核実験や原発をやめるべき理由・アメリカ

 国家は、核兵器を開発するために核実験を行います。しかし、核実験によって、人々の健康に非常に大きなダメージを与え、それは自国と他国の国民を殺す結果になります。また、原発の通常運転も、人々の死亡率を高くします。


 神は、政府が自分の国民にどのような扱いをするかを見ておられます。政府は、自国の国民を殺すようなことをすべきではありません。昔、エホバは、バビロンが「自分の地を滅びに陥れ,自分の民を殺した」と述べてバビロンを非難されました。(イザヤ14:20)  


 そのためもあり、エホバ神は、バビロンに敵対され、バビロンに滅びを宣告されました。(イザヤ14:22)そして、バビロンは、メディア・ペルシャの前に倒れ、「石の山」になって「住む人もいなくな(って)」しまいました。(エレミヤ51:37)




Religion in the Home (Part 5) -- Chart of the country round Babylon with limits of the ancient city (according to Oppert)  (babylon4)
古代バビロンの跡地の地図−バビロンは自国の民も殺したので滅ぼされ石の山になりました

 

 ですから、自国であれ他国であれ人々の命を奪うなら、その国家は滅びる結果になるかもしれません。アメリカ合衆国が行った核実験と原発の稼働が人々にどのような影響を与えているかを見てみたいと思います。


 アメリカは、核実験のために自国に大きなダメージを与えていたことを示す研究があります。ピッツバーグ医科大学放射線科の放射線物理学名誉教授アーネスト・スターングラス博士は、放射性降下物と原子炉核廃棄物による健康に対する広範囲な医学的影響調査を行い、その結果をアメリカ議会で発表しました。


核実験の後、アメリカの子どもたちにどのような影響があったのか



 著書に「低レベル放射能」(1972年)、「隠された放射性降下物」(1981年)などがあります。 博士は、アメリカとソ連が核実験を繰り返していた冷戦当時、核実験の死の灰(放射性降下物質)による放射線の影響で世界の子どもたちの白血病やガンが急増している事実を議会で報告しました。


 博士が低レベルの放射線でも、人体に悪影響があるのを気づいたのは、イギリスのスチュワート博士の論文からでした。スチュワート博士は、癌や白血病の子供のお母さんたちが妊娠中にエックス線を浴びていたことを見出しました。大人では、害のない放射線であっても、胎児には100倍も悪影響が大きくなり、癌の発生率が倍増することが分かりました。スチュワート博士の論文は、議会の公聴会で報告されました。スターングラス博士は、低レベル放射線の影響を調べ始めました。



Human Fetus, Five Months by Ryan Somma (fetus3)
母親の胎内の胎児は大人よりも100倍も放射能に弱いのです

 
 スターングラス博士は、乳児の死亡率を調べて、ネバダの核実験が始まるまでは、死亡率が下降していましたが、その後核実験のたびに死亡率が上昇したことを見出しました。そして、これは米ソ英による大気核実験停止条約が締結される1963年まで続きました。



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核実験をすれば乳児の死亡率が高くなります



 スターングラス博士は、核実験を止めないと世界中の子どもたちにガンや白血病が発生することになるとサイエンス誌で警告しました。そして、博士は議会で証言を行いました。ハーバード大学のブライアン・マクマーン博士がスチュワート博士と同じ研究をアメリカ国内で行っていて、同様な結果を得ていました。 そして、核実験禁止条約が議会の上院で承認されました。
 

 核実験が中止されてから、乳児死亡率が下がりました。しかし、その後、アメリカでスリーマイル島事故が起こりました。それから、1986年にチェルノブイリ事故が起こりました。 その結果、低体重の乳児が増えました。低体重で生まれた子供は、知的および肉体的な問題を抱えます。そして、乳児の低体重率は、原発の稼働と事故のために、核実験が行われていた時期と同じく悪くなってしまいました。




Infant by soupboy (infant)
原発事故による放射能によって子供は知的精神的障害を抱える可能性が高くなります

 

 ですから、原子炉事故と原子力発電所の通常運転による放射性降下物の放出による悪影響が核実験の悪影響にとって代わり、乳児死亡率が高くなる結果になりました。


 アメリカでは、原子炉がない州では、乳児死亡率がベースラインに戻りましたが、原子炉がたくさんある州では、乳児死亡率がベースラインに戻りませんでした。ですから、原子炉の通常運転により発生する放射能が乳児死亡率に悪影響を与えることが分かります。



Vogtle nuclear power plant, Georgia, USA by BlatantWorld.com (nuclearreactorus)
原発の多い州は乳児死亡率が高くなります−原子炉の通常運転により乳児は死亡します



 また、子供の乳歯に含まれている放射性物質量も核実験禁止後、減少しましたが、大規模な原発の操業開始と共に増えています。また、癌になった子供に蓄積された放射性物質の量は癌にならない子供の倍でした。
 

 また、博士の調査によると、癌の死亡率は、原発からの距離が遠くなるのに比例して低くなります。


 また、コネチカット州での甲状腺癌の調査によると、癌の発生率は、医療の向上にもかかわらず、核実験中は増加し、核実験のピークから五年後に上昇しました。また、大きな原発が稼働し始めて五年後には、発生率が急激に増加しました。また、チェルノブイリの事故から五年後に大きな上昇がまた起こりました。
            

        核実験も原発放射能を放出し人々の命を奪うことになる
 

 アメリカが核実験を行なったり、核兵器を使用するならば、全世界の人々の命や環境を長期間にわたって損なってしまいます。また、原発の正常運転によって放出される放射能にも同様の悪影響があります。また、原発事故が起きれば、その悪影響は大きくなります。確実に、甲状腺癌、肺がん、すい臓がんなどの死亡者を増やします。
 

 また、放射能の悪影響は大人よりも胎児や乳児に何十倍も大きく、子供の精神的知的な発達を損ない、問題を持つ子供を増やします。


 アメリカがどこかで核実験をすること、また、原発を稼働することは、世界中の人々の健康だけでなく、自国の国民の命も損ないます。なぜなら、世界はつながっているからです。


 また、核実験や核兵器の使用は、全世界に及ぶ核戦争を引き起こし、敵味方にかかわらず、壊滅的な影響を及ぼし、人類の絶滅をもたらしかねません。しかし、「地を破滅させる」のは、神のご意志に反します。(啓示11:18)


 確かに、アメリカの大統領も過去に核実験を縮小する努力を払いました。例えば、1963年の部分的核実験禁止条約の締結と議会の批准があります。それは、ある程度、諸国家による核戦争の勃発の脅威を減らしました。


 ですから、核実験を行うことをやめ、核兵器を廃絶する努力を続けられるように大統領やその関係者にお願い致します。また、核兵器の製造にもつながり、原発事故も引き起こして人々の健康を損なう原発をもなくす努力をされるようにお願い致します。