痕跡器官は進化を裏付けていますか

 進化論者は、進化が事実であることの証拠として、痕跡器官をあげています。進化論者は生物のある器官は、退化によって本来の用をなさなくなって、わずかに形だけがそれと分かるように残っている と考えています。進化論者は、痕跡器官は、それは生物の形態が変化していることを示すと主張しています。これは、事実ですか。



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 例えば、痕跡器官とみなされて有名なもののひとつに盲腸があります。ヒトの盲腸は、草食性のサルのものよりはるかに短く縮小しているので、ヒトの進化に伴って退化した痕跡器官だと考えられています。人の盲腸は、何にも役に立たない器官でしょうか。


  ヒトの盲腸は小腸から大腸への入り口にあります。盲腸の先端にぶら下がっている袋状の突起が虫垂です。 虫垂は、直径1センチ以下で、7センチ程度の細長い形をしています。





Olek Remesz (wiki-pl: Orem, commons: Orem) (cecum)
盲腸は不要な器官ではなく人体の健康に重要な役割を果たしています



2004年3月 7日(日)テーマは『虫垂炎』



 この小さな虫垂は、不要な器官ではありません。虫垂は、腸内の免疫機能のコントロールという大切な役割を果たしています。虫垂はそのために、非常に発達したリンパ組織を持っています。


 私たちの腸の中には、およそ300種類の腸内細菌が100兆個以上いるといわれています。これらの細菌は、互いにバランスを取りながら、腸内の抵抗力を高めたり、消化吸収を助ける などの役割を果たしています。しかし、腸内細菌のバランスが崩れることもあります。この時、虫垂が働きます。


 虫垂のリンパ組織は、バランスを崩そうとしている細菌をすぐさま察知し、白血球を使って攻撃を行います。虫垂は、こうして腸内の免疫機能を維持しています。


 それで、盲腸は、決して痕跡器官ではありません。人体の健康のために大きな役割を果たしています。ですから、盲腸は進化の痕跡ではなく、エホバ神が私たちの健康の維持のために創造してくださった重要な器官のひとつです。私たちは、エホバ神が創造してくださった器官に関して、エホバ神に感謝すべきです。


 また、wiki痕跡器官(生物)の項目の中では、ハエの後翅は痕跡器官とみなされると述べられています。なぜなら、ハエは前翅のみが飛行に役立つ羽根の形を取り、後翅は先端が球状に膨らんだごく小さな棒状になっているからです。それで、ハエの後翅の器官は、外見上で小さくなり、退化したものであると見なされています。


 しかし、wikiの記事の中で認めているように、ハエの後翅は退化して不要なものに見えても、実際はハエに大変役立つ器官です。
 

 ハエの後翅とみなされるものは平均棍(へいきんこん)と呼ばれます。平均棍は、感覚子を数多く備えており、体の姿勢の変化を敏感に受け取る重要な感覚器官となっています。ハエが飛んでいる間、平均棍は常に前翅と等頻度で振動して、体のバランスを保つ役割を果たしています。そのため、平均棍を切除するとハエは満足に飛行が出来なくなります。


衛生昆虫の微細構造 第2章 ハエ


 それで、平均棍は決して痕跡器官ではなく、最初からハエの飛行中の姿勢のバランスをとるという機能を果たすために、神によって造られた器官です。進化論者は、進化を既定の事実として考えているために、それぞれの器官が果たしている有用な役割を無視しています。




Green Bottle Fly on Golden Fig by bob in swamp (fly3)
ハエの平均こんはハエの飛行中のバランスを果たすという機能を果たしています
決して不要になった痕跡器官ではありません


 生物のそれぞれの器官はよく調べてみると、多くが生物が生存するのに助けになる独自の機能を果たしていて、何か他のものに変化する途上のものはありません。ですから、生物は、変化し続けているのではなく、最初から創造者によって熟慮のもとに作られています。


 ただし、病気や障害を負っている人が存在しているように、奇形の生物も存在していると思います。そうした生物は、役立たなくなった不完全な器官を持っていることはあり得ます。しかし、もしそうした器官が存在しているならば、生物は進化しているよりも退化している証拠になります。


 しかし、通常の正常な状態であるなら、生物の持っている器官は、独自の役立つ機能を果たしています。それは、生物は神によって創造されているからです。他の生物から進化している途上の痕跡器官は存在しないのです。


  私たちは、自然界を工夫をこらして作ってくださり、人間が健康に暮らせるように取り計らってくださった創造者のエホバ神に感謝しましょう。