うつ病(12)−神に依存する必要を認める

私たち人間は、自分よりも偉大な超自然的な存在に頼る必要を持っています。このことを認めることは大切です。人間はいつも支え、助け、安らぎを必要としています。人間が持っている心の穴は自分では埋めることはできません。それを埋めることができるのは神だけです。詩編作者は、神を「避け所」、心を注ぎ出すことのできる「避難所」、「助け」、「支え」と呼び、神が「安らぎ」を与えてくださると述べました。(詩編46:1;18:18;55:18)


そして、その穴を神以外のもので、埋めようとすると、私たちは失望させられます。例えば、聖書は、「富に依り頼む者」は「倒れる」と述べています。(箴言11:28)また、聖書は、「高貴な者」や「地の人の子」に信頼を置いたとしても、人は、いつか「地面に帰る」と述べています。(詩編118:8,9;146:3,4)頼るべきものが見つからなかったり、間違ったものに依存したりするならば、うつ病になってしまいます。


聖書は人間を一時的に存在するはかない花や青草に例えています。(詩編90:5,6;103:15。ヨブ14:1,2)人間はいつでも死ぬ可能性があります。(ヤコブ4:14)人間は、身体的にもとても弱い存在です。イエスは、私たちは、「霊ははやっても,肉体は弱い」と言われました。(マタイ26:41)人間がはかなく弱いのは、人間本来の姿です。人間の真実の姿を直視する時に、人間が永遠に存在している何か、神に頼りたいと考えるのは、人間が抱く当然の感情です。(詩編146:3−6)



聖書は人をはかない花に例えています
人間は神に頼るべきはかない存在です



人間は、神から独立して永遠に生き続けることはできません。(詩編73:27)人間は神に依存しないならば、年寄りだけでなく、若者でも勢いを失ってしまいます。(イザヤ40:30)人間は、永遠に神に支えていただく必要があります。

一方、聖書は、神に信仰を抱いていたアブラハムが年老いても、満足していたと述べています。(創世記25:8)アブラハムが年老いても満足していたのは、「真の土台を持つ都市」すなわち神の王国のもとで将来の復活の希望があることを知っていたからです。(ヘブライ11:10)神が私たちに復活を約束してくださっていることは、さらに一層私たちが、エホバに頼るべき理由になります。


WHO(2009年)のデータによると一般的に無神論旧ソ連諸国や日本では自殺率が高いです。その自殺率の高さには、さまざまな身体的要因があると考えられますが、頼るべき神を持っていないことも、その自殺率の高さを説明するでしょう。反対に、多くの人が神の存在を信じている南米やイスラム教圏で自殺率が低い傾向があることも説明するものともなるでしょう。ある統計で世界で最も自殺率が低い国は、その95%がキリスト教で最近地震が起きたことで有名な中南米の国ハイチです。確かに、神に対する信仰を持つ人々は、ある程度苦難やストレスにも強く、楽観的でいられるでしょう。


エホバはとりわけ、「心の打ち砕かれた」人、「打ちひしがれた」人、「倒れてゆくすべての」人、すなわちうつ状態にある人の近くにおられることを聖書は示しています。(詩編34:18;145:14;147:3)うつ状態にある人は、人間が神に依存する必要を持っているという真理を認めやすい立場にあります。それで、イエスは「嘆き悲しむ人たちは幸いです」と言われたのかもしれません。(マタイ5:4)


聖書は、エホバがご自分との親密な交友を人間に差し伸べておられることを示しています。(詩編25:14)エホバはご自分に頼るよう勧めておられます。(詩編4:5)それで、常に人ではなく、神に祈りによって頼りましょう。エホバの言葉聖書を心に取り入れて、エホバとの親しい関係を築いていきましょう。是非、「エホバの口から出るすべてのことば」に人間が依存していることを認めましょう。(マタイ4:4)それは、私たち人間が本来あるべき姿です。




prayer man by S. Reachers
神に祈りによって頼ることは人間本来あるべき姿です



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