列王第二6・7章・エホバ神からもたらされる災いと助け

 私たちは、エホバ神からもたらされる災いと助けを経験するように見えます。それらにどのように反応すべきなのでしょうか。


北のイスラエル預言者エリシャはバアル崇拝と戦うためにエホバに任命されていました。(列王第一19:16-18)エリシャの時代、北のイスラエルもエホバからもたらされる災いと助けを両方経験しました。


 エホバは、北のイスラエルをシリア人の略奪隊から助けられました。(列王第二6:23)それで、エリシャの助けでシリアの軍勢はしばらくイスラエルを悩ましませんでした。


 しかし、シリアの王ベン・ハダドがサマリアを攻め囲みました。そのために、イスラエルの首都サマリアに大飢きんが起きました。サマリアでは、食べ物と物資が不足し、それらのものが非常に高価になっていました。(列王第二6:25)


 シリア人が攻めてきたことや、サマリアで起きた大飢きんは、エリシャが予告したことであるとは、聖書に記されていません。しかし、イスラエルの王エホラムは、それを「エホバからの災い」とみなしました。それで、イスラエルの王は、「どうしてこれ以上エホバを待ち望むべきなのか」と言いました。(列王第二6:33)


 それで、イスラエルの王は使者を遣わして、エリシャを殺そうとしました。(列王第二6:31,32)しかし、その時の王の判断は正しいものではありませんでした。エリシャは、以前エホバによってシリアの軍隊からイスラエルを救ったのですから、イスラエルが経験していることをエリシャのせいだと考えるのは間違っていました。


エホラム王は、その時祈りによってエホバに頼るべきだったのです。あるいは、自分の行いがエホバの目にどうであるか吟味すべきでした。
 

 しかし、エホラム王については、エホバの目に悪いことをしたと述べられています。(列王第二3:2)彼は、確かに、バアルの聖柱を取り除きました。エホラム王は、預言者エリシャ通してシリアから助けられたので、エホバの親切に少しだけ答え応じ、バアル崇拝を退ける努力をしたのかもしれません。しかし、彼は金の子牛崇拝という偶像崇拝をやめませんでした。(列王第二3:2,3)



エホラムが経験した災いは、エホラムが金の子牛崇拝をやめなかったので、エホバからの保護と祝福が差し控えられていたからであったと思われます。エホラムはサマリアが脅かされた時こそ、自分を吟味して、エホバの不興が臨む原因を取り除き、エホバに依り頼むべきだったのです。





The Adoration of the Golden Calf (goldencalf2)
エホラムは子牛崇拝という偶像崇拝をしていましたが自分を吟味してやめようとせずエホバからの災いを経験したと考えました



 イスラエルの王はそうせず、エリシャを殺そうとしたのですが、その時、エホバ神は預言者エリシャを通してイスラエルを助けられました。エリシャは穀物の値段が下がってサマリアに臨んだ大飢きんが解決することを預言しました。エリシャは年長者たちの前で、明日、サマリアで「上等の小麦粉一セアが一シェケル、大麦ニセアは一シェケルの値になるであろうと預言しました。(列王第二7:1)


 ある人は、エリシャを通して与えられたエホバの言葉を信じませんでしたが、エホバのことばの通りになりました。エホバ神は、サマリアを取り囲んでいたシリアの大軍に、戦車の音、馬の音、大軍勢の音を聞かせられたので、シリア人は、イスラエルの王がヒッタイトの王たちとエジプトの王たちを雇って自分たちを攻めてきたのだと考えました。(列王第二7:6)


 そして、シリア人は、陣営に所有物もそのままにして、陣営から逃げ出しました。シリア人が残した食糧や物資によって、サマリアの飢きんは解決し、サマリアの食料の物価はすぐに下がりました。





The city of Samaria was the capital of the Northern Kingdom, Israel, for about 200 years. Much of the work of Elijah and Elisha took part in or near this city. (samaria2)
サマリアの遺跡―エホバはエリシャを用いてイスラエルを助けサマリアの飢きんはエホバの助けで解決しました




 それで、イスラエルの王が言ったことに反応されてエホバ神は北のイスラエルを助けられました。神の愛ある親切がこのように表わされたにもかかわらず,エホラムは死ぬ日に至るまで,悔い改めて偶像崇拝をやめることはありませんでした。


 その死は突然,思いがけない仕方で臨みました。エホラムはエホバに任命されたエヒウに処刑されることになりました。エホラムは、母のイゼベルがエホバの預言者の血を不当に流したので、イゼベルと共に処刑されました。(列王第二9:24-26)


 エホラム王は、エホバ神からしていただいた助けに感謝しませんでした。また、シリアからの攻撃をエホバ神からもたらされた災いと判断して、エホバを専心崇拝することはありませんでした。エホラムのようにエホバからの災いを経験しているように見える時、エホバを捨ててしまうべきではありません。結局、私たちはサタンの支配する世界に住んでおり、災いが生じることは避けられないのです。


 それで、エホバ神からの災いがもたらされていると思える場合は、とりわけエホバの不興をもたらす偶像崇拝に陥っていないかを吟味するべきです。エホバ神からの保護や助けを妨げる原因になっていることを取り除くべきです。そして、エホバ神からの助けを経験したなら、それに感謝して答え応じ偶像崇拝を取り除くべきです。




Yasukuni Shrine in Chiyoda by T.Tseng (yasukunishrine1)
エホバ神が保護と助けを差し控えておられるように見えたならエホバの不興を買う偶像崇拝を行っていないか吟味しましょう



 エホバから助けていただいた時には、エホバに感謝してエホバの崇拝に熱心になり、専心エホバを崇拝しましょう。それで、私たちは、エホバ神からの保護と助けを得るために、偶像崇拝をやめエホバに立ち返りエホバを専心崇拝しましょう。