啓示6章・第五の封印が開かれ殉教者が神に訴える

今回、第五の封印が開かれ、殉教者が神に復しゅうを訴える預言を説明します。 

 
 第五の封印が開かれると神の言葉のため、また証しの業のために殺された者たちの魂が祭壇の下にいて叫んでいました。彼らは、エホバ神に復しゅうを大声で叫び求めました。(啓示6:9,10)すると白くて長い衣がその一人一人に与えられました。そして、殺される仲間の奴隷また兄弟たちの数が満ちるまでしばらく休むよう告げられました。(啓示6:11)




Altar Of Burnt Offering. (altar2)
エスが第五の封印を開くと神の言葉のため殺された者たちの魂が祭壇の下で叫んでいました




 聖書は死んだ者たちが無意識であることを述べています。(伝道の書9:4)それなのになぜほふられた者たちが叫ぶことができるのでしょうか。
 

 ひとつ考えられる説明としては、昔カインがアベルの血を流して殺した時、エホバ神は、「あなたの兄弟の血がわたしに向かって地面から叫んでいる。」と言ってカインを非難されました。(創世記4:10)そして、聖書はさらに「肉の魂は血にある」と述べています。(レビ17:11)ですから、魂を表す血は不当な死に抗議して比ゆ的に叫ぶことができます。


 昔、モーセの律法下では動物の犠牲が捧げられ、その血は祭壇の周囲にふりまかれ、残りは祭壇の基部に注がれました。(出エジプト29:12)また、「エホバの目に貴重なもの,それはご自分の忠節な者たちの死です」と詩編に述べられています。(詩編116:15)


 それで、神の言葉のために、また証しの業のために殺されたクリスチャンの死はエホバにとっては、重大なことです。そうした死の中には、神の言葉に従って武器をとって戦うことを拒否する良心的兵役拒否による死も含まれているでしょう。


 それで、クリスチャンが殉教の死を遂げる時、それは他の一般的な災いによる死よりも、エホバにとって捧げられた動物の犠牲のように貴重で重大なものであることが分かります。


 さらに、大患難の前に、殉教の死を遂げるクリスチャンの中には、天的な希望を与えられている聖なる者たちも含まれています。(啓示17:6;18:24)それで、考えられるもうひとつの説明としては、大患難の前には、彼らの天への復活が始まり彼らは死んでも神に対して自分の復しゅうを呼び求めることができるのかもしれません。


 そして、これは次回に詳しく説明しますが、第六の封印が解かれると大患難が起きます。(啓示6:12)なぜなら、第六の封印が開かれると起きる大きな地震は大いなるバビロンの滅びを意味しているからです。(啓示6:16:18,19)


 ですから、神の僕がその証しの業のために反対され殺されるのは大患難の前です。マタイ24章でも、イエスは同様のことを述べており、世界中で戦争や食糧不足や地震が起きると共に、「人々があなた方を患難に渡し、あなた方を殺すでしょう」と予告されました。(マタイ24:7,9)





Lions destroy the Christians. (martyrdom)
現代における迫害と殉教はキリストが王となられたこと大患難が近いことを示しています



 それで、迫害によるクリスチャンの死のために、エホバ神に復しゅうが呼び求められた後に第六の封印が解かれ、大患難が起きるということは、大患難が神の僕に対する迫害に対する復しゅうでもあることを示しています。


 さらに、神の僕が証しの業のために殉教の死を遂げるということは、イエスが天で王として権威を与えられたことを証明するひとつの出来事だと言えるでしょう。


 しかし、エホバ神は神の僕が殺されるのを見ても、すぐには反応されません。「彼らは、自分たちが殺されたと同じように殺されようとしている仲間の奴隷また兄弟たちの数も満ちるまで、あとしばらく休むように告げら(れ)」ます。(啓示6:11)エホバ神はしばらく待つようにと告げられます。


 それには目的があります。啓示7章によると、天的希望を与えられる「聖なる者たち」の14万4千人全員が大患難の前に集められることが預言されています。(啓示7:1,3,4)また、地的な希望を持つ大群衆も、数を数えることができないほどたくさん集められます。(啓示7:9,14)


 もし、すぐに神の復しゅうが行われて大患難が来てしまえば、14万4千人が集められることも、大群衆の数が数えつくすことのできない程の数になることもないでしょう。そのため、神の僕が迫害によって命を失うことは、ある程度の長い期間に及びます。その数が十分満ちる時に、神は怒りを表され大患難が起こることになります。





(greatcrowd26)
大群衆の数が数えきれなくなるまで大患難での復しゅうを待たなければなりません



 啓示の書によると、天的な希望の聖なる者たちも地的な希望の大群衆も、白くて長い衣を着ています。(啓示3:5;7:9;19:8)殉教したクリスチャンに白くて長い衣が与えられるということは、証しの業のために殉教するクリスチャンは、天的希望か地的な希望かいずれかの希望を持つエホバに是認されたクリスチャンとして認められることを意味するのでしょう。


 啓示の預言は、聖なる者たちと預言者たちが大いなるバビロンによって殺されることを預言しています。(啓示17:6;18:24)また、大いなるバビロンは支配下にある野獣を用いて神の僕を迫害して殺すこともするでしょう。ですから、迫害は大いなるバビロンの国内が最も激しいとは考えられますが、大いなるバビロン以外の国家でも、神の僕の迫害と殺害が起こると考えられます。(マタイ24:9)


 国連人権理事会(UNHRC)の2013年6月の報告によると、韓国、アルメニア、アフリカのエリトリアトルクメニスタンで良心的兵役による投獄が報告されています。UNHRCは特に韓国に言及し、1950年以降、1万7208人の「エホバの証人」信者が宗教的信念による兵役拒否で、計3万2566年の懲役刑を言い渡されたと指摘しました。


 韓国の投獄された良心的兵役拒否者の中には命を失った人もいました。韓国は、米国の同盟国であるので、米国の軍国主義の影響が強いかもしれません。また、北朝鮮と常に軍事的に緊張状態にあるせいかもしれません。韓国は、現在良心的兵役拒否者の投獄数は世界で最も多いようです。


 米国では、市民権の取得者と、永住権取得者が兵役を拒否すると刑務所に送られることになっているので、良心的兵役拒否者で投獄されている人も現在もいると思います。



John T. Neufeld was a Mennonite World War I conscientious objector sentenced to 15 years hard labor in the military prison at Leavenworth. He was paroled to do dairy work and released after serving five months of his sentence. His diary of army and prison life is published in a collection with three other WWI Mennonite conscientious objectors.(conscientiousobjector)良心的兵役拒否をしたメノナイトのジョン・T・ニューフェルド
良心的兵役拒否で命を失った人も神の言葉のために祭壇に血が流された人に含まれるでしょう




 アメリカのネットのメディアで、良心的兵役拒否のために投獄されている人の実例を見たことがあります。また、エリトリアでは、ただエホバの証人であるというだけでも投獄されています。


 そして、イエスの預言によると、神の僕に対する迫害は全世界で起きます。クリスチャンは、イエスの名のゆえに「あらゆる国民の憎しみの的になる」ことをイエスは予告されました。(マタイ24:9)


 私は、現在、クリスチャンに対する迫害や殺害が一部の国で起きてはいますが、その迫害は全世界的な規模で深刻なものになってはいないのではないかと思います。しかし、大いなるバビロンの中での大規模な迫害の兆候は確かに見られます。米国に数多くの強制収容所が建設されています。それは何に使うのでしょうか。いつか、米国はそれを実際に使用する可能性があります。


 しかし、大いなるバビロンの中で、現在、直接大勢の神の僕が殺されているという報告は、まだ見られません。しかしながら、水面下で良心的に神に信仰を持つ人々が殺されるということがなされているのかもしれません。これは、まだ十分分かりません。いずれにせよ、アメリカ政府は全世界の人々の個人情報を集めているので、問題はこれからますます広範囲に深刻になっていくでしょう。


 エスは天で王になっておられるのでしょうか。戦争、食糧不足、疫病、政府による弾圧と殺害、そうした出来事は、歴史を通してある程度起きてきました。それで、イエスが王になられたことを示す決定打が何かあるのでしょうか。それはおそらくこうした事柄が世界的な規模で起き、否定のしようもないことでしょう。


 これからも、大いなるバビロンの中で起きることや、あらゆる国家で起きることを注意深く見張っていきましょう。そのようにして、世界中で起きていることを見張っているなら、イエスが王になられた時を識別することができると思います。それは、神の王国の完成が近いことを意味します。


訓練を超えて拷問! 韓国軍の悲惨な実態
http://media.daum.net/politics/president/newsview?newsid=20130715100209379&RIGHT_REPLY=R36良心的兵役拒否問題について】
良心的兵役拒否の潮流・日本と世界の非戦の系譜」 稲垣真美
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/48-4.htm