核兵器を戦争に用いるべきですか

核兵器は大変非人道的な兵器です。核爆弾は、軍人も無実の一般市民も無差別に殺害します。なぜ戦争の際にとりわけ核兵器を使うべきではないのでしょうか。


確かに、政府には、悪行者をならわし者に復しゅうするために「剣」を用いることが認められています。しかし、とりわけ核兵器を使うべきでないのは、核兵器は、兵士だけでなく多くの一般市民の命を奪うからです。そして、聖書の神エホバは、人々の血を無差別に大量に流すことに反対されています。


昔、アッシリア帝国は、周囲の諸国家を攻撃して大量の死者を出しました。(イザヤ37:12,13)アッシリアが行ったことについて、「討ち殺された多数の者,大量の死がい。死体は果てしなく続く。彼らはその死体の中で幾度もつまずく。」と描写されています。(ナホム3:3)確かに、アッシリアは兵士だけでなく、一般市民の命も大量に奪いました。それでエホバはアッシリアを「流血の都市」と呼び、敵対されました。(ナホム3:1)


Archers on Bas-Relief from Sennacherib's Palace by Averain(Nineveh1)
アッシリアの王の宮殿の射手の浮き彫り
アッシリアは残忍な軍事強国で大量の血を流した


アッシリアはその軍事行動のゆえに無敵であると見えたかもしれません。しかし、「エホバが[アッシリア]の上にご自分の懲罰の棒を振り下ろす」と予告され、それは成就しました。(イザヤ30:32)アッシリアは、その大量の流血のゆえに、バビロンによって倒されてしまいました。ニネベは、がれきの山になりました。残忍なアッシリア帝国は永久に滅びてしまいました。


また、古代バビロンが滅ぼされたのも、バビロンが無差別に多くの無実の血を流したからです。バビロンは、昔神の僕であったイスラエル人だけでなく、全地でおおぜいの者たちを打ち殺しました。(エレミヤ 51:49)エレミヤはバビロンについてこう預言しました。「エホバの憤りのゆえに,そこに人が住むことはなくなり,ことごとく必ず荒れ果てた所となる。」難攻不落に見えた「バビロン」は「石の山,ジャッカルの巣穴……となり,……住む人もいなくなり」ました。(エレミヤ 50:13; 51:37)



Babylon in 1932(babylon1932)
1932年のバビロン−バビロンはその流血のために石の山になった


それで、エホバは昔、無差別に大量に人々の命の血を流した、アッシリアとバビロンを滅ぼしてしまわれました。このことは、今日、エホバ神が人々の命を無差別に大量に奪う非人道的な核兵器に反対されることを示しています。


アメリカなど諸国家は、核融合エネルギーを用いた兵器を開発しようとしています。レーザーを用いるならターゲットに絞って攻撃できると考えるかもしれません。しかし、核融合を用いる兵器も、プラズマから強烈な中性子線が放射されます。核融合炉から放出される中性子線は、核融合炉の壁でさえ損なうと言われています。ですから、核融合エネルギーを用いる武器またプラズマ武器も、武器を用いる兵士の命も危険にするでしょう。また核融合兵器は、通常の核兵器と同様に、危険な放射線を環境に放出し環境を汚染するでしょう。


諸国家は、核融合によって高出力のエネルギーを取り出せると考えるかもしれません。日本では、核融合研究の中心は日本原子力研究所と、核融合科学研究所などです。


しかし、原発の開発が原爆の開発につながるように、核融合炉の開発も、核融合エネルギーを用いた兵器の開発につながります。そして、核融合炉は現時点で巨大な施設が必要ですから、巨額な投資が必要になります。また、原発も事故が起こるように、核融合炉も事故が起こって、環境に甚大な被害をもたらす可能性があります。また、通常の原発と同様に核廃棄物を生じます。安全な再生可能エネルギーの開発に資金を投じるべきです。



Nuclear Fusion Reactor by jurvetson(fusionreactor)
核融合炉は核兵器の開発につながり環境を汚染する可能性がある


また、聖書は、北の王と南の王が互いに戦いあうこと、最終的に北の王が南の王を総攻撃をかけて大患難が生じることを予告しています。イエスによると、大患難は、何の努力もしないならば、「肉なる者はだれも救われない」危険があります。(マタイ24:22) もし、北の王と南の王が大患難の際に、所構わず膨大な量の核兵器を使うならばどういう結果になるでしょうか。全人類が滅びかねません。


もし、南の王が核兵器を使うならば、北の王も核兵器を使う可能性があるでしょう。また、北の王が、核兵器を使うとしたらどうでしょうか。南の王も報復のために核兵器を使うでしょう。核爆発は、非常に多くの人々を即座に殺すにとどまりません。その後何十年にもわたって環境を放射能で汚染し、生き残った人々の死亡率を高くし、人口が減少していきます。


もし、大患難の時に、北の王も南の王も核兵器を使うならば、地球全体で広範囲にわたる土地が、放射能の影響を受け何十年にもわたって住むにふさわしくない土地になります。この地球は人が「住むために形造られ」ていますから、地球が人の住みかとしてふさわしい所であるのは神のご意志です。(イザヤ45:18)


啓示の書によると、「すべての国民と部族と民と国語の中から来た、だれも数えつくすことのできない大群衆」が「大患難から出て来る」と述べられています。(啓示7:9,14) それらの人々は、大患難が勃発する前に、全世界で山や野に逃れます。その数え切れない大群衆は、山や田舎に存在する、国際紛争や流血にかかわることのない人々です。(マタイ24:15,16,18)数え切れない大群衆が大患難を生き残ることは、エホバのご意志です。それらの人々は、生き続けるに価します。



Crowd by James Cridland(greatcrowd)
エホバのご意志は数え切れない大群衆が大患難を生き残ること


それで、北の王も南の王もまた他の政治指導者も戦争の際、核兵器を使うことを避けることによって、罪のない一般市民を生き残らせるよう行動するようにお願いしたいと思います。そのようにして大患難と戦争によって全人類が絶滅してしまわないように取り計らってくださるようにお願い致します。
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