神による創造にもかかわらず自然界に弱肉強食が見られるのはどうしてですか

 

自然界が神によって創造されたのなら、自然界に一部弱肉強食が見られるのはどうしてでしょうか。たとえば、ライオンなどの肉食獣がガゼルなどの草食獣を襲って食べます。聖書は現在動物界の状況は、神が当初意図された状況とはかけ離れていることを示しています。


 聖書は、神が最初はすべての動物に植物を食物として与えたことを示しています。神は「地のあらゆる野獣と、天のあらゆる飛ぶ生き物と、地の上を動き、その内に魂としての命を持つすべてのものに、あらゆる緑の草木を食物として与えた」と述べられています。(創世記1:30)ですから、動物が創造された当初、動物は互いに平和共存していました。




(lionsheep3)
最初に肉食動物も草食動物も植物を食物として与えられたので動物は互いに平和共存することになっていました



 しかし、その状態は、人間がすべての生物を適切に管理することによって維持されたことを聖書は示しています。神は人間にすべての生物を管理する仕事を与えました。


 聖書によると、神は最初に人間男女に、「子を生んで多くなり、地に満ちて、それを従わせよ。そして、海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上を動くあらゆる生き物を服従させよ。」という命令を与えられました。(創世記1:28)すべての動物は、人間の適切な管理のもとで、互いに平和共存ができたのです。


 しかし、最初の人間男女は、神に背きました。(創世記2:17;3:6)それで、他の生物を適切に管理するという神から与えられた務めを行わなくなりました。かえって人間は、他の生物を乱暴に扱うようになりました。そのために、動物界にも混乱が見られるようになりました。


 一部の生物が他の生物を襲って食べるようになってしまいました。草食ではなく、肉食が始まりました。しかし、この状態は、アダムが神に従順に服して、動物を適切に管理していたら生じなかったはずです。


 神は、もともと生物が弱肉強食していくことではなく、平和共存していくように意図されたのです。それで、パンダやナマケモノのようなのんびりした生物や、花や蝶のようにかよわい生物も存在しているのです。


 では、なぜライオンやトラなどある種の動物は鋭い牙や爪を持っているのでしょうか。それは、他の動物を襲うためではありません。それらの肉食獣のするどい牙は、繊維の多い植物など固い植物をかみ砕くことを意図して造られたと考えられます。




Cougar Teeth by Eric Kilby(lion3)
肉食獣のするどい牙は繊維の固い植物などをかみ砕くことを意図して与えられました




 注目すべきなのは、多くの動物が、草食であるということです。また、肉食だけでなく草食もする動物もとても多いです。


 wikiには肉食とされるインドライオンが草を食べることが述べられています。また、ライオンは草食動物を倒した時、草が消化される途中の内臓から食べることにより、間接的に草を食べて栄養のバランスを取っています。このことも、現在肉食の動物や生物が、本来草食であり、草食が可能であることを示しています。


ライオンも草を食べる


 また、象は、長い牙を持っていますが、象は、大抵牙を他の動物を襲うために使うことはありません。しかし、象の牙は人間ために仕事をする時役立ちます。ですから、動物の牙が本来他の動物を襲うために与えられたとは言えません。


 もっとも角や牙が仲間の動物とけんかして力を誇示するためであるというのは考えられることです。聖書は動物に「ねたみや闘争心」がみられることを述べているからです。(ヤコブ3:14,15)


 ガゼルはとても速く走れます。(ソロモンの歌2:8,9)ですから、結果的に人間の手や他の動物から速く逃れることができます。しかし、ガゼルが速く走れるのは、肉食獣から逃れるためでしょうか。


 ガゼルが速いのは、生存競争に生き残るようにされたからではありません。もともとは肉食獣は、草食獣を襲って食べることになってはいませんでした。ですから、ガゼルが速く走れるのは、人間がそれを見て、驚いて目を見張り、楽しむためだと思います。


 それで、現在、肉食動物が草食動物を食べるという状態が見られますが、それは神が最初から意図された状態ではありません。エホバ神は平和の神です。(コリント第一14:33)エホバ神は当初人間とあらゆる種類の動物が平和共存するように意図されました。


 聖書はライオンがわらを食べ他の動物と平和共存する時代が到来することを予告しています。(イザヤ11:6,7)エホバ神が意図された状態は、この地球が楽園になる時に実現するでしょう。私たちは、平和の神エホバ神を崇拝していきましょう。