イエスは何時間杭の上にかけられていたか

 エスが贖いの犠牲をささげるために耐え忍ばれた苦しみを考えると、キリストの贖いの犠牲に対して感謝するよう促されます。イエスは数時間杭の上で、痛みを耐えなければなりませんでした。イエスは、何時間、杭につけられていたのでしょうか。


 エスの、地上での生涯の最後の時にどのように時間が過ぎていったかを推測してみたいと思います。これから述べる時間は、単なる憶測に過ぎないことをご承知おきください。


 まず、イエスエルサレムで宗教指導者たちにつかまりました。マタイ26章によるとイエスが夜中に裁判を受けている時、ペテロはイエスを三度否認します。その後すぐに、「おんどりが鳴いた」のです。(マタイ26:74)ですからこのことが起きたのは明け方です。


 そして、マタイ27章によると、「朝になってから」宗教指導者たちは、「イエスを死刑にしようと協議」します。(マタイ27:1)その後、イエスは宗教指導者の所からピラトの所に連れていかれました。(マタイ27:2)

 
ユダヤの総督ピラトは、ふだんはカエサレアにいましたが、過ぎ越しなどの祭りの時期はエルサレムにいたので、イエスをピラトの所に連れていくのに、それほど時間はかかりませんでした。






Jesus is brought before Pontius Pilate; (pilate2)
エスは殺された日の午前中二度ピラトの前で審問を受けました




 エスヘロデ王の所にも連れていかれ、ピラトの所に戻されました。(ルカ23:6-11)イエスは、ピラトによって鞭打たれた時、激痛を感じられたことでしょう。(ヨハネ19:1)そして、ピラトは、イエスを杭につけるという裁定を下します。(マタイ27:26)


 そして、イエスゴルゴダに連れてこられて杭につけられます。イエスは、杭につけられるためにクギを手と足に打ち込まれた時も非常な激痛を感じられたことでしょう。(ヨハネ19:18)


 エスは通行人や宗教指導者たちや隣に杭につけられた悪行者からののしられます。(マタイ27:38-44)しかし、そのののしりの言葉は長くは続きませんでした。なぜなら、第六時から第九時まで、つまり正午から午後3時まで、全土に闇が垂れ込めたからです。(マタイ27:45)そして、イエスは第九時ごろ、つまり午後3時少し過ぎに、叫んで亡くなられました。(マタイ27:46,50)


 私がこれから述べることは、聖書に書かれていることではないので、憶測にすぎませんが、イエスが亡くなった日のだいたいの時間表を推測してみます。これは、実際の地図には基づいていません。今のエルサレムは、いろいろな出来事が起こった場所に、後代になって諸教会が建てられているので、実際は聖書時代にどのような地勢だったか、全く分からないからです。


  まず、宗教指導者は「朝になってから」、つまり6時ごろからイエスを死刑にすることについて30分程話し合ったかもしれません。それで、6時半になります。


 それから、イエスをピラトの所に連れていきます。ピラトのいる建物までイエスを連れて大勢で歩いていくので、30分ほどかかったかもしれません。それで、7時です。イエスはピラトの前で、一時間ほど裁きを受けたかもしれません。それで、8時になります。


 それから、イエスは、ヘロデ王のもとに連れていかれ、質問を受け、またピラトのもとに戻ってきます。それが移動時間も含めて2時間だと考えると、ヘロデ王のもとから、10時ごろ戻ってきます。


 それから、イエスは再びピラトの前で裁きを30分くらい裁きを受けたかもしれません。それで、10時半です。ピラトは、イエスを杭につけることにします。そして、イエスゴルゴダまで連れていかれます。 杭をかかえて移動して杭につけられるまで、1時間くらいかかったかもしれません。ですから、イエスが杭につけられたのは、11時半頃だったかもしれません。 


 エスが杭につけられた時間が、11時半頃だったかもしれないというのは、聖書にはっきり記載されていないので、推測に過ぎません。
  
 しかし、イエスが杭の上で、ののしられることは、神のみ名に恥辱をもたらすことにもなるので、それ程長くは続かなかったのではないかと思います。それから、正午から午後3時まで、全土に闇が垂れ込め、人々はあざけりの言葉を語ることができなくなりました。(マタイ27:45)


 ある人々はそれは自分たちが神の子を杭につけたことに対する神の不興の表れだと考えて神に恐れを感じたでしょう。イエスは確かに、普通の人ではなく、神の子だったのです。


 そして、イエスは午後3時少し過ぎに、叫んで亡くなられました。(マタイ27:46,50)エホバが奇跡的に日食を起こして、そうしたあざけりの時間を短くされたのではないかと思います。また、イエスが忠誠を保てるように、エホバ神はイエスが試練を受けて苦しむ時間を少しは短くしてくださったのではないかと思います。


 それで、イエスは杭の上に、3時間半くらいおられたのではないかと思います。こうして考えるとイエスが杭の上におられた時間は、比較的に長くはなかったかもしれませんが、イエスは、その間激痛に耐えなければなりませんでした。そして、イエスは、出血して体の力が徐々に弱っていくのを感じられたでしょう。しかし、イエスは、その間も完全な忠誠を保たれました。




(jesus19)
エスは死ぬまで三時間半くらい杭の上で苦しまれたのかもしれません―イエスは最後まで忠誠を保たれました



 私たちは、イエスが杭の上での激痛に耐えて忠誠を保って贖いの犠牲を捧げることに成功してくださったことを感謝できます。私たちが永遠の命を享受できるのも、イエスの贖いの犠牲のおかげです。


 エホバの証人は、2015年4月3日(金)の日没後に、全世界の王国会館その他の施設で、記念式を開催します。私たちは、キリストが私たちのために杭の上で激痛に耐えて忠誠を保ってくださったことに感謝するのであれば、キリストの死の記念式に出席しましょう。