うつ病(13)−薬や医師にどこまで頼れるか

               治療をすることによって多くの人が回復する


うつ病は、治療をすると治るのでしょうか。ウィキペディアによると、日本での研究では、6か月程度の治療で回復する症例が、50パーセント程度であるとされています。しかし、20パーセント程度は、1年以上うつ状態が続くとも言われます。また、一旦回復した後にも、うつ病を繰り返す症例もあります。


しかしながら、半分の人が病院での治療によって回復しているということは、専門家の助けを求めることが賢明であることを示していると思います。ネットの中では、繰り返し自殺を図る程の重症のうつ病であったにもかかわらず、医師の言う通り、薬を服用し続けた結果、うつ病が完治したという経験も載せられていました。しかしながら、病院の治療によって治らないケースもあります。


                     薬で治る場合と治らない場合


本人の性格や考え方に起因していない、脳内の神経伝達物質の働きが悪くなっていることが原因のうつ病は、抗うつ剤がよく効きます。その場合の、基本的な治療法は、薬を服用して、十分な休養をとって回復を待つことであるとされています。その場合のうつ状態は、“気の持ちよう”や “努力”などで変えられるものではないと言われています。


しかし、本人の考え方や現在の環境が原因でうつになっている場合、抗うつ剤は効きません。その場合は、考え方を調整したり、本人の環境を変えたりする必要があります。                
                                                                                           抗うつ剤の副作用


薬剤被害者や家族でつくる「精神医療被害」を訴える組織がありますが、その組織の主張によると、抗うつ剤によってうつ病が重症化し、自殺に至る例もあるそうです。


薬は問題を複雑化・深刻化する


ウィキペディアによると、ある抗うつ剤の販売によってうつ病患者が増加したという統計があるそうです。米国は、そうした抗うつ剤について警告を発しています。ウィキペディアによると、抗うつ剤によっては、投与直後から、自殺の傾向を高める危険性があるということです。その危険性はとりわけ子供や若者の場合、高くなります。また、抗うつ薬の服用量の増量でも減量でも、自殺の危険性が高くなることがあります。アメリカ食品医薬品局は、すべてのSSRIに、子供と若年者における自殺率を高くするという黒枠警告文を命じました。



Antidepressant by Leonid Mamchenkov (Antidepressant)
抗うつ剤によっては自殺の危険性を高めます



しかし、米国ではFDAの警告以降に若年者の自殺死者数が増加しているため、若年者の抗うつ薬治療が少なくなり、結果として自殺者が増えたのではないかと心配されています。


また、抗うつ薬は、さまざまな副作用が伴います。例えば、肥満、不眠、性機能障害、2型糖尿病の危険性の増加などがあります。不眠のために、長期間抗うつ薬を服用している人の疲労が増す場合があります。



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抗うつ剤の副作用の体重増加はよく知られています



Insomnia by Alyssa L. Miller(insomnia1)
抗うつ剤の副作用によって夜眠れなく人も多いです


多くの抗うつ薬は、通常は5〜25キログラムの範囲で、体重増加が見られるということです。さらに他者に暴力を加える危険性が抗うつ剤によっては非常に高くなる場合があります。服用者の年齢が下がるほどその傾向は高くなります。



Lyle & Mike I by Homini:) (fight1)
抗うつ剤で暴力を振るう危険性が高くなると言われています


また、パロキセチンパキシル)や、セルトラリンゾロフト)など、急に服薬を中止した場合、離脱症状を生じさせる可能性があります。


向精神薬の大量処方や不適切な診断で、病状が悪化してしまう例があるそうです。その場合は、副作用が大きくなるかもしれません。しかし、医師の不勉強のため、また、その方が診療報酬が高くなるため、医師が薬剤投与に頼る傾向があると言われています。


厚生労働省は2010年、「向精神薬の飲み過ぎが自殺につな がっている可能性がある」として、日本医師会医療機関に長期、多量の処方の注意を呼び掛けたということです。


2010年には、精神科領域の4学会により、医師に対して不適切な多剤大量処方に対する注意喚起がなされたそうです。それによると、軽症うつ病の場合、安易な薬物療法は避けるべきであり、重症、中症うつ病の場合、1種類の抗うつ薬の使用を基本とし、十分な量の抗うつ薬を十分な期間に渡って投与すべきであるとのことです。私は、うつ病の医学的治療について専門家ではありませんが、専門家のうつ病学会が一種類の薬物で治療することを勧めていることは、考慮に価すると思います。また、米国では1種類または2種類の薬で治療する単剤処方が基本とされているそうです。


それで、副作用に関する十分な説明もない場合は、その医師は、自分が投与している薬について不勉強かもしれません。


また、近年うつ病が増えているのは、近年出された抗うつ剤が原因であると分析する精神科医さえいます。統計的に見ると1999年〜2005年の間に鬱の患者が二倍に増えています。この1999年と言う年はSSRIと言う抗鬱薬が日本に導入された年です。そして、非定型的鬱病患者の急増とSSRIの売れ行きには正の相関関係があります。本来なら負の相関関係になければなりません。


なぜうつ病の人が増えたのか 」2009年


このことは、自分のかかっている病院が複数の薬を大量に出している場合、それが果たして効果的か疑う理由となるかもしれません。薬を盲信しないことが必要です。副作用の説明も十分に受け、症状がかえって悪くなったと思ったら、薬を変えてもらうことや減らしてもらうことも必要です。また、かかっている病院を変える方が賢明な場合もあるかもしれません。


しかし、実際に抗うつ剤が効果的で、うつ病を治すケースも実際にあるのですから、薬を用いることについての柔軟性のある取り組みが必要だと言えます。

ウィキペディアは、薬物以外の治療法の例として次のものを挙げています。
· 認知療法・行動療法
· カウンセリング
· 電気けいれん療法(ECT)
· ソーシャル・スキルの習得
· 運動療法
· 趣味などによる欲求の健全な解消法の習得
· 音楽療法
· セント・ジョーンズ・ワート等ハーブの利用
ウィキペディア抗うつ薬



食事を手軽な冷凍食品や栄養価の少ないレトルト食品、ファーストフード、コンビニの惣菜、スナックで済ませようとすると栄養状態が悪くなってうつ症状が出てくる場合があると思います。上記以外で安全で有効な方法として、料理に時間をとり、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの微量元素の多い食事をとることがあります。また、砂風呂などで毒物を体外に排出する方法があると思います。また、家族関係や友人関係などの人間関係を良くする努力も必要です。


エスは病人には医者が必要だと言われました。(マルコ2:17)しかし、一世紀に自分の病気のためにさまざまな医者にかかり資産を使い果たしても、かえって症状が悪くなった女性もいたことを聖書は記録しています。(マルコ5:28,29)


聖書は、人に過度に頼っても失望させられる場合があることを述べ、天と地の創造者エホバに頼るのが賢明であることを示しています。(詩編118:8,9;146:3−5)それで、聖書の知識を取り入れ信仰を成長させ、祈りによってエホバに頼りましょう。また、聖書の差し伸べる将来の希望に注意を集中しましょう。薬や医師には、慎重に頼るようにしましょう。



信仰を成長させエホバ神に祈りによって頼りましょう


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