:15)その組織は、北の王によって設立される新しい国際連合の組織でしょう。(ダニエル11:31)それは、大患難が始まる前兆です。その時、イエスの助言によると、クリスチャンは山に逃げなければなりません。山に逃げた人たちはどうすればいいのでしょうか。


箴言はこう答えています。「怠惰な者は欲しがってはいるが、その魂は何も得ない。しかし、勤勉な者たちの魂は肥える。」(箴言13:4)ですから、救援を待つのではなく、勤勉に農業をすることが必要です。


箴言はまたこのようにも助言しています。「ありには司令官も、つかさも、支配者もいないが、夏の間に、その食物を備え、収穫の時にその食糧を集めた。」(箴言6:7,8;30:25)ですから、もし大患難が起こる前に、余裕をもって早めに山に逃れた人々は、大患難に備えて食糧を生産し、蓄えておくことができるでしょう。そうすれば大患難が勃発した時に、窮乏している人々に分け与えることもできるでしょう。


便利な生活に慣れた現代人にとって、農業をすることはおっくうに感じられるかもしれませんが、箴言の助言は、将来農業をすることによって私たちの命をつなぐことになることを示しています。私たちは箴言の知恵の言葉に従うならば自らの命を救うことができるでしょう。


ブラジルの日系移民の農家は、混植つまり同じ場所に異なった種類の作物を植えつけることにより、害虫に強い環境を作り、できるだけ農薬を使わず、多種類の作物により安定した収入を得ているということです。また、ブータンは完全有機農業化に取り組んでいます。有機農業製品は、安全なので、通常農薬を使った作物よりも、商品価値があるということです。



WONDERFULL BHUTAN (118) by rajkumar1220
山岳国ブータンでは100%有機農業化を目指している


また、発展途上国でも、その地域に適した作物を複数混植することにより農薬を使わない農業をしているということです。どんな方法がうまくいくかは、知識と技術が求められるでしょう。農業をするにしても、少しでも安定した収入が得られるよう、そうした取り組みから学べると思います。


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