聖書の歴史を裏付ける考古学的証拠品が豊富な大英博物館


  大英博物館には聖書の歴史を裏付ける考古学的な証拠品が豊富に展示されています。大英博物館には、古今東西の美術品や書籍や略奪品など約800万点が収蔵されています。そのうち常設展示されているのは約15万点です。 各国語版の案内書も充実しており、この中には日本語版(£6)もあります。


 最寄の地下鉄駅は、Tottenham Court Road (500m) Holborn (500m) Russell Square (800m) Goodge Street (800m) です。見学は無料で10:00から17:30まで毎日開館しています。金曜日は20:30までです 。閉館日は、元旦、24日、25日、26日。 電話は+44 20 7323 8299。
      


 大英博物館に正面入り口から入ると広間のGreat Courtに出ます
(britishmuseum1)



 それより左の展示室群は古代ギリシア古代エジプトコーナーとなっています。古代エジプトの展示物が一階のルーム4にあります。古代ギリシャ古代ローマの展示物も一階にあります。古代アッシリアの展示物が一階と二階の一部にあります。



大英博物館館内図




 広くて1日では回りきれないので、パンフを手に入れた後、Room94まである各部屋のどこを回るか決めていく必要があります。


  エジプトの展示物には、ラムセス二世の関連の石と有名なロゼッタ石があります。


 教会史家の中にはラムセス二世がモーセが対決したファラオではないかと考える人がいますが、そのファラオは紅海で死んでしまったので、長生きしたラムセス二世ではないでしょう。しかしラムセス二世の繁栄は、聖書が述べる通りエジプトのファラオが権勢を振るったことを証明しています。




Ramesses II by [Duncan] (Ramesses II)
ラムセス二世の彫像はファラオが聖書の述べる通りエジプトで権力を振るったことを示しています
  
 


またその同じ王の黒いオベリスクがあります。そのオベリスクには、イスラエル王エヒウがシャルマネセルに平伏し、貢物を献上する様子が刻まれています。その石碑は、ニムルド(アッシリアの首都カルフの遺跡)から出土しました。




DSC_0042by unnormalized (Shalmaneser III 2)
アッシリアのシャルマネセルの黒いオベリスクには聖書に登場するイスラエルの王エヒウが平伏して貢物を献上する様子が刻まれています



 エヒウは『オムリの家のイエフ(エヒウ)』と、エヒウ自身が滅ぼしたアハブ王朝の父親の名前の下で紹介されています。聖書の述べるとおり、聖書に記録されたエヒウやオムリというイスラエルの王が実在したことを証明しています。(列王第一16:23,29。列王第二10:10,11)



  また、ティグラトピレセル三世Tiglath-pileser IIIの石板があります。彼は聖書に出てくるプル王だと考えられています。(列王第二15:19。歴代第一5:26)イスラエルの王メナヘムはアッシリアが攻めてきたとき、アッシリアの王プルに銀を払ったので彼は引き返しました。(列王第二15:20) 



Stone panel from the Central Palace of Tiglath-pileser III, 730-727 BC  (Tiglath-pileser 3)

聖書に登場するティグラトピレネセル三世の宮殿の石板も大英博物館にあります



 ルーム9には今の北のイラクにあるニネベのセナケリブ王の宮殿の展示物があります。セナケリブは聖書によるとユダのヒゼキヤ王の時に、ユダに攻めてきました。(歴代第二32:1-2)その時のアッシリア側の説明となっているテイラープリズムも大英博物館にあります。



The Taylor Prism by Averain(taylorprism)
テイラープリズムには聖書が述べる通りセナケリブ王がエルサレムとユダを攻めたことが記録されています
                  



Panel of Sennacherib, 704-681 BC  (sennacherib2)
セナケリブ王のパネル
                    


 また、大英博物館には、サルゴン二世の王宮に関連した展示物もあります。サルゴン王に関しては、彼がフィリスティア人の主要な都市のひとつアシュドドを攻め取ったというイザヤ書の記述があります。(イザヤ20:1)サルゴンの王宮の入り口には、王宮の守護者とみなされていた人間の頭をした翼のある二頭の雄牛の彫刻があります。



Colossal winged bull from the Palace of Sargon II by portableantiquities(sargon24)




 2012年には大英博物館のルーム52に長さ約22センチ太さ約10センチのキュロスの円筒印章が所蔵されていました。イザヤ書の中では、キュロスは「油そそがれた者」と呼ばれ、神はキュロスにバビロンを倒させ、エルサレムを建て直し、神殿の基を据えるように取り計らわせることが預言されていました。(イザヤ44:28;45:1)


 キュロスの円筒印章には、楔形文字で、キュロスが、バビロンを倒したこと、諸民族を解放し、弾圧や圧政を廃することが書かれています。




London 013 Cyrus Cylinder by David Holt London (Cyrus Cylinder1)
キュロスの円筒印章が大英博物館にあります



 また大英博物館には、アレクサンダー大王の頭像もあります。アレクサンダー大王の名前は、聖書には出てきませんが、彼のことは、雄ヤギの頭にある一本の大きな角として預言的に描写されていました。その角は、折れることになっており、その後四つの王国に分かれることになっていました。(ダニエル8:8)



 確かにアレクサンダー大王は、若くして死に、その後に彼の建設したギリシャの帝国は、彼の部下の四人の将軍によって分割されました。




大英博物館にはアレクサンダー大王の頭像があります



 このように大英博物館の考古学的な展示物を見学するならば、聖書に出てくる歴史が決して作り話ではなく、実際にあった出来事であることが分かります。


 機会があったら、大英博物館に足を伸ばされてください。また、大英博物館の展示物は、他の国の博物館や美術館に巡回展示されることがあるので、そうした機会を捉えるならば、聖書の記述に対する信仰が強まります。聖書を読むとき、その背後に実際の出来事があるということが分かります。