進化論者の主張する適者生存が自然界に見られますか

 進化論者は、適者生存によって進化が起こったと主張します。進化論者は、生存に有利な特質がその生物を生き残らせたと主張しています。そして、環境に適応した生物が生き残って進化してきたと主張しています。


 例えば進化論者は、ライオンやトラやガゼルの速く走る能力が、それらを環境における適者とさせ、生存させてきたと主張するのです。そして、進化論者の主張するところによると、そうしたすぐれた能力は子孫に受け継がれてきたはずです。


 しかし、進化論者は、進化論の主張する生存に有利な能力がすべての子孫に伝わっていない点を説明することができません。
 

 例えば、サルは高等生物とされていますが、ライオンやトラのように早く走る能力を持っていません。もし、適者生存が起きているのであれば、サルや人間は、動物界で一番早く走ることができたでしょう。また、鳥のように空も飛べたかもしれませんし、魚のように水中で生存することができたでしょう。




Chimpanzee by Rennett Stowe (chimpanzee3)
適者生存が起きているのであればなぜチンパンジーはライオンのように早く走る能力がないのでしょう
なぜチンパンジーは鳥のように空を飛べないのでしょう


 
 進化論者は、サルに速く走る能力がないのは、進化の系統樹で行き止まりになったと言うかもしれません。どうして、行き止まりになるのでしょうか。なぜ生存に有利な能力が高等生物に受け継がれないのでしょうか。


 生存に有利な能力が受け継がれて進化が起きてきたとするなら、このことはおかしいことでしょう。それで、進化論者は、高等生物を適者生存とさせた特質がいろいろな動物にどうして受け継がれてきていないのかを説明できません。


実際は、さまざまな生物は他の生物から何らかの能力を受け継いではいないというのが事実です。さまざまな生物の間には、何のつながりもありません。生物は、おのおの異なった特徴と才能を与えられているというのが事実ではないでしょうか。


 自然界を観察するならば、進化論者の主張とは違って、自然界に存在しているのは、必ずしも他の生物と競争して生き残る能力にすぐれた生物だけでないことが分かります。そして、自然界に生存しているのは、速く走る能力を持ったものだけでもありません。


 例えば、パンダやナマケモノは速く走る能力を持たず、日中のんびりと過ごしているので、適者が生存してきたというのであれば、とっくの昔にいなくなって存在していないでしょう。しかし、パンダやナマケモノのようなのんびり過ごす生物が自然界に生存しています。




Panda by kevin dooley (panda3)
環境に適応した動物が生き残って今の生物があるというのであればどうしてパンダのように日中のんびりと過ごす生物が存在しているのでしょうか



 また、蝶はどうでしょうか。あのようにゆっくり飛ぶかよわい生物がなぜ存在しているのでしょうか。また、数えきれない種類の花はどうでしょうか。花は自然界での強者ですか。例えばシクラメンとかランなどのかよわい多くの花は、他の生物との生存競争に打ち勝って進化に生き残ってきたのでしょうか。



Butterfly by SFAJane (butterfly3)
適者生存が起きているのであればなぜ蝶のようにゆっくり飛ぶかよわい生物が存在しているのでしょうか



Cyclamen miniature arrangementby A_of_DooM ( Cyclamen3)
かよわいシクラメンは自然界の強者だから生き残っているわけではないでしょう



Cattleya "Le recital" by Free the Image (orchid3)
確かに自然界で生存競争や適者生存は意図されていなかったのです




 明らかに、現在自然界に生存する植物や動物は、他の生物と競争して、生き残るような強い生物ばかりではありません。これは、適者生存が起こっていないことを示しています。


 聖書が述べることはこうです。神はありとあらゆる種類の植物と海と陸地と空に生息する動物を創造されました。それらの生物は、互いに生存競争をするのではなく、互いに平和に共存することになっていました。


最初は、人間も食物はすべて植物でした。(創世記1:29)また、すべての動物に草が食物として与えられました。
 

 聖書に、生物が最初に創造された時、「地のあらゆる野獣と、天のあらゆる飛ぶ生き物と、地の上を動き、その内に魂としての命を持つすべてのものに、あらゆる緑の草木を食物として与えた。」と述べられています。(創世記1:30)動物は互いに食し合う関係ではなかったのです。
 

 それらの生物は、人間のためを意図して神は創造されたのです。それらの生物は人間を益するために創造されたのです。人間の生活を変化に富んだ楽しいものとするために、人間の目と耳を楽しませるために、それらのさまざまな生物を神は創造してくださったのです。


 また動物は人間のペットになります。それらの生物の存在の背後に、明らかに人間を益するという意図が見られます。
 

 その広く広げた尾が人の目を楽しませるクジャクや、色とりどりの美しい色をしたインコやオウムがいます。鳥の中には、魅力的な声をしているものがいます。色とりどりの蝶や、色とりどりの魚がいます。




Peacock by BBM Explorer (peacock3)
くじゃくやインコのさまざまな色は生存に必要だというわけではありません



English Budgie vs American Parakeet by PuppiesAreProzac (parakeet2)
くじゃくやインコのさまざまな色を見て楽しめるのは人間です
神はそれらの生物を人間を楽しませるために創造してくださったのです



 蝶のさまざまな色や、鳥の翼のさまざまな色、魚のさまざまな色は、必ずしも、生存していくために必須であるわけではありません。


 明らかに、神はさまざまな動物や鳥や魚に多様な特徴と能力を与えました。エホバ神は、動物や鳥や魚にさまざまな能力を与えてご自分の多様な知恵を明らかにされたに過ぎないのです。また、それらの生物は人間の目と耳を楽しませることができました。生物の持つ能力や特徴がすべて生存に必須であったり、他者と競争して生き残るのに有利であるわけではありません。他の動物や生物と生存競争をすることは意図されていなかったのです。
 

 ガゼルがあれ程早く走る能力を持っているのは、肉食動物から逃れるためなのでしょうか。その能力を進化させたのでしょうか。肉食動物から身を守るためなら、牙や爪を進化させた方が良かったでしょう。もしくは、翼を進化させても良かったでしょう。そうしたら飛んで逃げることができたでしょう。


 ライオンやトラやガゼルが早く走れるのは、それらを見て人間が驚いて目を見張るためです。それらが早く走るのを人間は見物して楽しめるでしょう。エホバ神は、もともとさまざまな動物に多様な特質や能力を与えて、人間が自然界を楽しめるようにしてくださったのです。 

 
 それで、自然界には、進化論者が主張するように適者生存は、起きていません。進化は起こっていないのです。エホバ神は、人間のためにあらゆるタイプの生物を創造してくださったのです。私たちは自然界に多様な生物を創造して人間に喜びを与えて下さっているエホバ神に感謝しましょう。