創世記1・2章・アダムの創造

 エホバ神は創造の六日目の最後に人間男女を創造されました。(創世記1:26,31)今回はアダムの創造の詳細について説明したいと思います。


 創造の六日目の最後、エホバ神は地面の塵で人を形作られました。(創世記2:7)すなわち土の中の諸元素を材料にして男性の肉体を創造されました。確かに人間の体を構成する元素はすべて土の中に見出されます。


 最初は、形造られた人間の肉体に命はありませんでした。エホバ神はそのご自分が形作られた人間の肉体の「鼻孔に命の息[ネシャーマーの変化形]を吹き入れられた」と聖書は述べています。(創世記2:7)


 神は人間の鼻の穴からその肺に空気を吹き入れられました。その時神は同時に人間に生命を与えられました。人間の肺は呼吸を開始して同時に心臓が鼓動を始めて、人間の体は「生きた魂」になりました。このように聖書は呼吸と人の生命を結びつけています。


 聖書には、生命力と言う言葉は直接に出てきませんが、確かに聖書は生き物の呼吸と、霊(ルーアハ)を結びつけています。なぜなら、聖書は生き物に関して、「その鼻孔に命の力[もしくは,「霊」(ルーアハ)]の息[ネシャーマーの変化形]が活動していたすべてのもの」と述べています。(創世記7:22)


ルーアハとは、文脈によっていろいろな意味に解釈できます。ルーアハとは、肉眼には見えなくても力が働いていることをはっきり示すものを指しています。それで、ルーアハは、肉体を持つ生き物に用いられる場合、それが呼吸することを促す目に見えない力を表すと考えられます。それで、生物は、このルーアハつまり、生命力によって動かされて呼吸をすることができます。エホバ神は、人間に呼吸を開始させた時、この生命力を与えられました。


 聖書によると、魂とは人間の体から離れた霊魂のようなものではありません。それは呼吸をしている人間の肉体そのものです。魂ヘブライ語ネフェシュは、字義的には「呼吸をするもの」という意味があります。人間の肉体は、生きている「呼吸をするもの」ということができます。それで、人間は空気を呼吸しているので生きています。呼吸をしなければ、人間は生き続けることはできません。




Image from page 13 of "Bible primer, Old Testament, for use in the primary department of Sunday schools" (1919) by Internet Archive Book Images (adam1)
アダムは神から体を作っていただき呼吸を開始させられて生命力を与えられました




 エホバ神は、人間をご自分の像に創造するにあたって「彼らに海の魚と天の飛ぶ生き物と家畜と全地と地の上を動くあらゆる動く生き物を服従させよう」と言われました。(創世記1:26)それで、エホバ神が人間を創造された目的は、地球上のあらゆる生き物を支配させるためでした。ですから、地球とその上のものは人間のために創造されており、一方人間は地上の生き物を世話するのに適しています。(イザヤ45:18)


 研究によると、人間は動物と共に過ごすことによって身体的、感情的、社会的に益を受けます。研究によると、ペットを飼うと、血圧を下げ、心臓病や高コレステロールのリスクを軽減します。さらに、心臓発作を減らし、寿命を延ばします。ペットを飼っている人は病院へ行く回数が少なく、医療費も少なくなります。



Tim and Deuce by Tobyotter (mananddog)
人間は動物と共に暮らすことによってさまざまな益を受けます
このことは人間が地上の生き物を世話するために創造されたことを示しています




 子どもの頃に犬と一緒に成長すると、免疫システムが強くなり、喘息などのアレルギーのリスクを軽減します。ペットと一緒に育った子どもは、人を思いやる気持ちが強くなります。


 ペットを飼っている人は、飼っていない人に比べて、運動量が増加し、社会的交流が増え、精神面がより活性化するので、より長生きをする傾向があります。配偶者を失った人が、ペットを飼うことによって、気持ちの落ち込みを大きく減らすことができる場合があります。それで、人間は生き物と共に暮らしてその世話をして益を受けます。


ウォルサム研究所人と動物の相互関係の詳細
 

 人間が動物と共に生活して益を受けるということは、人間が動物を世話をするという使命を与えられて創造されていることを示しています。ですから、人間は単に下等な生物から進化したのではありません。事実は、動物と共に生活するように創造されているという聖書の記述の正しさを裏付けています。
 
 エホバ神は、エデンの東の方に園を設け、ご自分が創造して命を与えた男性をそこに置かれました。(創世記2:8)「エホバ神は、見て好ましく食物として良いあらゆる木を地面から生えさせ(た)」と記されています。(創世記2:9)その中には、りんご、いちじく、バナナ、ざくろ、ブルーベリー、クコの実、ぶどう、パイナップル、アボカド、竜眼アサイー、オレンジ、みかんなども含まれていたでしょう。



Image from page 11 of "Canadian fruit, flower and kitchen gardener .." (1872) by Internet Archive Book Images (fruit)
エデンの園にはさまざまな果物があったことを聖書は示しています
 

 それで、エデンの園に備えられた食物は、栄養が十分あってアダムは健康を保つことができたでしょう。さらに、それらの木々は見てとても楽しいもので、エデンの園は過ごすのに楽しい場所だったでしょう。それで、アダムの出発はとてもいいものでした。このことは、エホバ神が人間の必要物をふんだんに与えてくださる寛大で親切な方であることを示しています。



 人類はアダムを通してエホバ神から命を与えられています。それで、エホバ神は、わたしたちの天の父ということができます。(マタイ6:9)私たちは命の源エホバ神にいただいた命を感謝しましょう。(詩編36:9。啓示4:11。使徒17:28,29)


 残念なことに、アダムは、神に逆らってエホバ神の世話のもとから離れて、自分で独立して生活することにしました。ですから、人類は食糧不足やその他の災いを経験しています。私たちは、エホバ神の王国の支配が完全に行われる時に、エホバ神が私たちの必要物を豊かに満たしてくださることを信頼できます。