ルカ17章・飾りの地や日の出は大患難をどのように生き残るか


「その日、屋上にいる人は、家財が家の中にあっても、それを取りに下りてはならず、野に出ている人も、後ろのものに戻ってはなりません。ロトの妻のことを思い出しなさい。」(ルカ17:31,32)


今回は、大患難の前に逃げるにあたって覚えておくべき点を取り上げたいと思います。イエスは荒廃をもたらす嫌悪すべきものが聖なる場所に立っているのを見かけるなら、その時、ユダヤにいる者は山に逃げ始めなさいと言われました。(マタイ24:15,16。マルコ13:14)その時は、屋上にいる人は降りてはなりませんでした。(マルコ13:15。マタイ24:17。ルカ17:31)また、「野に出ている人」に後ろに戻らないようにと言われました。(マルコ13:16)このイエスの言葉は何を意味しますか。



The Siege and Destruction of Jerusalem by the Romans Under the Command of Titus, A.D. 70, Oil on canvas
一世紀には荒廃をもたらすものローマ軍がエルサレムの神殿という聖なる場所を攻撃した


ダニエル11章には、北の王が、南の王と飾りの地とその他の多くの土地に対して最終的な総攻撃を加えることが預言されています。(ダニエル11:40,41)イエスが言われた「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が「聖なる場所」に立っているという出来事は、歴史上起きたことがないような「大患難」が生じる前兆です。(マタイ24:15,16,21。マルコ13:14)


ダニエル8章には、「小さな角」の北の王が攻撃する三つの土地があり、「南」と「日の出の方」と「飾りとなる所」となっています。(ダニエル8:9)大患難の時、「飾りの地」は北の王の攻撃を免れないようです。(ダニエル11:41) しかし、山に逃げて国民は生き残るようです。(ダニエル11:45)それから「日の出」の土地は、北の王の攻撃を受ける土地や免れる土地もあるようです。(ダニエル11:41,42)ですから、大患難の時、北の王の攻撃から逃れるために、山や野に逃げるべきなのは、「飾りの地」と「日の出」の土地です。


大いなるバビロンに住む人は、単に山に逃げても助かりません。大いなるバビロンは完全な滅びをこうむることになっているからです。(啓示17:16)大いなるバビロンに住む人は、その時には、もう国外に出ているべきです。(啓示18:4)その時に、国外に出て、山に逃げるというのは、難しいでしょう。迫害が始まる前に国外に出るべきです。


「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」とは、現在分かる範囲では、大患難の前に北の王によって設立される新しい国際組織です。それは、「聖なる場所」に立つことになっています。(マタイ24:15)ダニエル書では、北の王が「星の幾つか」を「地に落とし」、軍の君から「常供のもの」を取り去ることによって「聖なる場所」を「踏みにじる」ことが預言されています。(ダニエル8:10,11,13)それで、北の王に設立された組織が「聖なる場所」に立つとは、北の王が聖なる者たちの一部を滅ぼす、もしくは背教させて宣べ伝えることをやめさせることを意味しているのではないかと思います。(啓示6:13;12:4。ダニエル8:10,11; 11:31)


そうすることによって、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」と「北の王」は自らを神の立場に置く事でしょう。(マタイ24:15) ダニエル書の中でも、北の王が「自分を高め、・・・あらゆる神の上に高める」ようになることが預言されているので、北の王はおそらくあらゆる宗教を統制するのでしょう。(ダニエル11:36)


北の王と北の王によって設立される国際組織がそのような行動を取る時は、ぐずぐずせずに逃げるべき時だと言えます。それは、大患難が始まることを指し示す前兆だからです。


北の王の攻撃はどのようなものになるのでしょうか。ダニエル書の言葉使いによると、北の王の軍勢は、大量破壊兵器を使うというよりは、人海戦術をとるようです。なぜなら、「北の王は兵車と騎手と多くの船とをもって強襲する。・・・みなぎりあふれて通り行く。」と預言されているからです。(ダニエル11:40)



大患難の時北の王は人海戦術で南の王を攻撃します


しかし、啓示13章には、北の王を表す「子羊のような二本の角」がある「別の野獣」が「人類の前で火を天から地に下らせる」と預言されています。(啓示13:11,13)ですから、北の王は大患難まで南の王を何度か攻撃するどこかの時点で、核兵器などを使うのかもしれません。しかし、ダニエル11章の預言では、大患難の時に北の王は人海戦術をとって攻撃すると予告されているのですから、その時は北の王はおそらく核兵器などの大量破壊兵器を使わないでしょう。もし、大量破壊兵器を使うとしたら、南の王の土地は危険で侵入できないでしょうし、北の王の兵士を放射能で危険にさらすことになるでしょう。


おそらく、その時までに、大量破壊兵器をなくそうとする聖なる者たちや諸国家の努力がある程度成功しているのかもしれません。しかし、南の王が大量破壊兵器を所持しており、大患難までそれを使う可能性は否定できません。(啓示18:24)


エスは、前兆を見たら、屋上に留まり、家の下に降りないようにと勧めておられます。(マルコ13:15,16)これには、理由があると思います。その時、屋上より下の家の家財が置いてある部屋は、攻め寄せる大勢の兵士によって略奪されるのかもしれません。あるいは、その時用いられる兵器が、家の中の下の方だと危険になるというな兵器になるのかもしれません。それで、大患難の時、おそらく屋上にいるようにすればより安全なのでしょう。すると、屋上を持つ家の方がより安全だということになります。



Rooftop Garden 2 by garryknight
大患難の時山や田舎の家の屋上にとどまるようイエスは助言されました

私は、以前大患難の時に、「奥の部屋」つまり個人の私室であれば、安全であると考えていしましたが、以前の私の解釈で既に行動した方がいらしたらすみませんでした。


さらに、イエスは、その時、「野にいる人」は家に帰ることがないようにと言われています。(マタイ24:18。マルコ13:16)「野」とは何を意味するでしょうか。野とは自然の豊かな「田舎」です。(マタイ6:28)野にいる人が後ろに戻ってはならないとは、家財や衣類を手に入れるために田舎から都会の家に戻ることを禁じているでしょう。(ルカ21:21)


また、イエスは都に入らないようにと言っておられるので、逃れる山や田舎は、人口密集地であってはならないことになります。(マルコ13:15)


また、イエスは、家の中に入らないようにとさえ、勧めておられます。(マルコ13:15。マタイ24:18)ですから、山や田舎で、屋上のない家に住んでいる場合は、屋外の方が安全なのかもしれません。


エスが、ロトの妻のことを指摘されたことは、前兆があった時逃げる時は、一刻も無駄にせず、懸命に逃げるべきであり、都会の家の中にある家財のために時間を取られないようにということを勧めておられるのでしょう。聖書は大いなるバビロンの滅びが「一日のうちに」、つまりきわめて短期間に生じると述べています。(啓示18:8)都会の住居をきちんと処分するのは、時間がかかると思います。その時、そうすることに手間取る余裕はないのでしょう。



Warned by God to flee the destruction of Sodom, Lot's wife looked back longingly and turned into a pillar of salt (Genesis 19:1-23).
ソドムから振り返らないで逃げるよう命令された時ロトの妻は振りかえって塩の柱になって滅びてしまった


では、今、都会に住んでいるならどうしたら良いでしょうか。聖書は、災いを前途に見るならば、前もって「身を隠す」ように勧めています。(箴言22:3)ですから、大患難の直前になって行動するよりも、前もって山に移動している方が賢明であると言えます。お金の余裕のある人は山間部に土地や家を買っておくこともできます。そのようにして、前もって大患難の前に準備をしておくことができます。


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